トップ 基礎問題 数学1 命題と集合 背理法 問題 6

数学1 背理法 問題 6 解説

数学1 背理法 問題 6 解説

方針・初手

(1) 命題「$p \implies q$」の対偶は「$\overline{q} \implies \overline{p}$」であることを利用する。

(2) 直接証明することも可能であるが、対偶「$m$ が $3$ の倍数でないならば、$m^3$ は $3$ の倍数ではない」を証明する方が、場合分けの見通しが立ちやすい。

(3) 「無理数であること」の証明は、背理法を用いるのが定石である。$\sqrt[3]{3}$ が有理数であると仮定し、既約分数で表して矛盾を導く。その際、(2) で示した命題 (P) を活用する。

解法1

(1)

命題 (P) 「$m^3$ が $3$ の倍数ならば、$m$ は $3$ の倍数である」の対偶は、「$m$ が $3$ の倍数でないならば、$m^3$ は $3$ の倍数ではない」である。

(2)

命題 (P) の対偶「$m$ が $3$ の倍数でないならば、$m^3$ は $3$ の倍数ではない」が真であることを示す。

$m$ が $3$ の倍数でないとき、整数 $k$ を用いて $m = 3k+1$ または $m = 3k+2$ と表すことができる。

(i) $m = 3k+1$ のとき

$$ \begin{aligned} m^3 &= (3k+1)^3 \\ &= 27k^3 + 27k^2 + 9k + 1 \\ &= 3(9k^3 + 9k^2 + 3k) + 1 \end{aligned} $$

$9k^3 + 9k^2 + 3k$ は整数であるから、$m^3$ は $3$ の倍数ではない。

(ii) $m = 3k+2$ のとき

$$ \begin{aligned} m^3 &= (3k+2)^3 \\ &= 27k^3 + 54k^2 + 36k + 8 \\ &= 3(9k^3 + 18k^2 + 12k + 2) + 2 \end{aligned} $$

$9k^3 + 18k^2 + 12k + 2$ は整数であるから、$m^3$ は $3$ の倍数ではない。

(i), (ii) より、対偶は真である。 対偶が真であるから、元の命題 (P) も真である。(証明終)

(3)

$\sqrt[3]{3}$ が無理数でない、すなわち有理数であると仮定する。 このとき、互いに素な自然数 $a, b$ を用いて、次のように表すことができる。

$$ \sqrt[3]{3} = \frac{a}{b} $$

両辺を $3$ 乗して分母を払うと、以下のようになる。

$$ \begin{aligned} 3 &= \frac{a^3}{b^3} \\ a^3 &= 3b^3 \end{aligned} $$

$b^3$ は整数であるから、$a^3$ は $3$ の倍数である。 命題 (P) より、$a^3$ が $3$ の倍数ならば、$a$ は $3$ の倍数である。 したがって、自然数 $k$ を用いて $a = 3k$ と表すことができる。これを上の式に代入する。

$$ \begin{aligned} (3k)^3 &= 3b^3 \\ 27k^3 &= 3b^3 \\ b^3 &= 9k^3 \\ b^3 &= 3(3k^3) \end{aligned} $$

$3k^3$ は整数であるから、$b^3$ は $3$ の倍数である。 再び命題 (P) より、$b^3$ が $3$ の倍数ならば、$b$ は $3$ の倍数である。

以上より、$a$ も $b$ も $3$ の倍数となるが、これは $a$ と $b$ が互いに素であるという仮定に矛盾する。 ゆえに、$\sqrt[3]{3}$ は無理数である。(証明終)

解法2

(2) について、連続する整数の積の性質を用いて直接証明する別解を示す。

$m^3$ は次のように変形できる。

$$ \begin{aligned} m^3 &= m^3 - m + m \\ &= m(m^2 - 1) + m \\ &= (m-1)m(m+1) + m \end{aligned} $$

$(m-1)m(m+1)$ は連続する $3$ つの整数の積であるから、$3$ の倍数である。 したがって、もし $m^3$ が $3$ の倍数であるならば、$m^3 - (m-1)m(m+1)$ も $3$ の倍数となる。

$$ m^3 - (m-1)m(m+1) = m $$

よって、$m^3$ が $3$ の倍数ならば、$m$ も $3$ の倍数であることが示された。(証明終)

解説

背理法と対偶を用いた証明の典型問題であり、誘導に丁寧に乗っていくことが求められる。 (3) の無理数の証明において、既約分数に設定して矛盾を導く手法は極めて重要である。$\sqrt{2}$ が無理数であることの証明と全く同じ論理構造であるため、本問を通じて証明の型を確実に身につけておきたい。

答え

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。