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東京大学 1984年 理系 第1問 解説

数学1/立体図形数学C/空間ベクトルテーマ/空間図形テーマ/軌跡・領域テーマ/面積・体積
東京大学 1984年 理系 第1問 解説

方針・初手

円板 $C$ を含む平面の方程式を求め、円板 $C$ 上の点を2つのパラメータを用いて表す。点光源 $P$ と $C$ 上の点を結ぶ直線が $xy$ 平面と交わる点の軌跡を求めることで、影 $S$ の輪郭を導出する。

後半の体積計算においては、立体の形状を把握し、積分を用いずに2つの錐体の体積の差として計算する方針をとると見通しがよい。

解法1

(i)

円板 $C$ を含む平面を $\alpha$ とする。$C$ は $0 \leqq y, 0 \leqq z$ の領域に含まれ、$xy$ 平面と $45^\circ$ の傾きをなし、かつ原点 $O$ で $x$ 軸に接している。

$x$ 軸が接線となるため、平面 $\alpha$ は $x$ 軸を含む。したがって、$\alpha$ は $xy$ 平面($z=0$)を $x$ 軸の周りに $45^\circ$ 回転させた平面であり、その方程式は $z = y$ または $z = -y$ である。$0 \leqq y, 0 \leqq z$ の条件から、平面 $\alpha$ の方程式は $z = y$ と定まる。

円板 $C$ の中心を $A$ とする。原点 $O$ において $x$ 軸と接するため、直線 $OA$ は平面 $\alpha$ 上で $x$ 軸と垂直に交わる。よって、点 $A$ の $x$ 座標は $0$ である。

点 $A$ は $\alpha: z = y$ 上にあり、$0 \leqq y, 0 \leqq z$ を満たすので、$A(0, a, a)$ ($a \geqq 0$)とおける。$C$ の半径は $1$ であるから、$OA = 1$ より $\sqrt{a^2 + a^2} = 1$ となり、$a = \frac{1}{\sqrt{2}}$ を得る。すなわち、中心 $A$ の座標は $\left(0, \frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}}\right)$ である。

平面 $\alpha$ 上において、互いに直交する長さ $1$ のベクトル $\vec{e}_1 = (1, 0, 0)$ と $\vec{e}_2 = \left(0, \frac{1}{\sqrt{2}}, \frac{1}{\sqrt{2}}\right)$ をとる。円板 $C$ 上の任意の点 $Q$ は、$u^2 + v^2 \leqq 1$ を満たす実数 $u, v$ を用いて次のように表せる。

$$ \vec{OQ} = \vec{OA} + u\vec{e}_1 + v\vec{e}_2 $$

$\vec{OA} = \vec{e}_2$ であるから、次のように整理できる。

$$ \vec{OQ} = u\vec{e}_1 + (v+1)\vec{e}_2 = \left( u, \frac{v+1}{\sqrt{2}}, \frac{v+1}{\sqrt{2}} \right) $$

点光源 $P(0, 0, 2\sqrt{2})$ から点 $Q$ を通って $xy$ 平面に達する光線を考え、その $xy$ 平面($z=0$)との交点を $R(X, Y, 0)$ とする。点 $R$ は直線 $PQ$ 上にあるため、実数 $t$ を用いて $\vec{OR} = \vec{OP} + t\vec{PQ}$ と表せる。

$$ \vec{PQ} = \vec{OQ} - \vec{OP} = \left( u, \frac{v+1}{\sqrt{2}}, \frac{v+1}{\sqrt{2}} - 2\sqrt{2} \right) $$

点 $R$ の $z$ 座標が $0$ であることから、次の方程式が成り立つ。

$$ 2\sqrt{2} + t \left( \frac{v+1}{\sqrt{2}} - 2\sqrt{2} \right) = 0 $$

両辺に $\sqrt{2}$ を掛けて整理する。

$$ 4 + t(v + 1 - 4) = 0 $$

$$ t(3-v) = 4 $$

$u^2 + v^2 \leqq 1$ より $-1 \leqq v \leqq 1$ であるから $3-v \neq 0$ となり、$t = \frac{4}{3-v}$ を得る。これを用いて $X, Y$ を求める。

$$ X = tu = \frac{4u}{3-v} $$

$$ Y = t \cdot \frac{v+1}{\sqrt{2}} = \frac{4(v+1)}{\sqrt{2}(3-v)} = \frac{2\sqrt{2}(v+1)}{3-v} $$

影 $S$ の輪郭は、点 $Q$ が円板 $C$ の境界上を動くときの点 $R$ の軌跡である。境界上では $u^2 + v^2 = 1$ が成り立つため、$u, v$ を $X, Y$ について解き、この式に代入する。

まず、$Y = \frac{2\sqrt{2}(v+1)}{3-v}$ を $v$ について解く。

$$ Y(3-v) = 2\sqrt{2}(v+1) $$

$$ 3Y - vY = 2\sqrt{2}v + 2\sqrt{2} $$

$$ v(Y + 2\sqrt{2}) = 3Y - 2\sqrt{2} $$

光線が到達する先であるから $Y \geqq 0$ であり、$Y + 2\sqrt{2} \neq 0$ である。よって次を得る。

$$ v = \frac{3Y - 2\sqrt{2}}{Y + 2\sqrt{2}} $$

これを $3-v$ の式に代入する。

$$ 3-v = 3 - \frac{3Y - 2\sqrt{2}}{Y + 2\sqrt{2}} = \frac{3Y + 6\sqrt{2} - (3Y - 2\sqrt{2})}{Y + 2\sqrt{2}} = \frac{8\sqrt{2}}{Y + 2\sqrt{2}} $$

これを用いて $X = \frac{4u}{3-v}$ を $u$ について解く。

$$ u = \frac{X(3-v)}{4} = \frac{X}{4} \cdot \frac{8\sqrt{2}}{Y + 2\sqrt{2}} = \frac{2\sqrt{2}X}{Y + 2\sqrt{2}} $$

得られた $u, v$ を $u^2 + v^2 = 1$ に代入する。

$$ \left( \frac{2\sqrt{2}X}{Y + 2\sqrt{2}} \right)^2 + \left( \frac{3Y - 2\sqrt{2}}{Y + 2\sqrt{2}} \right)^2 = 1 $$

両辺に $(Y + 2\sqrt{2})^2$ を掛けて展開する。

$$ 8X^2 + (9Y^2 - 12\sqrt{2}Y + 8) = Y^2 + 4\sqrt{2}Y + 8 $$

整理すると次の方程式が得られる。

$$ 8X^2 + 8Y^2 - 16\sqrt{2}Y = 0 $$

$$ X^2 + Y^2 - 2\sqrt{2}Y = 0 $$

変数を $x, y$ に戻して、求める曲線の方程式を得る。

(ii)

光の届かない部分の立体は、光源 $P$ を頂点とし、影 $S$ を底面とする錐体 $K_1$ の内部から、光源 $P$ を頂点とし、円板 $C$ を底面とする錐体 $K_2$ の内部を除いたものである。したがって、求める体積 $V$ は、2つの錐体の体積の差 $V = (K_1 \text{の体積}) - (K_2 \text{の体積})$ として計算できる。

錐体 $K_1$ の体積

底面となる影 $S$ は、(i) より $x^2 + (y-\sqrt{2})^2 \leqq 2$ で表される半径 $\sqrt{2}$ の円である。その面積は $\pi (\sqrt{2})^2 = 2\pi$ である。

頂点 $P(0, 0, 2\sqrt{2})$ から底面である $xy$ 平面 ($z=0$) までの距離(高さ)は $2\sqrt{2}$ である。よって、$K_1$ の体積 $V_1$ は次のように求まる。

$$ V_1 = \frac{1}{3} \times 2\pi \times 2\sqrt{2} = \frac{4\sqrt{2}}{3}\pi $$

錐体 $K_2$ の体積

底面となる円板 $C$ は半径 $1$ の円であるため、その面積は $\pi \cdot 1^2 = \pi$ である。

頂点 $P(0, 0, 2\sqrt{2})$ から底面を含む平面 $\alpha: y - z = 0$ までの距離を $h$ とすると、点と平面の距離の公式より次のように求まる。

$$ h = \frac{|0 - 2\sqrt{2}|}{\sqrt{0^2 + 1^2 + (-1)^2}} = \frac{2\sqrt{2}}{\sqrt{2}} = 2 $$

よって、$K_2$ の体積 $V_2$ は次のように求まる。

$$ V_2 = \frac{1}{3} \times \pi \times 2 = \frac{2}{3}\pi $$

求める体積 $V$

以上より、求める体積 $V$ は次の通りである。

$$ V = V_1 - V_2 = \frac{4\sqrt{2}}{3}\pi - \frac{2}{3}\pi = \frac{2(2\sqrt{2}-1)}{3}\pi $$

解説

(i) は空間図形における射影の典型問題である。平面上の円を2つのパラメータ $u, v$ で表示し、直線の方程式を立式して $xy$ 平面との交点を求める手法は、多くの問題で応用が効く。計算量がやや多くなるため、パラメータを消去する際は分母を払うタイミングを工夫してミスを防ぎたい。

(ii) は立体の体積を求める問題であるが、$z$ 軸に垂直な平面で切断して断面積を積分しようとすると、計算が非常に煩雑になる。「光線が境界を通過する」という物理的背景から、立体全体が2つの錐体の差で表せることに気づけると、底面積と高さの計算のみで鮮やかに解くことができる。

答え

(i)

$x^2 + y^2 - 2\sqrt{2}y = 0$

(ii)

$\frac{2(2\sqrt{2}-1)}{3}\pi$

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