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大阪大学 1999年 理系 第4問 解説

数学1/立体図形数学3/積分法数学2/図形と式テーマ/空間図形テーマ/面積・体積
大阪大学 1999年 理系 第4問 解説

方針・初手

立体 $K$ と立体 $L$ を特定の座標軸に垂直な平面で切断し、その断面積を積分することで共通部分の体積を求める。

立体 $K$ は $xy$ 平面上の領域を $z$ 軸方向に平行移動させた柱体であり、立体 $L$ は $xz$ 平面上の領域を $y$ 軸方向に平行移動させた柱体とみなせる。これらの共通の変数である $x$ に着目し、$x$ 軸に垂直な平面 $x=t$ による切り口を考えることで、断面の形が辺の長さを求めやすい長方形となる。

解法1

立体 $K$ は、「どのような $a$ に対しても」平面 $z=a$ による切り口が特定の正三角形になることから、$xy$ 平面上の領域 $D_K$ を底面とし、$z$ 軸に平行な母線をもつ柱体である。

$D_K$ は $3$ 点 $(0, 0), (1, 0), \left(\frac{1}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}\right)$ を頂点とする正三角形の周および内部である。

この領域 $D_K$ を連立不等式で表すと、

$$ \begin{cases} y \geqq 0 \\ y \leqq \sqrt{3}x \\ y \leqq -\sqrt{3}x + \sqrt{3} \end{cases} $$

となる。したがって、立体 $K$ の表す領域は、

$$ K = \{(x, y, z) \mid (x, y) \in D_K, -\infty < z < \infty\} $$

と表せる。

同様に、立体 $L$ は「どのような $a$ に対しても」平面 $y=a$ による切り口が特定の正三角形になることから、$xz$ 平面上の領域 $D_L$ を底面とし、$y$ 軸に平行な母線をもつ柱体である。

$D_L$ は $xz$ 平面上で $3$ 点 $(0, 0), \left(0, \frac{2}{\sqrt{3}}\right), \left(1, \frac{1}{\sqrt{3}}\right)$ を頂点とする正三角形の周および内部である。

この領域 $D_L$ について、$x$ の範囲は $0 \leqq x \leqq 1$ であり、各 $x$ に対する $z$ の範囲は、点 $(0, 0)$ と $(1, \frac{1}{\sqrt{3}})$ を結ぶ直線、および点 $(0, \frac{2}{\sqrt{3}})$ と $(1, \frac{1}{\sqrt{3}})$ を結ぶ直線で挟まれるため、

$$ \frac{1}{\sqrt{3}}x \leqq z \leqq -\frac{1}{\sqrt{3}}x + \frac{2}{\sqrt{3}} $$

となる。したがって、立体 $L$ の表す領域は、

$$ L = \{(x, y, z) \mid (x, z) \in D_L, -\infty < y < \infty\} $$

と表せる。

立体 $K$ と $L$ の共通部分 $K \cap L$ の体積 $V$ を求めるため、平面 $x=t$ による切り口を考える。

$D_K, D_L$ の $x$ 座標のとりうる範囲はともに $0 \leqq x \leqq 1$ であるため、$t$ の範囲は $0 \leqq t \leqq 1$ である。

平面 $x=t$ において、点 $(t, y, z)$ が $K \cap L$ に含まれる条件は、

$$ (t, y) \in D_K \text{ かつ } (t, z) \in D_L $$

である。すなわち、平面 $x=t$ 上で $y$ と $z$ は独立に範囲を動く。

$y$ の動く範囲は $D_K$ の不等式に $x=t$ を代入して得られる区間である。

(i)

$0 \leqq t \leqq \frac{1}{2}$ のとき

$$ 0 \leqq y \leqq \sqrt{3}t $$

この区間の長さ(長方形の横の長さ) $l_y(t)$ は、

$$ l_y(t) = \sqrt{3}t $$

(ii)

$\frac{1}{2} \leqq t \leqq 1$ のとき

$$ 0 \leqq y \leqq -\sqrt{3}t + \sqrt{3} $$

この区間の長さ(長方形の横の長さ) $l_y(t)$ は、

$$ l_y(t) = \sqrt{3}(1 - t) $$

また、$z$ の動く範囲は $D_L$ の不等式に $x=t$ を代入して得られる区間である。

$0 \leqq t \leqq 1$ において、

$$ \frac{1}{\sqrt{3}}t \leqq z \leqq -\frac{1}{\sqrt{3}}t + \frac{2}{\sqrt{3}} $$

この区間の長さ(長方形の縦の長さ) $l_z(t)$ は、

$$ l_z(t) = \left( -\frac{1}{\sqrt{3}}t + \frac{2}{\sqrt{3}} \right) - \frac{1}{\sqrt{3}}t = \frac{2}{\sqrt{3}}(1 - t) $$

平面 $x=t$ による $K \cap L$ の切り口は、縦の長さが $l_z(t)$、横の長さが $l_y(t)$ の長方形となるため、その断面積 $S(t)$ は $S(t) = l_y(t) l_z(t)$ で与えられる。

$0 \leqq t \leqq \frac{1}{2}$ のとき

$$ S(t) = \sqrt{3}t \cdot \frac{2}{\sqrt{3}}(1 - t) = 2(t - t^2) $$

$\frac{1}{2} \leqq t \leqq 1$ のとき

$$ S(t) = \sqrt{3}(1 - t) \cdot \frac{2}{\sqrt{3}}(1 - t) = 2(1 - t)^2 $$

求める体積 $V$ は $S(t)$ を $0$ から $1$ まで積分して得られる。

$$ V = \int_{0}^{1} S(t) dt = \int_{0}^{\frac{1}{2}} 2(t - t^2) dt + \int_{\frac{1}{2}}^{1} 2(1 - t)^2 dt $$

それぞれの定積分を計算する。

$$ \int_{0}^{\frac{1}{2}} 2(t - t^2) dt = 2 \left[ \frac{1}{2}t^2 - \frac{1}{3}t^3 \right]_{0}^{\frac{1}{2}} = 2 \left( \frac{1}{8} - \frac{1}{24} \right) = \frac{1}{6} $$

$$ \int_{\frac{1}{2}}^{1} 2(1 - t)^2 dt = 2 \left[ -\frac{1}{3}(1 - t)^3 \right]_{\frac{1}{2}}^{1} = 2 \left( 0 - \left( -\frac{1}{24} \right) \right) = \frac{1}{12} $$

ゆえに、求める体積 $V$ は、

$$ V = \frac{1}{6} + \frac{1}{12} = \frac{1}{4} $$

解説

空間図形の体積を求める典型的な問題である。2つの立体の共通部分を考える際、「どの軸に垂直な平面で切断するか」が最大のポイントとなる。

本問では、立体 $K$ が $z$ 軸方向に伸びた柱体、立体 $L$ が $y$ 軸方向に伸びた柱体であるため、それぞれの立体を構成する条件は $z$ や $y$ に依存しない。このことから、両者に共通する変数をもつ軸、すなわち $x$ 軸に垂直な平面($x=t$)で切断することで、$y$ と $z$ が独立に定まることになり、切り口が長方形になる。これにより断面積の計算が極めて見通しよくなる。

また、被積分関数が $t=\frac{1}{2}$ を境に変化するため、積分区間を分けて計算する必要がある点に注意して処理を行えばよい。

答え

$$ \frac{1}{4} $$

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