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東京大学 1992年 文系 第4問 解説

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東京大学 1992年 文系 第4問 解説

方針・初手

三角形の頂点のうちの1つを原点に平行移動しても、各辺上の格子点の数や三角形の面積は変化しない。したがって、頂点 $A$ を原点 $(0,0)$ に設定して一般性を失わずに議論を進めることができる。

線分上の格子点の個数は、両端の座標の差の最大公約数によって決定される。この性質を利用して、各辺上の格子点の個数を数式で表現する。

解法1

頂点 $A$ が原点 $(0,0)$ に重なるように三角形 $ABC$ を平行移動しても、各辺上の格子点の個数および三角形の面積は変わらない。

したがって、$A(0,0)$、$B(a, b)$、$C(c, d)$ とおいてよい。ここで、$a, b, c, d$ は整数である。

また、三角形をなすため、点 $A, B, C$ は同一直線上にはない。

(1)

線分 $AB$ 上の格子点について考える。

$a$ と $b$ の最大公約数を $g_1$ とすると、線分 $AB$ を $g_1$ 等分する点はすべて格子点となる。

したがって、線分 $AB$ 上の格子点は、両端の点 $A, B$ を含めて $g_1 + 1$ 個ある。

両端の点を除くと、線分 $AB$ 上の格子点の数は $g_1 - 1$ 個となる。

問題の条件より、辺 $AB$ 上の格子点の数は両端を除いて奇数個であるから、$g_1 - 1$ は奇数である。

よって、$g_1$ は偶数である。

$g_1$ は $a$ と $b$ の公約数であるから、$a$ と $b$ はともに偶数である。

同様に、線分 $AC$ についても、$c$ と $d$ の最大公約数を $g_2$ とすると、両端を除く格子点の数は $g_2 - 1$ 個となる。

条件よりこれが奇数であるから、$g_2 - 1$ は奇数であり、$g_2$ は偶数となる。

よって、$c$ と $d$ はともに偶数である。

次に、辺 $BC$ 上の格子点について考える。

点 $B(a, b)$ から点 $C(c, d)$ までの線分上の格子点の数は、$|c-a|$ と $|d-b|$ の最大公約数を $g_3$ とすると、両端を除いて $g_3 - 1$ 個である。

ここで、$a, b, c, d$ はすべて偶数であるから、$c-a$ と $d-b$ もともに偶数である。

したがって、それらの最大公約数 $g_3$ も偶数となる。

$g_3$ が偶数であるため、$g_3 - 1$ は奇数となる。

よって、辺 $BC$ 上にも両端を除いて奇数個の格子点があることが示された。

(2)

辺 $AB$, $AC$ 上に両端を除いて丁度 3 点ずつ格子点が存在する。

(1) での議論より、線分 $AB$ 上の格子点の数(両端を除く)は $g_1 - 1$ であるから、

$$ g_1 - 1 = 3 $$

すなわち、$g_1 = 4$ である。

したがって、$a = 4a'$, $b = 4b'$ ($a', b'$ は互いに素な整数)とおくことができる。

同様に、線分 $AC$ 上の格子点の数(両端を除く)は $g_2 - 1$ であるから、

$$ g_2 - 1 = 3 $$

すなわち、$g_2 = 4$ である。

したがって、$c = 4c'$, $d = 4d'$ ($c', d'$ は互いに素な整数)とおくことができる。

三角形 $ABC$ の面積 $S$ は、頂点の座標を用いて次のように表される。

$$ S = \frac{1}{2} |ad - bc| $$

これに先ほどの結果を代入する。

$$ S = \frac{1}{2} |(4a')(4d') - (4b')(4c')| $$

$$ S = \frac{1}{2} |16a'd' - 16b'c'| $$

$$ S = \frac{1}{2} \cdot 16 |a'd' - b'c'| $$

$$ S = 8 |a'd' - b'c'| $$

$a', b', c', d'$ はすべて整数であるため、$a'd' - b'c'$ も整数である。

また、三角形の面積は $S > 0$ であるから、$|a'd' - b'c'|$ は正の整数となる。

したがって、三角形 $ABC$ の面積 $S$ は 8 で割り切れる整数であることが示された。

解説

格子点を頂点とする図形(格子多角形)の性質を利用する問題である。

一般に、原点 $(0,0)$ と点 $(m, n)$ を結ぶ線分上(両端を含む)にある格子点の数は最大公約数を用いて $\gcd(|m|, |n|) + 1$ 個となる。この事実を「両端を除いた数」に翻訳して文字でおくことができれば、(1)、(2)ともに見通しよく解答できる。

(1) では、最大公約数が偶数になることから各成分の差が偶数になることを示し、再び最大公約数が偶数になることを導いている。

(2) では、最大公約数が具体的に 4 であることから各成分が 4 の倍数になることを利用し、座標から三角形の面積を求める公式である $S = \frac{1}{2} |x_A y_B - x_B y_A|$ に代入することで証明が完了する。

答え

(1)

略(解法1の証明を参照)

(2)

略(解法1の証明を参照)

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