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東京大学 1962年 理系 第1問 解説

数学1/二次関数数学2/指数対数テーマ/場合分け
東京大学 1962年 理系 第1問 解説

方針・初手

与えられた2次方程式の実数解が $0 < \alpha < 1 < \beta$ という配置になるための条件を、2次関数のグラフを用いて考える。左辺を $f(x)$ とおき、$y = f(x)$ のグラフが $x$ 軸の $0 < x < 1$ の部分と $1 < x$ の部分でそれぞれ交わる条件を立式する。現れた対数の不等式を底の変換公式を用いて解き、$a, b, 1$ の大小関係を判定する。

解法1

$f(x) = x^2 - 2x\log_a b + \log_b a$ とおく。

$y = f(x)$ のグラフは下に凸の放物線である。2次方程式 $f(x) = 0$ が $0 < \alpha < 1 < \beta$ を満たす実根 $\alpha, \beta$ をもつための条件は、$y = f(x)$ のグラフが $0 < x < 1$ の範囲と $1 < x$ の範囲でそれぞれ $x$ 軸と交わることである。

これは、以下の2つの条件が同時に成り立つことと同値である。

$$ f(0) > 0 $$

$$ f(1) < 0 $$

それぞれの条件を計算する。まず、$f(0) > 0$ より、

$$ \log_b a > 0 $$

底の変換公式を用いると、$\log_b a = \frac{1}{\log_a b}$ となる。ただし $a, b$ は $1$ と異なる正の数であるから $\log_a b \neq 0$ である。したがって、

$$ \frac{1}{\log_a b} > 0 $$

これより、$\log_a b > 0$ であることがわかる。

次に、$f(1) < 0$ より、

$$ 1 - 2\log_a b + \log_b a < 0 $$

底の変換公式を用いて $\log_b a = \frac{1}{\log_a b}$ を代入する。

$$ 1 - 2\log_a b + \frac{1}{\log_a b} < 0 $$

ここで、先ほど求めた $\log_a b > 0$ を用いる。両辺に正の数 $\log_a b$ を掛けると不等号の向きは変わらないため、

$$ \log_a b - 2(\log_a b)^2 + 1 < 0 $$

整理して因数分解する。

$$ 2(\log_a b)^2 - \log_a b - 1 > 0 $$

$$ (2\log_a b + 1)(\log_a b - 1) > 0 $$

これを解くと、

$$ \log_a b < -\frac{1}{2} \quad \text{または} \quad \log_a b > 1 $$

$\log_a b > 0$ であったから、共通範囲をとると、

$$ \log_a b > 1 $$

$$ \log_a b > \log_a a $$

この不等式を、対数の底 $a$ の大きさによって場合分けして解く。

(i)

$a > 1$ のとき

底が $1$ より大きいので、真数の大小関係は不等号の向きと一致する。

$$ b > a $$

これと $a > 1$ を合わせて、$1 < a < b$ となる。

(ii)

$0 < a < 1$ のとき

底が $1$ より小さいので、真数の大小関係は不等号の向きと逆になる。

$$ b < a $$

これと $0 < a < 1$ を合わせて、$b < a < 1$ となる。(ここで $b$ は正の数であるから $0 < b < a < 1$ となるが、大きさの順序としては $b < a < 1$ である)

(i)、(ii) のいずれの場合も、$a, b, 1$ の大きさの順序として条件を満たす。

解説

2次方程式の解の配置問題の基本である。解が特定の区間に存在する条件は、判別式、軸の位置、端点での関数値の符号に着目するのが定石だが、本問のように区間 $(0, 1)$ と区間 $(1, \infty)$ にそれぞれ1つずつ解を持つといった場合は、端点での関数値の符号のみを調べれば必要十分条件となる。

また、対数不等式の処理において、$X = \log_a b$ とおいて $X$ の2次不等式に帰着させる流れも標準的である。最後に $\log_a b > 1$ から $a, b$ の大小関係を導く際、底 $a$ が $1$ より大きいか小さいかで場合分けを忘れないことが重要である。

答え

$1 < a < b$ または $b < a < 1$

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