トップ 基礎問題 数学2 複素数と方程式 高次方程式 問題 25

数学2 高次方程式 問題 25 解説

数学2 高次方程式 問題 25 解説

方針・初手

(1) は有理数 $r$ を、互いに素な整数 $p, q$ を用いて $r = \frac{p}{q}$ (既約分数)と表し、与えられた方程式に代入する。両辺の分母を払い、整数の性質(互いに素であること)を利用して分母 $q$ が $1$ にならざるを得ないことを示す。 (2) は (1) の結果を直接利用する。最高次係数が $1$ で、係数がすべて整数である3次方程式の有理数解は、定数項の約数に限られる。定数項 $51$ の約数を候補として代入し、因数定理を用いて解を絞り込む。

解法1

(1)

有理数 $r$ を、互いに素な整数 $p, q$ (ただし $q \geqq 1$)を用いて、次のように既約分数で表す。

$$r = \frac{p}{q}$$

これが方程式 $x^3 + ax^2 + bx + c = 0$ の解であるから、代入して成り立つ。

$$\left(\frac{p}{q}\right)^3 + a\left(\frac{p}{q}\right)^2 + b\left(\frac{p}{q}\right) + c = 0$$

両辺に $q^3$ を掛けて整理する。

$$p^3 + ap^2q + bpq^2 + cq^3 = 0$$

$p^3$ について解くと、次のようになる。

$$p^3 = -q(ap^2 + bpq + cq^2)$$

ここで、$a, b, c, p, q$ はすべて整数であるから、右辺の括弧内の $ap^2 + bpq + cq^2$ は整数である。 したがって、$p^3$ は $q$ の倍数である。 ところが、$p$ と $q$ は互いに素であるから、$p^3$ と $q$ も互いに素である。 互いに素である $p^3$ が $q$ の倍数となるためには、$q = 1$ でなければならない($q \geqq 1$ より)。

$q = 1$ のとき、$r = p$ となり、$r$ は整数であることが示された。

次に、$r$ が整数であるから、元の3次方程式に $x = r$ を代入した以下の式が成り立つ。

$$r^3 + ar^2 + br + c = 0$$

$c$ について解き、$r$ でくくると次のようになる。

$$c = -r(r^2 + ar + b)$$

$a, b, r$ はすべて整数であるから、$-(r^2 + ar + b)$ も整数である。 したがって、$c$ は整数 $r$ とある整数の積で表されるので、$c$ は $r$ の倍数である。 すなわち、$r$ は $c$ の約数であることが示された。

(2)

方程式 $x^3 - 16x^2 - 20x + 51 = 0$ の係数はすべて整数であり、$x^3$ の係数は $1$ である。 したがって、(1) の結果より、この方程式が有理数解を持つならば、それは整数であり、かつ定数項 $51$ の約数でなければならない。

$51$ の約数は $\pm 1, \pm 3, \pm 17, \pm 51$ であるから、有理数解の候補はこれらに限られる。

$P(x) = x^3 - 16x^2 - 20x + 51$ とおく。

$x = 17$ を代入すると、

$$\begin{aligned} P(17) &= 17^3 - 16 \cdot 17^2 - 20 \cdot 17 + 51 \\ &= 17^2(17 - 16) - 340 + 51 \\ &= 289 \cdot 1 - 289 \\ &= 0 \end{aligned}$$

となるため、$x = 17$ は解の一つである。 因数定理により、$P(x)$ は $x - 17$ を因数に持つ。 組み立て除法や割り算を用いて因数分解すると、以下のようになる。

$$P(x) = (x - 17)(x^2 + x - 3)$$

したがって、与えられた方程式は次のように同値変形できる。

$$(x - 17)(x^2 + x - 3) = 0$$

ここで、2次方程式 $x^2 + x - 3 = 0$ について解の公式を用いると、

$$x = \frac{-1 \pm \sqrt{1^2 - 4 \cdot 1 \cdot (-3)}}{2} = \frac{-1 \pm \sqrt{13}}{2}$$

となり、これらは無理数である。 よって、有理数解は $x = 17$ のみである。

解説

いわゆる「有理数根定理」の特別な場合(最高次の係数が $1$ の場合)を自ら証明し、それを利用して方程式を解く問題である。 (1) のような「有理数であることを既約分数で設定する」アプローチは、無理数の証明($\sqrt{2}$ が無理数であることの証明など)をはじめとする整数問題の定石である。互いに素であるという条件が、式の形から特定の変数の値を決定する強い根拠となる。 (2) では、(1) で示した事実を利用することで、当てずっぽうに解を探すのではなく、有限個の候補($51$ の約数)に絞り込める。三次方程式の解の公式は実用的ではないため、因数定理を用いて1次式を括り出すのが基本方針となる。

答え

(1) 解答の通り。

(2) $x = 17$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。