数学2 複素数 問題 10 解説

方針・初手
- (1)は分母を払って $z$ についての2次方程式に帰着させる。このとき $z \neq 0$ であることに注意する。
- (2)も同様に分母を払うと、$z\bar{z} = |z|^2$ を利用して $z$ が実数であることが導かれる。そこから(1)の方程式が実数解をもつ条件を考える。
- (3)も分母を払うことで、$|z|^2$ に関する方程式に帰着させる。$|z|^2 > 0$ であることに注意して $a$ の条件を求める。
解法1
(1)
与えられた方程式は以下の通りである。
$$z + 1 - \frac{a}{z} = 0$$
$z \neq 0$ であるから、両辺に $z$ を掛けて整理すると、次の方程式を得る。
$$z^2 + z - a = 0$$
ここで、$z=0$ が解となるのは $0^2 + 0 - a = 0$ より $a=0$ のときである。したがって、$a$ の値によって場合分けを行う。
(i) $a = 0$ のとき
方程式は $z^2 + z = 0$ となり、$z(z+1)=0$ である。$z \neq 0$ より、以下の解を得る。
$$z = -1$$
(ii) $a \neq 0$ のとき
$z=0$ は解ではない。2次方程式 $z^2 + z - a = 0$ を解の公式を用いて解くと、以下のようになる。
$$z = \frac{-1 \pm \sqrt{1 + 4a}}{2}$$
(2)
与えられた方程式は以下の通りである。
$$\bar{z} + 1 - \frac{a}{z} = 0$$
$z \neq 0$ より、両辺に $z$ を掛けると以下のようになる。
$$z\bar{z} + z - a = 0$$
$z\bar{z} = |z|^2$ は実数であり、$a$ も実数であるため、$z = a - |z|^2$ となり、$z$ は実数であることがわかる。$z$ が実数であるから、$z = \bar{z}$ が成り立つ。これを元の式に代入すると、以下のようになる。
$$z + 1 - \frac{a}{z} = 0$$
これは(1)の方程式と同じである。したがって、求める $a$ の条件は、方程式 $z^2 + z - a = 0$ が $0$ でない実数解をもつことである。
方程式が実数解をもつ条件は、判別式を $D$ とすると $D \ge 0$ である。
$$D = 1^2 - 4 \cdot 1 \cdot (-a) = 1 + 4a \ge 0$$
これより、$a \ge -\frac{1}{4}$ を得る。
また、(1)の考察から、$a=0$ のとき解は $z=-1$ となり、$z \neq 0$ を満たす実数解として存在する。さらに $a \neq 0$ のときも、実数解をもてばそれは $0$ ではない。したがって、$a \ge -\frac{1}{4}$ が求める条件である。
(3)
与えられた方程式は以下の通りである。
$$z(\bar{z})^2 + \bar{z} - \frac{a}{z} = 0$$
$z \neq 0$ より、両辺に $z$ を掛けると以下のようになる。
$$z^2(\bar{z})^2 + z\bar{z} - a = 0$$
$(z\bar{z})^2 + z\bar{z} - a = 0$ であり、$z\bar{z} = |z|^2$ を用いると次のように書ける。
$$|z|^4 + |z|^2 - a = 0$$
ここで、$X = |z|^2$ とおく。$z \neq 0$ であるから、$X > 0$ である。方程式は以下のようになる。
$$X^2 + X - a = 0$$
条件を満たす $z$ が存在するためには、この $X$ についての2次方程式が正の実数解をもてばよい。方程式を変形すると、以下のようになる。
$$a = X^2 + X$$
$X > 0$ の範囲において、関数 $f(X) = X^2 + X$ は単調に増加し、その値域は $f(X) > 0$ である。したがって、曲線 $y = f(X)$ と直線 $y = a$ が $X > 0$ の範囲で共有点をもつための条件は以下の通りである。
$$a > 0$$
逆に $a > 0$ のとき、$X^2 + X - a = 0$ を満たす正の実数 $X$ が存在し、その $X$ に対して $|z| = \sqrt{X}$ を満たす複素数 $z$ (例えば正の実数 $z = \sqrt{X}$)をとれば、元の方程式を満たす。したがって、求める $a$ の値の範囲は $a > 0$ である。
解説
複素数の方程式においては、$z\bar{z} = |z|^2$(実数)となる性質を活用するのが基本である。(2)では式を整理して $z$ が実数であることを導くのがポイントとなる。(3)は $X = |z|^2$ と置き換えることで、実数 $X$ の方程式の解の配置問題に帰着できる。置き換えた文字のとり得る値の範囲($X > 0$)に注意して同値変形を進めることが重要である。
答え
(1) $a=0$ のとき $z = -1$、$a \neq 0$ のとき $z = \frac{-1 \pm \sqrt{1 + 4a}}{2}$
(2) $a \ge -\frac{1}{4}$
(3) $a > 0$
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