数学2 高次方程式 問題 14 解説

方針・初手
実数係数の方程式が虚数解をもつ場合、その共役複素数もまた方程式の解になるという性質を利用する。与えられた方程式は実数係数であるため、$1+2i$ とともに $1-2i$ も解にもつ。この2つの解から2次式を作り、もとの4次式がその2次式で割り切れることを用いて係数を決定していくのが最も見通しがよい。あるいは、解を直接方程式に代入して複素数の相等を用いる方法も有効である。
解法1
方程式 $x^4 + ax^3 + x^2 + bx - 50 = 0$ は実数係数であるから、虚数解 $1+2i$ をもつならば、その共役複素数 $1-2i$ も解にもつ。
したがって、方程式の左辺は $(x - (1+2i))(x - (1-2i))$ を因数にもつ。これを展開すると以下のようになる。
$$\{x - (1+2i)\}\{x - (1-2i)\} = (x-1)^2 - (2i)^2 = x^2 - 2x + 5$$
もとの4次式をこの $x^2 - 2x + 5$ で割ったときの商は2次式となる。4次式の最高次($x^4$)の係数が $1$ であり、定数項が $-50$ であることに着目すると、定数項の割り算 $-50 \div 5 = -10$ から、商を $x^2 + cx - 10$ ($c$ は実数の定数)とおくことができる。
これにより、与えられた方程式の左辺は次のように表される。
$$x^4 + ax^3 + x^2 + bx - 50 = (x^2 - 2x + 5)(x^2 + cx - 10)$$
右辺を展開して $x$ について整理する。
$$(x^2 - 2x + 5)(x^2 + cx - 10) = x^4 + (c-2)x^3 + (-2c-5)x^2 + (5c+20)x - 50$$
これがもとの4次式と恒等的に等しいため、各次数の係数を比較して以下の連立方程式を得る。
$$\begin{cases} a = c - 2 \\ 1 = -2c - 5 \\ b = 5c + 20 \end{cases}$$
第2式より $2c = -6$ となり、$c = -3$ である。これを第1式および第3式に代入する。
$$a = -3 - 2 = -5$$
$$b = 5(-3) + 20 = 5$$
また、残りの解(実数解)は、商を $0$ とした2次方程式 $x^2 + cx - 10 = 0$ から得られる。$c = -3$ を代入して解く。
$$x^2 - 3x - 10 = 0$$
$$(x-5)(x+2) = 0$$
$$x = 5, -2$$
よって、実数解のうち大きい方は $5$ である。
解法2
$x = 1+2i$ は与えられた方程式の解であるから、方程式に代入して成り立つ。あらかじめ $(1+2i)$ の累乗を計算しておく。
$$(1+2i)^2 = 1 + 4i + 4i^2 = -3 + 4i$$
$$(1+2i)^3 = (1+2i)(-3+4i) = -3 + 4i - 6i + 8i^2 = -11 - 2i$$
$$(1+2i)^4 = (-3+4i)^2 = 9 - 24i + 16i^2 = -7 - 24i$$
これらを方程式 $x^4 + ax^3 + x^2 + bx - 50 = 0$ に代入する。
$$(-7 - 24i) + a(-11 - 2i) + (-3 + 4i) + b(1+2i) - 50 = 0$$
左辺を実部と虚部に分けて整理する。
$$(-11a + b - 60) + (-2a + 2b - 20)i = 0$$
$a, b$ は実数であるから、$-11a + b - 60$ および $-2a + 2b - 20$ も実数である。複素数の相等条件(実部$=0$ かつ 虚部$=0$)より、以下の連立方程式を得る。
$$\begin{cases} -11a + b - 60 = 0 \\ -2a + 2b - 20 = 0 \end{cases}$$
第2式を整理すると $-a + b - 10 = 0$ となり、$b = a + 10$ を得る。これを第1式に代入する。
$$-11a + (a + 10) - 60 = 0$$
$$-10a - 50 = 0$$
$$a = -5$$
このとき、$b = -5 + 10 = 5$ である。したがって、もとの方程式は次のようになる。
$$x^4 - 5x^3 + x^2 + 5x - 50 = 0$$
実数係数方程式が $1+2i$ を解にもつとき、共役複素数 $1-2i$ も解にもつため、左辺は $\{x-(1+2i)\}\{x-(1-2i)\} = x^2 - 2x + 5$ で割り切れる。実際に割り算を行うか因数分解をして、実数解を求める。
$$(x^2 - 2x + 5)(x^2 - 3x - 10) = 0$$
実数解は $x^2 - 3x - 10 = 0$ を満たす $x$ である。
$$(x-5)(x+2) = 0$$
$$x = 5, -2$$
よって、実数解のうち大きい方は $5$ である。
解説
「実数係数の方程式が虚数解 $p+qi$ をもてば、その共役複素数 $p-qi$ も解にもつ」という定理を利用する、高次方程式の典型問題である。解法1のように、解から作成した2次式を用いて因数分解の形に持ち込み、恒等式として係数比較を行う手法は、計算ミスを減らしやすく汎用性が高い。解法2のように直接代入して複素数の相等を活用する手法も基本であり、確実に計算できる力が必要である。
答え
ア: -5
イ: 5
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