数学2 高次方程式 問題 21 解説

方針・初手
実数係数の方程式が虚数解 $x = 2 + i$ を持つという条件から、以下のいずれかのアプローチを選択する。
- 共役複素数の利用: 実数係数の多項式が虚数解 $\alpha$ を持つならば、その共役複素数 $\bar{\alpha}$ も解となる。これを用いて、3次方程式の解と係数の関係を適用する。
- 直接代入: 解 $x = 2 + i$ を方程式に代入し、左辺を $A + Bi$ ($A, B$ は実数) の形に整理したうえで、$A = 0$ かつ $B = 0$ の条件を用いる。
- 因数分解の利用: 共役複素数から作られる2次式で、元の3次式が割り切れることを利用する。
解法1
方程式 $x^3 - 2x^2 + ax + b = 0$ の係数はすべて実数であるから、虚数解 $2 + i$ を持つとき、その共役複素数 $2 - i$ も解となる。 3次方程式のもう1つの解を実数 $c$ とする。
3次方程式の解と係数の関係より、以下の3つの式が成り立つ。
$$(2 + i) + (2 - i) + c = 2$$
$$(2 + i)(2 - i) + c(2 + i) + c(2 - i) = a$$
$$c(2 + i)(2 - i) = -b$$
第1式を整理する。
$$4 + c = 2$$
$$c = -2$$
これを第2式に代入する。$(2+i)(2-i) = 2^2 - i^2 = 5$ であることに注意する。
$$5 + c(2 + i + 2 - i) = a$$
$$5 + 4c = a$$
$$5 + 4(-2) = a$$
$$a = -3$$
同様に第3式に $c = -2$ を代入する。
$$-2 \cdot 5 = -b$$
$$b = 10$$
したがって、$a, b$ の値は $a = -3, b = 10$ である。 また、3つの解は $2+i, 2-i, -2$ である。
解法2
$x = 2 + i$ を方程式 $x^3 - 2x^2 + ax + b = 0$ に代入する。 まず、$x^2$ と $x^3$ を計算する。
$$x^2 = (2 + i)^2 = 4 + 4i + i^2 = 3 + 4i$$
$$x^3 = x \cdot x^2 = (2 + i)(3 + 4i) = 6 + 8i + 3i + 4i^2 = 2 + 11i$$
これらを与式に代入する。
$$(2 + 11i) - 2(3 + 4i) + a(2 + i) + b = 0$$
展開して実部と虚部について整理する。
$$2 + 11i - 6 - 8i + 2a + ai + b = 0$$
$$(2a + b - 4) + (a + 3)i = 0$$
$a, b$ は実数であるから、$2a + b - 4$ と $a + 3$ も実数である。複素数の相等条件より、
$$\begin{cases} 2a + b - 4 = 0 \\ a + 3 = 0 \end{cases}$$
これを解くと、$a = -3$、$b = 10$ を得る。
このとき、元の3次方程式は以下のようになる。
$$x^3 - 2x^2 - 3x + 10 = 0$$
因数定理を用いる。左辺の多項式を $P(x)$ とおくと、$P(-2) = -8 - 8 + 6 + 10 = 0$ となるため、$P(x)$ は $x + 2$ を因数に持つ。
$$(x + 2)(x^2 - 4x + 5) = 0$$
よって、$x = -2$ または $x^2 - 4x + 5 = 0$ である。 2次方程式 $x^2 - 4x + 5 = 0$ を解くと、
$$x = \frac{4 \pm \sqrt{16 - 20}}{2} = 2 \pm i$$
以上より、すべての解は $x = -2, 2 \pm i$ である。
解法3
実数係数方程式が $x = 2 + i$ を解に持つので、これと共役な複素数 $x = 2 - i$ も解である。 これら2つを解とする2次方程式は、解と係数の関係より、和が $4$、積が $5$ であるから、
$$x^2 - 4x + 5 = 0$$
となる。 したがって、3次式 $x^3 - 2x^2 + ax + b$ は $x^2 - 4x + 5$ で割り切れる。 実際に筆算等で多項式の割り算を行う。
$$x^3 - 2x^2 + ax + b = (x^2 - 4x + 5)(x + 2) + (a + 3)x + (b - 10)$$
割り切れるための条件は、余りが常に $0$ になることである。
$$(a + 3)x + (b - 10) = 0$$
これが $x$ についての恒等式となるため、係数比較より以下の式が成り立つ。
$$a + 3 = 0$$
$$b - 10 = 0$$
よって、$a = -3, b = 10$ である。 また、このとき方程式は $(x^2 - 4x + 5)(x + 2) = 0$ となるため、解は $x^2 - 4x + 5 = 0$ から得られる $x = 2 \pm i$ と、$x + 2 = 0$ から得られる $x = -2$ である。
解説
「実数係数の方程式が虚数解 $p+qi$ を持つならば、共役複素数 $p-qi$ も解である」という性質を利用すると、計算量を大幅に減らすことができる。 解法1の「3次方程式の解と係数の関係」や、解法3の「共役な解を持つ2次式で割る」手法は、高次方程式の決定問題における定石である。 解法2の直接代入も、計算ミスさえなければ確実な方法であり、どちらの手法もマスターしておきたい。
答え
$a = -3, b = 10$
すべての解は $x = 2 \pm i, -2$
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