トップ 東京大学 1986年 文系 第2問

東京大学 1986年 文系 第2問 解説

数学1/立体図形テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
東京大学 1986年 文系 第2問 解説

方針・初手

対称性を持つ四面体であるため、うまく分割して体積を立式することがポイントになる。辺 $\text{CD}$ の中点 $\text{M}$ をとり、$\triangle \text{ABM}$ と辺 $\text{CD}$ が垂直に交わることを利用して体積を求める。

解法1

辺 $\text{CD}$ の中点を $\text{M}$ とおく。

$\triangle \text{ACD}$ は $\text{AC} = \text{AD} = 5$ の二等辺三角形であるから、$\text{AM} \perp \text{CD}$ となる。 三平方の定理より、

$$ \text{AM} = \sqrt{\text{AC}^2 - \text{CM}^2} = \sqrt{5^2 - 2^2} = \sqrt{21} $$

同様に、$\triangle \text{BCD}$ は $\text{BC} = \text{BD} = 5$ の二等辺三角形であるから、$\text{BM} \perp \text{CD}$ となる。 三平方の定理より、

$$ \text{BM} = \sqrt{\text{BC}^2 - \text{CM}^2} = \sqrt{5^2 - 2^2} = \sqrt{21} $$

これらより、$\text{CD} \perp \text{AM}$ かつ $\text{CD} \perp \text{BM}$ であるから、直線 $\text{CD}$ は平面 $\text{ABM}$ と垂直である。

したがって、四面体 $T$ は平面 $\text{ABM}$ によって2つの四面体 $\text{ABCM}$ と $\text{ABDM}$ に分割でき、これらは底面を $\triangle \text{ABM}$ とみたときの高さがそれぞれ $\text{CM}$、$\text{DM}$ である。ゆえに四面体 $T$ の体積 $V$ は次のように表せる。

$$ V = \frac{1}{3} \times \triangle \text{ABM} \times \text{CD} $$

次に、$\triangle \text{ABM}$ の面積を求める。

$\triangle \text{ABM}$ は $\text{AM} = \text{BM} = \sqrt{21}$ の二等辺三角形である。辺 $\text{AB}$ の中点を $\text{N}$ とおくと、$\text{MN} \perp \text{AB}$ となる。 三平方の定理より、

$$ \text{MN} = \sqrt{\text{AM}^2 - \text{AN}^2} = \sqrt{21 - \left(\frac{x}{2}\right)^2} = \frac{\sqrt{84 - x^2}}{2} $$

よって、$\triangle \text{ABM}$ の面積は、

$$ \triangle \text{ABM} = \frac{1}{2} \times \text{AB} \times \text{MN} = \frac{1}{2} \cdot x \cdot \frac{\sqrt{84 - x^2}}{2} = \frac{x\sqrt{84 - x^2}}{4} $$

これより、体積 $V$ は、

$$ V = \frac{1}{3} \times \frac{x\sqrt{84 - x^2}}{4} \times 4 = \frac{x\sqrt{84 - x^2}}{3} $$

次に、このような四面体が存在するような $x$ の範囲を求める。

四面体が存在するための条件は、$V > 0$ であること、すなわち $\triangle \text{ABM}$ が存在することと同値である。 $\text{AB} > 0$ より $x > 0$ であり、また $\text{MN}$ の長さが実数として存在して正となる必要があるため、根号の中身について、

$$ 84 - x^2 > 0 $$

が成り立つ。これを解いて $x > 0$ と合わせると、

$$ 0 < x < 2\sqrt{21} $$

これが四面体が存在するための $x$ の範囲である。

最後に、この範囲で $x$ を動かしたときの $V$ の最大値を求める。

$V$ の式を変形すると、

$$ V = \frac{1}{3} \sqrt{x^2(84 - x^2)} $$

となる。根号の中の関数を $f(x) = x^2(84 - x^2)$ とおき、$x^2 = t$ とおく。 $0 < x < 2\sqrt{21}$ より $0 < t < 84$ である。

$$ f(x) = t(84 - t) = -(t - 42)^2 + 1764 $$

したがって、$t = 42$ のとき、すなわち $x = \sqrt{42}$ のとき、関数 $f(x)$ は最大値 $1764$ をとる。 $x = \sqrt{42}$ は $0 < x < 2\sqrt{21}$ を満たす。 このとき、体積 $V$ の最大値は、

$$ V = \frac{1}{3}\sqrt{1764} = \frac{42}{3} = 14 $$

となる。

解説

長さが等しい辺が複数ある四面体の問題では、対称面や垂直な断面を見つけることで、空間図形を平面図形の問題に帰着させることができる。 本問では、$\text{AC}=\text{AD}$、$\text{BC}=\text{BD}$ という条件から、平面 $\text{ABM}$($\text{M}$ は辺 $\text{CD}$ の中点)が辺 $\text{CD}$ と直交することを見抜くのが最大のポイントである。 体積の最大値を求める際は、無理関数の微分の代わりに、ルートの中身を $x^2$ についての2次関数とみて平方完成することで、計算量を大きく減らすことができる。

答え

体積 $V$:$V = \frac{x\sqrt{84 - x^2}}{3}$

$x$ の範囲:$0 < x < 2\sqrt{21}$

$V$ の最大値:$14$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。