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東京大学 1986年 文系 第1問 解説

数学1/二次関数テーマ/最大・最小テーマ/場合分け
東京大学 1986年 文系 第1問 解説

方針・初手

与えられた関数 $f(x)$ は下に凸の2次関数であるから,まずは平方完成を行い,頂点(軸)の座標を把握する.定義域 $0 \leqq x \leqq 3$ に対して,放物線の軸 $x=a$ がどの位置にあるかによって,最小値をとる $x$ の値が変わる.軸の位置で場合分けを行い,各場合における最小値 $m$ を $a$ の式で表し,$m=0$ となる $a$ の方程式を解く.最後に,得られた $a$ の値がそれぞれの場合分けの条件を満たすかどうかを確認する.

解法1

関数 $f(x)$ を平方完成する.

$$ \begin{aligned} f(x) &= 2x^2 - 4ax + a + a^2 \\ &= 2(x^2 - 2ax) + a + a^2 \\ &= 2(x - a)^2 - 2a^2 + a + a^2 \\ &= 2(x - a)^2 - a^2 + a \end{aligned} $$

これより,$y = f(x)$ のグラフは下に凸の放物線であり,軸は直線 $x = a$,頂点の $y$ 座標は $-a^2 + a$ である. 定義域 $0 \leqq x \leqq 3$ と軸 $x = a$ の位置関係により,以下の3つの場合に分ける.

(i)

$a < 0$ のとき

軸は定義域の左側にあるため,$f(x)$ は $0 \leqq x \leqq 3$ において単調に増加する. したがって,$x = 0$ のとき最小となる. 最小値 $m$ は,

$$ m = f(0) = a^2 + a $$

$m = 0$ であるから,

$$ a^2 + a = 0 $$

$$ a(a + 1) = 0 $$

$a < 0$ の条件より,$a = -1$ である.これは条件を満たす.

(ii)

$0 \leqq a \leqq 3$ のとき

軸は定義域内にあるため,$f(x)$ は頂点において最小となる. したがって,$x = a$ のとき最小となる. 最小値 $m$ は,

$$ m = f(a) = -a^2 + a $$

$m = 0$ であるから,

$$ -a^2 + a = 0 $$

$$ -a(a - 1) = 0 $$

これより $a = 0, 1$ となる.これらはともに $0 \leqq a \leqq 3$ の条件を満たす.

(iii)

$3 < a$ のとき

軸は定義域の右側にあるため,$f(x)$ は $0 \leqq x \leqq 3$ において単調に減少する. したがって,$x = 3$ のとき最小となる. 最小値 $m$ は,

$$ \begin{aligned} m = f(3) &= 2 \cdot 3^2 - 4a \cdot 3 + a + a^2 \\ &= 18 - 12a + a + a^2 \\ &= a^2 - 11a + 18 \end{aligned} $$

$m = 0$ であるから,

$$ a^2 - 11a + 18 = 0 $$

$$ (a - 2)(a - 9) = 0 $$

これより $a = 2, 9$ となるが,$3 < a$ の条件を満たすのは $a = 9$ のみである.

(i),(ii),(iii) より,条件を満たす $a$ の値は $a = -1, 0, 1, 9$ である.

解説

2次関数の最大・最小において,定義域が固定され,関数に文字が含まれている(軸が動く)典型的な問題である.下に凸の2次関数の最小値は,軸が「定義域の左外」「定義域の中」「定義域の右外」の3パターンで場合分けを行うことが定石である.各場合で方程式を解いて出てきた解が,設定した場合分けの条件(前提)を満たしているかの確認を忘れないように注意が必要である.

答え

$a = -1, 0, 1, 9$

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