数学2 因数定理・剰余の定理 問題 28 解説

方針・初手
- $F(x)$ を 3次式 $(x+1)^2(x-1)$ で割ったときの余りを求めるので、余りは2次以下の整式である。
- 余りを $ax^2+bx+c$ ($a, b, c$ は定数)とおくのが基本であるが、$(x+1)^2$ で割った余りが与えられていることを利用して、余りを $a(x+1)^2+2x+1$ と設定すると未知数を減らすことができる。
- もう1つの条件から剰余の定理を用いて $F(1)$ の値を求め、係数 $a$ を決定する。
解法1
$F(x)$ を3次式 $(x+1)^2(x-1)$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを $R(x)$ とおく。 割る式が3次式であるから、余り $R(x)$ は2次以下の整式である。
条件より、$F(x)$ を $(x+1)^2$ で割ったときの余りが $2x+1$ である。 $F(x) = (x+1)^2(x-1)Q(x) + R(x)$ において、右辺第1項 $(x+1)^2(x-1)Q(x)$ は $(x+1)^2$ で割り切れるため、$R(x)$ を $(x+1)^2$ で割った余りが $2x+1$ とならなければならない。 よって、$R(x)$ は定数 $a$ を用いて次のように表すことができる。
$$R(x) = a(x+1)^2 + 2x + 1$$
したがって、$F(x)$ は次のように表される。
$$F(x) = (x+1)^2(x-1)Q(x) + a(x+1)^2 + 2x + 1 \quad \cdots (1)$$
また、条件より $F(x)$ を $(x-1)^2$ で割った余りが $x+6$ である。 商を $Q_1(x)$ とおくと、$F(x) = (x-1)^2Q_1(x) + x + 6$ と表せる。 この式に $x = 1$ を代入すると、以下の値が得られる。
$$F(1) = 1 + 6 = 7$$
これを (1) 式に $x = 1$ を代入した式と比較する。(1) 式に $x = 1$ を代入すると、
$$F(1) = a(1+1)^2 + 2 \cdot 1 + 1 = 4a + 3$$
これらが等しいので、以下の一次方程式が成り立つ。
$$4a + 3 = 7$$
これを解いて、
$$4a = 4 \implies a = 1$$
ゆえに、求める余り $R(x)$ は以下のように計算できる。
$$R(x) = 1 \cdot (x+1)^2 + 2x + 1 = x^2 + 2x + 1 + 2x + 1 = x^2 + 4x + 2$$
解法2
$F(x)$ を3次式 $(x+1)^2(x-1)$ で割ったときの商を $Q(x)$ とし、余りを $ax^2+bx+c$ ($a, b, c$ は定数)とおく。
$$F(x) = (x+1)^2(x-1)Q(x) + ax^2 + bx + c$$
この式全体を $(x+1)^2 = x^2+2x+1$ で割ったときの余りを考える。 右辺第1項は $(x+1)^2$ で割り切れるため、余りは $ax^2+bx+c$ を $x^2+2x+1$ で割った余りと等しい。
$$ax^2 + bx + c = a(x^2+2x+1) + (b-2a)x + c-a = a(x+1)^2 + (b-2a)x + c-a$$
これが $2x+1$ と恒等的に等しくなるので、係数を比較して以下の関係式を得る。
$$b - 2a = 2 \implies b = 2a + 2 \quad \cdots (2)$$
$$c - a = 1 \implies c = a + 1 \quad \cdots (3)$$
次に、$F(x)$ を $(x-1)^2$ で割った余りが $x+6$ であることから、剰余の定理より $F(1) = 7$ である。 $F(x) = (x+1)^2(x-1)Q(x) + ax^2 + bx + c$ に $x = 1$ を代入して、以下の式を得る。
$$F(1) = a + b + c = 7 \quad \cdots (4)$$
(4) 式に (2) 式と (3) 式を代入する。
$$a + (2a + 2) + (a + 1) = 7$$
$$4a + 3 = 7$$
$$4a = 4 \implies a = 1$$
$a = 1$ を (2), (3) 式に代入して、
$$b = 2 \cdot 1 + 2 = 4$$
$$c = 1 + 1 = 2$$
以上より、$a=1, b=4, c=2$ となるため、求める余りは以下のようになる。
$$x^2 + 4x + 2$$
解説
- 整式の割り算における剰余の定理の標準的な応用問題である。
- 割る式が $n$ 次式であれば、余りは $(n-1)$ 次以下の整式としておけることが基本となる。
- 本問のように「2次式 $(x+1)^2$ で割った余り」が与えられている場合、求める余りを $a(x+1)^2 + 2x + 1$ のように設定する(解法1)ことで、未知数の数を $a$ の1つだけに減らすことができ、計算量を大幅に削減できる。この設定方法は難関大の入試でも頻出である。
- 一方、解法2のように素直に $ax^2+bx+c$ とおいても、恒等式の性質を用いて係数を比較することで確実に正答に至ることができる。
答え
$x^2 + 4x + 2$
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