トップ 基礎問題 数学2 複素数と方程式 因数定理・剰余の定理 問題 27

数学2 因数定理・剰余の定理 問題 27 解説

数学2 因数定理・剰余の定理 問題 27 解説

方針・初手

与えられた整式 $P(x)$ が特定の式で割り切れるという条件から、恒等式を立てて係数を比較するか、因数定理(および剰余の定理)を利用して連立方程式を導くのが基本である。

$P(x)$ は4次式であり、割り切れる条件として $(x+1)^2$(2次式)と $x-3$(1次式)が与えられているため、残る因数が1次式になることに着目して恒等式を作る方針が最も簡明である。また、$(x+1)^2$ という2乗の式で割り切れる条件は、微分を用いて $P(-1)=0$ かつ $P'(-1)=0$ と処理することもできる。

解法1

整式 $P(x)$ は $x^4$ の係数が $1$ の4次式である。

条件より、$P(x)$ は $(x+1)^2$ および $x-3$ で割り切れるため、定数 $k$ を用いて次のように表すことができる。

$$P(x) = (x+1)^2(x-3)(x-k)$$

この式の右辺を展開する。

$$\begin{aligned} P(x) &= (x^2+2x+1)(x-3)(x-k) \\ &= (x^3-x^2-5x-3)(x-k) \\ &= x^4 - (k+1)x^3 + (k-5)x^2 + (5k-3)x + 3k \end{aligned}$$

これが $P(x) = x^4 + x^3 - ax^2 - bx - c$ と恒等的に等しいため、各次数の係数を比較して以下の連立方程式を得る。

$$\begin{cases} -(k+1) = 1 \\ k-5 = -a \\ 5k-3 = -b \\ 3k = -c \end{cases}$$

第1式より、直ちに $k = -2$ が求まる。

これを残りの式に代入して $a, b, c$ の値を求める。

$$\begin{aligned} -a &= -2 - 5 = -7 \implies a = 7 \\ -b &= 5(-2) - 3 = -13 \implies b = 13 \\ -c &= 3(-2) = -6 \implies c = 6 \end{aligned}$$

解法2

因数定理および微分を利用する。

整式 $P(x)$ が $(x+1)^2$ で割り切れるための必要十分条件は、$P(-1)=0$ かつ $P'(-1)=0$ が成り立つことである。

また、$x-3$ で割り切れることから、因数定理より $P(3)=0$ である。

$P(x) = x^4 + x^3 - ax^2 - bx - c$ を $x$ で微分する。

$$P'(x) = 4x^3 + 3x^2 - 2ax - b$$

それぞれの条件を立式する。

$$\begin{cases} P(-1) = 1 - 1 - a + b - c = 0 \\ P'(-1) = -4 + 3 + 2a - b = 0 \\ P(3) = 81 + 27 - 9a - 3b - c = 0 \end{cases}$$

これらを整理して、以下の連立3元1次方程式を得る。

$$\begin{cases} a - b + c = 0 \quad \cdots \text{ (i)} \\ 2a - b = 1 \quad \cdots \text{ (ii)} \\ 9a + 3b + c = 108 \quad \cdots \text{ (iii)} \end{cases}$$

(iii) から (i) を辺々引いて $c$ を消去する。

$$8a + 4b = 108 \implies 2a + b = 27 \quad \cdots \text{ (iv)}$$

(ii)(iv) を辺々足し合わせる。

$$4a = 28 \implies a = 7$$

これを (iv) に代入する。

$$14 + b = 27 \implies b = 13$$

$a=7, b=13$ を (i) に代入する。

$$7 - 13 + c = 0 \implies c = 6$$

解説

整式の割り算に関する基本的な問題である。

解法1のように、割る式の次数と割られる式の次数から「商の形」を予測して恒等式を立てる手法は、未知数が多くても計算量が少なく済むため非常に有効である。本問では最高次の係数が $1$ であることを見落とさず、未知数を $k$ の1つだけで設定できたことがポイントとなる。

解法2で用いた「整式が $(x-\alpha)^2$ で割り切れる $\iff P(\alpha)=0$ かつ $P'(\alpha)=0$」という性質は、数学IIの微分の範囲で証明可能であり、計算を大幅に短縮できる強力な道具である。組立除法を2回繰り返す解法も考えられるが、計算ミスを誘発しやすいため、恒等式か微分の利用を優先したい。

答え

$a = 7, b = 13, c = 6$

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