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東京大学 1975年 文系 第4問 解説

数学1/立体図形数学3/積分法数学2/図形と式テーマ/空間図形テーマ/面積・体積
東京大学 1975年 文系 第4問 解説

方針・初手

立体 $A$ の $y \leqq t$ の部分の体積 $V(t)$ が与えられているため、これを $t$ で微分することで、平面 $y=t$ における立体 $A$ の断面積 $S(t)$ を求めることができる。 $y$ 軸のまわりに回転してできる元の立体の断面積と、くりぬかれる球の断面積を比較することで、未知の関数 $f(y)$ を決定する。その際、球の断面が回転体の断面の中に完全に含まれているかどうかの確認が必要である。 $f(y)$ を求めた後、$z=0$ とおいて $xy$ 平面上の断面が満たす不等式を導出し、図形の形状を特定する。

解法1

立体 $A$ の $y \leqq t$ にあたる部分の体積が $V(t)$ であるから、$A$ を $y$ 軸に垂直な平面 $y = t$ で切ったときの断面積を $S(t)$ とすると、$S(t) = V'(t)$ である。

$0 < t < 1$ のとき、

$$ S(t) = \frac{d}{dt} \left\{ \frac{2}{3}\pi (t^2 + t) \right\} = \pi \left( \frac{4}{3}t + \frac{2}{3} \right) $$

$1 < t < 2$ のとき、

$$ S(t) = \frac{d}{dt} \left\{ \pi \left( \frac{1}{3}t^3 - \frac{3}{2}t^2 + 4t - \frac{3}{2} \right) \right\} = \pi (t^2 - 3t + 4) $$

一方、$y$ 軸のまわりに回転してできる元の立体の $y=t$ による断面は、半径 $f(t)$ の円であり、その面積は $\pi \{f(t)\}^2$ である。 また、くりぬかれる球は、中心が $(0, 2, 0)$ で半径が $1$ であるから、その方程式は

$$ x^2 + z^2 + (y-2)^2 \leqq 1 $$

である。この球の $y=t$ による断面は

$$ x^2 + z^2 \leqq 1 - (t-2)^2 $$

となる。 $0 \leqq t < 1$ の範囲では $1 - (t-2)^2 < 0$ となり、球の断面は存在しない。したがって、くりぬかれる部分はなく、$S(t)$ は元の回転体の断面積に等しい。

$$ \pi \{f(t)\}^2 = \pi \left( \frac{4}{3}t + \frac{2}{3} \right) $$

$f(t) > 0$ であるから、

$$ f(t) = \sqrt{\frac{4}{3}t + \frac{2}{3}} $$

$1 < t \leqq 2$ の範囲では、球の断面は半径 $\sqrt{1 - (t-2)^2}$ の円であり、その面積は $\pi \{1 - (t-2)^2\}$ である。 ここで、球の断面が完全に元の回転体の断面に含まれていると仮定すると、くりぬかれる共通部分の面積は球の断面積そのものとなる。このとき、

$$ S(t) = \pi \{f(t)\}^2 - \pi \{1 - (t-2)^2\} $$

これが $\pi(t^2 - 3t + 4)$ と等しくなるので、

$$ \pi \{f(t)\}^2 - \pi (-t^2 + 4t - 3) = \pi (t^2 - 3t + 4) $$

$$ \{f(t)\}^2 = (-t^2 + 4t - 3) + (t^2 - 3t + 4) = t + 1 $$

$f(t) > 0$ であるから、

$$ f(t) = \sqrt{t + 1} $$

この結果が仮定を満たすか確認する。元の回転体の断面の半径の2乗と、球の断面の半径の2乗の差をとると、

$$ \{f(t)\}^2 - \{1 - (t-2)^2\} = (t + 1) - (-t^2 + 4t - 3) = t^2 - 3t + 4 = \left( t - \frac{3}{2} \right)^2 + \frac{7}{4} > 0 $$

となり、常に $\{f(t)\}^2 > 1 - (t-2)^2$ が成り立つ。したがって、仮定は正しく、$f(t)$ は妥当である。 以上より、関数 $f(y)$ は次のように定まる。

$$ f(y) = \begin{cases} \sqrt{\frac{4}{3}y + \frac{2}{3}} & (0 \leqq y \leqq 1) \\ \sqrt{y+1} & (1 < y \leqq 2) \end{cases} $$

次に、$A$ の $xy$ 平面による断面の図形を考える。 立体 $A$ は、条件 $x^2 + z^2 \leqq \{f(y)\}^2$ かつ $0 \leqq y \leqq 2$ で表される領域から、$x^2 + z^2 + (y-2)^2 \leqq 1$ を満たす球の領域を除いたものである。 $xy$ 平面による断面は $z=0$ とすることで得られ、その領域 $D$ は

$$ -f(y) \leqq x \leqq f(y) \quad \text{かつ} \quad 0 \leqq y \leqq 2 $$

から、円板 $x^2 + (y-2)^2 \leqq 1$ を除いた部分となる。 境界線 $x = \pm f(y)$ を $y$ について解くと、 $0 \leqq y \leqq 1$ のとき、

$$ y = \frac{3}{4}x^2 - \frac{1}{2} \quad \left( -\sqrt{2} \leqq x \leqq -\sqrt{\frac{2}{3}}, \quad \sqrt{\frac{2}{3}} \leqq x \leqq \sqrt{2} \right) $$

$1 < y \leqq 2$ のとき、

$$ y = x^2 - 1 \quad \left( -\sqrt{3} \leqq x \leqq -\sqrt{2}, \quad \sqrt{2} \leqq x \leqq \sqrt{3} \right) $$

これら2つの放物線は、点 $(\pm\sqrt{2}, 1)$ で連続に繋がる。 くりぬかれる領域は、点 $(0, 2)$ を中心とする半径 $1$ の円であり、領域 $D$ はこの円の外部($x^2 + (y-2)^2 \geqq 1$)である。 また、図形は $y$ 軸に関して対称である。

解説

体積の関数 $V(t)$ が与えられているとき、それを微分して断面積を求める手法は、立体の構成を逆算する際の定石である。 本問で最も注意すべきは、「球との共通部分をくりぬいた」という文言の解釈である。くりぬかれる面積を単純に球の断面積として計算してよいのか、すなわち「球が回転体からはみ出していないか」を最後に確認(または事前に仮定して後から検証)する論理の緻密さが求められる。結果的に $\{f(y)\}^2 > 1 - (y-2)^2$ を示すことで、矛盾なく解答を構築できる。

答え

関数 $f(y)$ は、

$$ f(y) = \begin{cases} \sqrt{\frac{4}{3}y + \frac{2}{3}} & (0 \leqq y \leqq 1) \\ \sqrt{y+1} & (1 < y \leqq 2) \end{cases} $$

立体 $A$ の $xy$ 平面による断面の図形は、$y$ 軸に関して対称であり、以下の不等式で表される領域である。(境界線を含む)

$$ \begin{cases} 0 \leqq y \leqq 1 \text{ のとき} & x^2 \leqq \frac{4}{3}y + \frac{2}{3} \\ 1 < y \leqq 2 \text{ のとき} & x^2 \leqq y + 1 \\ \text{さらに} & x^2 + (y-2)^2 \geqq 1 \end{cases} $$

具体的には、右半部 ($x \geqq 0$) の境界は以下のようになる。(図示する際はこれを描く)

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