トップ 基礎問題 数学2 複素数と方程式 因数定理・剰余の定理 問題 4

数学2 因数定理・剰余の定理 問題 4 解説

数学2 因数定理・剰余の定理 問題 4 解説

方針・初手

2つの多項式を共通の多項式 $f(x)$ で割った余りが等しいという条件は、その2つの多項式の差が $f(x)$ で割り切れると言い換えることができる。この性質を利用して定数 $a$ を求めるのが簡明である。後半の余りを求める計算では、剰余の定理を活用して処理する。

解法1

$P(x) = x^3 - x^2 - x + 1$、$Q(x) = x^2 - 2x + 1$ とおく。

$P(x)$ と $Q(x)$ を $f(x)$ で割った余りが等しいので、その差 $P(x) - Q(x)$ は $f(x)$ で割り切れる。

$$\begin{aligned} P(x) - Q(x) &= (x^3 - x^2 - x + 1) - (x^2 - 2x + 1) \\ &= x^3 - 2x^2 + x \\ &= x(x^2 - 2x + 1) \\ &= x(x - 1)^2 \end{aligned}$$

一方、$f(x) = x^2 + ax = x(x + a)$ である。

$P(x) - Q(x)$ が $f(x)$ を因数にもつため、$x + a = x - 1$ とならなければならない。

したがって、$a = -1$ であり、$f(x) = x^2 - x$ となる。

次に、$(P(x))^3 = (x^3 - x^2 - x + 1)^3$ を $f(x) = x^2 - x$ で割った余りを求める。

$f(x) = x(x - 1)$ は2次式であるから、求める余りは1次以下の多項式となり、$cx + d$ ($c, d$ は定数)とおける。

商を $R(x)$ とすると、以下の恒等式が成り立つ。

$$(x^3 - x^2 - x + 1)^3 = x(x - 1)R(x) + cx + d$$

この両辺に $f(x) = 0$ の解である $x = 0$ と $x = 1$ をそれぞれ代入する。

$x = 0$ を代入すると、

$$1^3 = d$$

より $d = 1$ である。

$x = 1$ を代入すると、

$$(1 - 1 - 1 + 1)^3 = c + d$$

$$0 = c + 1$$

より $c = -1$ である。

したがって、求める余りは $-x + 1$ である。

解法2

実際に割り算を実行し、余りを比較して $a$ を求める。

$x^3 - x^2 - x + 1$ を $x^2 + ax$ で割る。

$$x^3 - x^2 - x + 1 = (x^2 + ax)(x - a - 1) + (a^2 + a - 1)x + 1$$

よって、余りは $(a^2 + a - 1)x + 1$ である。

次に、$x^2 - 2x + 1$ を $x^2 + ax$ で割る。

$$x^2 - 2x + 1 = (x^2 + ax) \cdot 1 - (a + 2)x + 1$$

よって、余りは $-(a + 2)x + 1$ である。

これら2つの余りが $x$ についての多項式として常に一致するため、係数を比較する。

$$a^2 + a - 1 = -(a + 2)$$

$$a^2 + 2a + 1 = 0$$

$$(a + 1)^2 = 0$$

したがって、$a = -1$ となり、$f(x) = x^2 - x$ である。

次に、$(x^3 - x^2 - x + 1)^3$ を $f(x) = x^2 - x$ で割った余りを求める。

多項式の合同式を利用する。法を $f(x) = x^2 - x$ とする。

$x^3 - x^2 - x + 1$ を $x^2 - x$ で割ると、商が $x$ で余りが $-x + 1$ であるから、

$$x^3 - x^2 - x + 1 \equiv -x + 1 \pmod{x^2 - x}$$

が成り立つ。両辺を3乗して、

$$(x^3 - x^2 - x + 1)^3 \equiv (-x + 1)^3 \pmod{x^2 - x}$$

ここで、$(-x + 1)^3$ を展開する。

$$(-x + 1)^3 = -x^3 + 3x^2 - 3x + 1$$

これをさらに $x^2 - x$ で割る。

$$\begin{aligned} -x^3 + 3x^2 - 3x + 1 &= -x(x^2 - x) + 2x^2 - 3x + 1 \\ &= -x(x^2 - x) + 2(x^2 - x) - x + 1 \\ &= (-x + 2)(x^2 - x) - x + 1 \end{aligned}$$

したがって、求める余りは $-x + 1$ である。

解説

多項式の割り算において、「$A(x)$ と $B(x)$ を $P(x)$ で割った余りが等しい」という条件は、「$A(x) - B(x)$ が $P(x)$ で割り切れる」と同値である。この性質を用いると、実際に割り算を行う手間を省くことができ、計算ミスを減らすことができる(解法1)。

また、高次式の余りを求める問題では、割る式が因数分解できる場合、剰余の定理を応用して余りを $cx + d$ とおく解法が非常に有効である。多項式の合同式に慣れている場合は、解法2のように次数を下げていく方法も有力な選択肢となる。

答え

[ア] $x^2 - x$

[イ] $-x + 1$

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