数学2 因数定理・剰余の定理 問題 6 解説

方針・初手
(1) は、整式を2次式 $(x-a)^2$ で割ったときの商と余りを文字で置き、恒等式として扱う。余りは1次以下の式になることに注意し、式とその導関数に $x=a$ を代入することで条件を導く。
(2) は、(1) で示した条件に $a=1$ として $f_n(x)$ を当てはめ、係数 $a_n, b_n$ についての連立方程式を解く。
(3) は、(2) で得られた $f_n(x)$ について、実際に $x-1$ を因数として順次くくり出していく。係数の規則性に着目し、未定係数法を用いて商を決定する。
解法1
(1)
整式 $f(x)$ を $(x-a)^2$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを $px+q$ ($p, q$ は定数)とおく。
$$f(x) = (x-a)^2 Q(x) + px + q \quad \cdots \text{①}$$
両辺を $x$ について微分すると、積の微分法より以下のようになる。
$$f'(x) = 2(x-a)Q(x) + (x-a)^2 Q'(x) + p \quad \cdots \text{②}$$
①、②の両辺に $x=a$ を代入すると、それぞれ次の式を得る。
$$f(a) = pa + q$$
$$f'(a) = p$$
$f(x)$ が $(x-a)^2$ で割り切れるための必要十分条件は、余りが $0$、すなわち $p=0$ かつ $q=0$ となることである。
$p=0$ かつ $q=0$ ならば、$f(a)=0$ かつ $f'(a)=0$ が成り立つ。
逆に、$f(a)=0$ かつ $f'(a)=0$ ならば、$pa+q=0$ かつ $p=0$ であり、これより $q=0$ となるため、$p=0$ かつ $q=0$ が成り立つ。
以上より、整式 $f(x)$ が $(x-a)^2$ で割り切れるための必要十分条件は、$f(a)=0$ かつ $f'(a)=0$ であることが示された。
(2)
(1) の結果より、整式 $f_n(x) = a_n x^{n+1} + b_n x^n + 1$ が $(x-1)^2$ で割り切れるための必要十分条件は、$f_n(1)=0$ かつ $f_n'(1)=0$ である。
導関数は以下のようになる。
$$f_n'(x) = (n+1)a_n x^n + n b_n x^{n-1}$$
$f_n(1) = 0$ より、次の式が成り立つ。
$$a_n + b_n + 1 = 0 \quad \cdots \text{③}$$
$f_n'(1) = 0$ より、次の式が成り立つ。
$$(n+1)a_n + n b_n = 0 \quad \cdots \text{④}$$
③より $b_n = -a_n - 1$ となり、これを④に代入して整理する。
$$(n+1)a_n + n(-a_n - 1) = 0$$
$$a_n - n = 0$$
よって、$a_n = n$ である。これを③に代入して、$b_n = -n - 1 = -(n+1)$ を得る。
したがって、$a_n = n, b_n = -(n+1)$ である。
(3)
(2) より、$f_n(x)$ は次のように表される。
$$f_n(x) = n x^{n+1} - (n+1) x^n + 1$$
これを $(x-1)^2$ で割ったときの商を求めるため、まず $x-1$ でくくる。
$$f_n(x) = n x^n(x-1) - (x^n - 1)$$
ここで、$x^n - 1 = (x-1)(x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1)$ であるから、これを代入する。
$$f_n(x) = (x-1) \{ n x^n - (x^{n-1} + x^{n-2} + \cdots + x + 1) \}$$
波括弧の中の式を $g(x)$ とおく。
$$g(x) = n x^n - x^{n-1} - x^{n-2} - \cdots - x - 1$$
$f_n(x)$ は $(x-1)^2$ で割り切れるから、$g(x)$ は $x-1$ で割り切れる。$g(x)$ を $x-1$ で割った商を $n-1$ 次の整式 $Q(x) = c_n x^{n-1} + c_{n-1} x^{n-2} + \cdots + c_2 x + c_1$ とおく。
$$g(x) = (x-1)(c_n x^{n-1} + c_{n-1} x^{n-2} + \cdots + c_2 x + c_1)$$
右辺を展開して整理すると、以下のようになる。
$$c_n x^n + (c_{n-1} - c_n)x^{n-1} + (c_{n-2} - c_{n-1})x^{n-2} + \cdots + (c_1 - c_2)x - c_1$$
これが $n x^n - x^{n-1} - x^{n-2} - \cdots - x - 1$ と恒等的に等しいので、各次数の係数を比較する。
$$c_n = n$$
$$c_{n-1} - c_n = -1 \implies c_{n-1} = n - 1$$
$$c_{n-2} - c_{n-1} = -1 \implies c_{n-2} = n - 2$$
$$\vdots$$
$$c_k - c_{k+1} = -1 \implies c_k = k$$
$$-c_1 = -1 \implies c_1 = 1$$
したがって、商 $Q(x)$ は次のように定まる。
$$Q(x) = n x^{n-1} + (n-1)x^{n-2} + \cdots + 2x + 1$$
よって、$f_n(x) = (x-1)^2 Q(x)$ となり、求める商は $n x^{n-1} + (n-1)x^{n-2} + \cdots + 2x + 1$ である。
解説
整式が重解をもつ条件に関する基本問題である。(1) で示した「$(x-a)^2$ で割り切れる $\iff f(a)=0$ かつ $f'(a)=0$」は、多項式の重因数に関する重要な性質であり、微分法を用いることで簡潔に証明できる。
(3) は高次式の割り算であり、因数定理を用いて $x-1$ を2回くくり出す方針が確実である。係数比較による未定係数法を用いることで、商の各項の係数が等差数列になっていることを論理的に示すことができる。
答え
(1) 題意の証明(本文参照)
(2) $a_n = n, b_n = -(n+1)$
(3) $n x^{n-1} + (n-1)x^{n-2} + \cdots + 2x + 1$
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