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東京工業大学 2009年 理系 第4問 解説

数学1/立体図形数学3/積分法数学2/図形と式テーマ/空間図形テーマ/面積・体積
東京工業大学 2009年 理系 第4問 解説

方針・初手

(1) は平面の方程式に関する基本問題である。通る点と法線ベクトルから平面の方程式を立て、それが $xy$ 平面 ($z=0$) と交わる条件を考えればよい。 (2) は斜軸回転体の体積を求める問題である。定石通り、回転軸 $l$ に垂直な平面で領域 $D$ を切断し、その断面を $l$ の周りに回転させた図形の面積を求める。その後、回転軸に沿った変数を用いて積分することで体積を得る。

解法1

(1)

直線 $l$ は原点 $O(0, 0, 0)$ と点 $(1, 1, 1)$ を通るため、その方向ベクトルは $\vec{u} = (1, 1, 1)$ とできる。 求める平面は点 $\left(\frac{t}{3}, \frac{t}{3}, \frac{t}{3}\right)$ を通り、法線ベクトルが $\vec{u}$ であるから、その方程式は

$$ 1 \cdot \left(x - \frac{t}{3}\right) + 1 \cdot \left(y - \frac{t}{3}\right) + 1 \cdot \left(z - \frac{t}{3}\right) = 0 $$

となる。これを整理して、

$$ x + y + z = t $$

を得る。 この平面が $xy$ 平面と交わってできる直線は、$z = 0$ とすることで得られる。したがって、求める直線の方程式は

$$ x + y = t $$

である。

(2)

領域 $D$ は $xy$ 平面上の $0 \leqq x \leqq 1$ における $0 \leqq y \leqq x(1-x)$ の部分である。 $l$ 上の点 $P_t \left(\frac{t}{3}, \frac{t}{3}, \frac{t}{3}\right)$ を通り、$l$ に垂直な平面を $\alpha_t$ とする。 (1) より $\alpha_t$ の方程式は $x + y + z = t$ であり、$\alpha_t$ と領域 $D$ の共通部分は、$xy$ 平面上の線分

$$ x + y = t \quad \text{かつ} \quad 0 \leqq y \leqq x(1-x) $$

である。この線分を $L_t$ とする。

点 $(x, y, 0)$ が $L_t$ 上にあるとき、$y = t - x$ であるから、これを不等式に代入して

$$ 0 \leqq t - x \leqq x - x^2 $$

が成り立つ。これより以下の2つの不等式を得る。

$$ x \leqq t $$

$$ x^2 - 2x + t \leqq 0 $$

2つ目の不等式を満たす $x$ が存在するための条件は、判別式を考えて $1 - t \geqq 0$ すなわち $t \leqq 1$ である。 また、問題の条件から明らかに $t \geqq 0$ であるから、$t$ の取りうる値の範囲は $0 \leqq t \leqq 1$ である。 $t$ をこの範囲で固定したとき、$x^2 - 2x + t = 0$ の解は $x = 1 \pm \sqrt{1-t}$ であり、上の不等式は

$$ 1 - \sqrt{1-t} \leqq x \leqq 1 + \sqrt{1-t} $$

となる。これと $x \leqq t$ を同時に満たす範囲を求める。 $0 \leqq t \leqq 1$ において、$1 + \sqrt{1-t} \geqq 1 \geqq t$ は常に成り立つ。 また、$1 - \sqrt{1-t} \leqq t \iff 1 - t \leqq \sqrt{1-t} \iff (1-t)^2 \leqq 1-t \iff -t(1-t) \leqq 0$ も常に成り立つ。 したがって、$L_t$ 上の点の $x$ 座標の動く範囲は

$$ 1 - \sqrt{1-t} \leqq x \leqq t $$

となる。

$L_t$ 上の点 $Q(x, t-x, 0)$ と、回転中心 $P_t\left(\frac{t}{3}, \frac{t}{3}, \frac{t}{3}\right)$ との距離の2乗を $r^2$ とすると、

$$ r^2 = \left(x - \frac{t}{3}\right)^2 + \left(t - x - \frac{t}{3}\right)^2 + \left(0 - \frac{t}{3}\right)^2 $$

$$ = \left(x - \frac{t}{3}\right)^2 + \left(\frac{2t}{3} - x\right)^2 + \frac{t^2}{9} $$

$$ = \left(x^2 - \frac{2t}{3}x + \frac{t^2}{9}\right) + \left(x^2 - \frac{4t}{3}x + \frac{4t^2}{9}\right) + \frac{t^2}{9} $$

$$ = 2x^2 - 2tx + \frac{2}{3}t^2 $$

$$ = 2\left(x - \frac{t}{2}\right)^2 + \frac{1}{6}t^2 $$

これを $f(x)$ とおく。$1 - \sqrt{1-t} \leqq x \leqq t$ における $f(x)$ の最大値を $M^2$、最小値を $m^2$ とする。 放物線 $f(x)$ の軸は $x = \frac{t}{2}$ である。 $0 \leqq t \leqq 1$ において、

$$ 1 - \frac{t}{2} \geqq \sqrt{1-t} $$

(両辺正であり、平方して比較すると $1 - t + \frac{t^2}{4} \geqq 1 - t \iff \frac{t^2}{4} \geqq 0$ となり成立する) が成り立つので、移項して

$$ 1 - \sqrt{1-t} \leqq \frac{t}{2} $$

となる。また $\frac{t}{2} \leqq t$ も成り立つため、軸 $x = \frac{t}{2}$ は $x$ の定義域の区間に含まれる。 したがって、最小値 $m^2$ は頂点における値であり、

$$ m^2 = f\left(\frac{t}{2}\right) = \frac{1}{6}t^2 $$

である。

一方、最大値 $M^2$ は区間の端点における値の大きい方である。 区間の両端から軸までの距離を比較する。 軸から右端までの距離は $t - \frac{t}{2} = \frac{t}{2}$ 軸から左端までの距離は $\frac{t}{2} - (1 - \sqrt{1-t}) = \frac{t}{2} - 1 + \sqrt{1-t}$ これらの差をとると

$$ \frac{t}{2} - \left(\frac{t}{2} - 1 + \sqrt{1-t}\right) = 1 - \sqrt{1-t} \geqq 0 $$

となるため、右端の方が軸から遠い。よって最大値 $M^2$ は $x=t$ のときであり、

$$ M^2 = f(t) = 2\left(\frac{t}{2}\right)^2 + \frac{1}{6}t^2 = \frac{t^2}{2} + \frac{t^2}{6} = \frac{2}{3}t^2 $$

となる。

平面 $\alpha_t$ による回転体の断面積を $S(t)$ とすると、断面は円環(または円)となるため、

$$ S(t) = \pi M^2 - \pi m^2 = \pi \left(\frac{2}{3}t^2 - \frac{1}{6}t^2\right) = \frac{\pi}{2}t^2 $$

である。

最後に体積 $V$ を求める。 原点 $O$ から $P_t$ までの符号付き距離を $s$ とすると、$s = |\vec{OP_t}| = \frac{t}{\sqrt{3}}$ であるから $ds = \frac{1}{\sqrt{3}} dt$ となる。 $t$ が $0$ から $1$ まで動くとき、体積 $V$ は

$$ V = \int_{0}^{\frac{1}{\sqrt{3}}} S(t) ds = \int_{0}^{1} S(t) \frac{1}{\sqrt{3}} dt $$

$$ = \frac{1}{\sqrt{3}} \int_{0}^{1} \frac{\pi}{2}t^2 dt = \frac{\pi}{2\sqrt{3}} \left[ \frac{t^3}{3} \right]_{0}^{1} = \frac{\pi}{6\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{3}\pi}{18} $$

となる。

解説

(2) は斜軸を回転軸とする立体の体積を求める典型的な問題である。回転軸に垂直な平面で切断して断面積を求めるという定石を忠実に実行すれば解くことができる。 問題文の (1) が、回転軸上の点をパラメータ $t$ で表し、それに垂直な平面の方程式を立てるという明確な誘導になっている。 計算の山場となるのは、断面積を求める際の「回転中心からの距離の最大値・最小値」の決定である。定義域の端点に $\sqrt{1-t}$ が含まれるため、放物線の軸との位置関係を把握する際に戸惑うかもしれないが、大小関係を予想して差をとり、必要に応じて平方して評価する基本操作を丁寧に行うことが重要である。 また、積分計算の際に変数変換 ($dt$ を $ds$ に直す操作) を忘れて $\int S(t) dt$ を計算してしまうミスが頻発するため、立式時に注意が必要である。

答え

(1)

$$ x + y = t $$

(2)

$$ \frac{\sqrt{3}\pi}{18} $$

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