数学2 因数定理・剰余の定理 問題 23 解説

方針・初手
与えられた条件 $p(1)=1, p(2)=2, p(3)=3$ に着目する。そのまま $p(x)$ に代入して $a, b, c$ についての連立3元1次方程式を解くこともできるが、$p(x)-x=0$ という方程式が $x=1, 2, 3$ を解にもつという規則性を見抜けば、因数定理を用いて計算量を大幅に減らすことができる。
解法1
$p(1)=1, p(2)=2, p(3)=3$ より、$p(x) - x = 0$ は $x=1, 2, 3$ を解にもつ。
$p(x)$ は最高次の係数が $1$ の3次式であるから、$p(x) - x$ も最高次の係数が $1$ の3次式である。よって、因数定理により次のように表すことができる。
$$p(x) - x = (x-1)(x-2)(x-3)$$
これを $p(x)$ について整理する。
$$\begin{aligned} p(x) &= (x-1)(x-2)(x-3) + x \\ &= (x^2 - 3x + 2)(x-3) + x \\ &= x^3 - 6x^2 + 11x - 6 + x \\ &= x^3 - 6x^2 + 12x - 6 \end{aligned}$$
これと $p(x) = x^3 + ax^2 + bx + c$ の係数を比較して、以下の値を得る。
$$a = -6, \quad b = 12, \quad c = -6$$
次に、$p(x)$ を $x-4$ で割ったときの余りを求める。剰余の定理により、求める余りは $p(4)$ であるから、先ほど求めた式を利用して計算する。
$$p(4) = (4-1)(4-2)(4-3) + 4 = 3 \cdot 2 \cdot 1 + 4 = 10$$
さらに、$p(x)$ を $(x-1)(x-2)$ で割ったときの余りを求める。上で構成した $p(x)$ の式を以下のように見る。
$$p(x) = (x-1)(x-2)(x-3) + x$$
右辺の第1項 $(x-1)(x-2)(x-3)$ は $(x-1)(x-2)$ で割り切れるため、余りは第2項の $x$ である。割る式が2次式であり、余り $x$ は1次式であるから、これが求める余りとなる。
解法2
$p(x) = x^3 + ax^2 + bx + c$ に $x=1, 2, 3$ を代入し、連立方程式を立てる。
$$\begin{aligned} p(1) = 1 + a + b + c = 1 &\implies a + b + c = 0 \quad \cdots \text{①} \\ p(2) = 8 + 4a + 2b + c = 2 &\implies 4a + 2b + c = -6 \quad \cdots \text{②} \\ p(3) = 27 + 9a + 3b + c = 3 &\implies 9a + 3b + c = -24 \quad \cdots \text{③} \end{aligned}$$
② $-$ ① より、
$$3a + b = -6 \quad \cdots \text{④}$$
③ $-$ ② より、
$$5a + b = -18 \quad \cdots \text{⑤}$$
⑤ $-$ ④ より、
$$2a = -12 \implies a = -6$$
これを④に代入して、
$$3(-6) + b = -6 \implies b = 12$$
これらを①に代入して、
$$-6 + 12 + c = 0 \implies c = -6$$
よって、$a=-6, b=12, c=-6$ であり、$p(x) = x^3 - 6x^2 + 12x - 6$ と求まる。
$p(x)$ を $x-4$ で割った余りは、剰余の定理より $p(4)$ である。
$$p(4) = 4^3 - 6 \cdot 4^2 + 12 \cdot 4 - 6 = 64 - 96 + 48 - 6 = 10$$
次に、$p(x)$ を2次式 $(x-1)(x-2) = x^2 - 3x + 2$ で割ったときの余りを求める。余りは1次式以下であるから、$mx+n$($m, n$ は実数)とおける。商を $Q(x)$ とすると、次のように表せる。
$$p(x) = (x-1)(x-2)Q(x) + mx + n$$
この両辺に $x=1, 2$ を代入する。
$$\begin{aligned} p(1) &= m + n = 1 \\ p(2) &= 2m + n = 2 \end{aligned}$$
この連立方程式を解くと、$m=1, n=0$ を得る。したがって、求める余りは $x$ である。
解説
多項式の決定問題において、規則性を見つけて「差の関数」を因数定理で処理する手法(解法1)は非常に重要である。この工夫により、連立方程式を解く手間(解法2)を省くことができ、計算ミスを減らすことにも繋がる。また、$(x-1)(x-2)$ で割った余りを求める際にも、解法1で構成した式をそのまま利用できるため見通しが良い。
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