数学2 因数定理・剰余の定理 問題 21 解説

方針・初手
高次式を2次式で割った余りを求める問題である。割る式が $x^2+1$ のように $x^2+1=0$ の解が虚数($x=\pm i$)となる場合、恒等式に複素数を代入する手法が有効である。また、余りは割る式よりも次数が低くなるため、1次以下の整式 $ax+b$ とおくことができる。別の視点として、$x^2+1$ で割ることは多項式の合同式において $x^2$ を $-1$ に置き換える操作に等しいことに着目し、式変形から余りを求めることも可能である。
解法1
整式 $x^{2011}$ を2次式 $x^2 + 1$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを $ax+b$ ($a, b$ は実数)とおく。 このとき、次の等式が成り立つ。
$$x^{2011} = (x^2 + 1)Q(x) + ax + b$$
この等式は $x$ についての恒等式であり、複素数の範囲でも成り立つ。 $x^2+1=0$ の解の一つである $x=i$ ($i$ は虚数単位)を両辺に代入すると、$i^2+1=0$ であるから、
$$i^{2011} = ai + b$$
ここで、$i^2 = -1$, $i^4 = 1$ であることを用いて左辺を計算する。
$$i^{2011} = i^{4 \times 502 + 3} = (i^4)^{502} \cdot i^3 = 1^{502} \cdot (-i) = -i$$
これを先ほどの式に代入すると、
$$-i = ai + b$$
すなわち、
$$-i = b + ai$$
$a, b$ は実数であるから、両辺の実部と虚部を比較して、
$$b = 0, \quad a = -1$$
したがって、求める余りは $-x$ である。
解法2
$x^{2011}$ を $x^2+1$ の固まりができるように変形する。
$$x^{2011} = x \cdot x^{2010} = x(x^2)^{1005}$$
ここで、$x^2 = (x^2+1) - 1$ と変形して代入する。
$$x^{2011} = x \{ (x^2+1) - 1 \}^{1005}$$
二項定理を用いて $\{ (x^2+1) - 1 \}^{1005}$ を展開すると、$(x^2+1)$ を因数に持つ項と持たない項に分けることができる。
$$\{ (x^2+1) - 1 \}^{1005} = (x^2+1) P(x) + (-1)^{1005}$$
ただし、$P(x)$ はある整式である。 これを元の式に代入すると、
$$x^{2011} = x \{ (x^2+1) P(x) - 1 \} = (x^2+1) \cdot x P(x) - x$$
この式は、$x^{2011}$ を $x^2+1$ で割った商が $x P(x)$、余りが $-x$ であることを示している。 $-x$ は1次式であり、割る式 $x^2+1$ の次数より低いため、これが求める余りである。
解説
高次式を割った余りを求める典型問題である。 解法1のように、割る式を $0$ にする値を代入して連立方程式を立てるのが最も標準的である。本問では代入する値が虚数 $i$ になるが、恒等式は複素数を代入しても成立すること、および「実数係数の等式において複素数が等しいならば、実部と虚部がそれぞれ等しい(複素数の相等)」という性質を利用すればよい。 解法2のような、割り算の原理を二項定理を用いて処理する手法も、次数下げの計算を直感的に行えるため非常に有効である。
答え
$-x$
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