数学2 高次方程式 問題 31 解説

方針・初手
3次方程式の解と係数の関係を利用し、与えられた条件式 $\alpha + \gamma = 2\beta$ を用いて方程式の解の1つを具体的に求める。その解を方程式に代入することで、係数 $a$ と $b$ の関係式を導く。実数解の条件については、因数定理を用いて3次式を1次式と2次式の積に因数分解し、残りの2次方程式が実数解をもつ条件(判別式)に帰着させる。
解法1
(1)
3次方程式 $P(x) = 0$ の3つの解が $\alpha, \beta, \gamma$ であるから、解と係数の関係より以下の等式が成り立つ。
$$\alpha + \beta + \gamma = -3a$$
問題の条件より $\alpha + \gamma = 2\beta$ である。これを上の式に代入する。
$$2\beta + \beta = -3a$$
$$3\beta = -3a$$
$$\beta = -a$$
これは、$x = -a$ が方程式 $P(x) = 0$ の解の1つであることを示している。したがって、$P(-a) = 0$ が成り立つ。
$$P(-a) = (-a)^3 + 3a(-a)^2 + 3a(-a) + b = 0$$
$$-a^3 + 3a^3 - 3a^2 + b = 0$$
$$2a^3 - 3a^2 + b = 0$$
これを $b$ について解く。
$$b = -2a^3 + 3a^2$$
(2)
(1)の結果を用いると、$P(x)$ は次のように表される。
$$P(x) = x^3 + 3ax^2 + 3ax - 2a^3 + 3a^2$$
$x = -a$ を解にもつことから、$P(x)$ は $x+a$ を因数にもつ。式を因数分解する。
$$\begin{aligned} P(x) &= x^3 + a x^2 + 2a x^2 + 2a^2 x + (3a - 2a^2)x + 3a^2 - 2a^3 \\ &= x^2(x+a) + 2ax(x+a) + (3a - 2a^2)(x+a) \\ &= (x+a)(x^2 + 2ax - 2a^2 + 3a) \end{aligned}$$
方程式 $P(x) = 0$ の解は、$x = -a$ と、2次方程式 $x^2 + 2ax - 2a^2 + 3a = 0$ の解である。
$\beta = -a$ は実数であるから、3つの解 $\alpha, \beta, \gamma$ がすべて実数となるための条件は、この2次方程式が実数解(重解を含む)をもつことである。
2次方程式 $x^2 + 2ax - 2a^2 + 3a = 0$ の判別式を $D$ とすると、実数解をもつ条件は $D \ge 0$ である。
$$\frac{D}{4} = a^2 - 1 \cdot (-2a^2 + 3a) \ge 0$$
$$a^2 + 2a^2 - 3a \ge 0$$
$$3a^2 - 3a \ge 0$$
$$3a(a-1) \ge 0$$
これを解いて、$a$ のとりうる値の範囲を求める。
$$a \le 0, \quad 1 \le a$$
(3)
(1)より、関数 $f(a)$ は以下の通りである。
$$f(a) = -2a^3 + 3a^2$$
関数 $b = f(a)$ の増減を調べるため、導関数 $f'(a)$ を求める。
$$f'(a) = -6a^2 + 6a = -6a(a-1)$$
$f'(a) = 0$ となる $a$ の値は $a = 0, 1$ である。$a$ の全範囲における増減表は次のようになる。
$$\begin{array}{c|c|c|c|c|c} a & \cdots & 0 & \cdots & 1 & \cdots \\ \hline f'(a) & - & 0 & + & 0 & - \\ \hline f(a) & \searrow & 0 & \nearrow & 1 & \searrow \end{array}$$
(2)より、$a$ の動く範囲は $a \le 0$ および $a \ge 1$ である。
- $a \le 0$ の範囲では、$f(a)$ は単調に減少し、点 $(0, 0)$ に至る。
- $a \ge 1$ の範囲では、$f(a)$ は点 $(1, 1)$ から単調に減少する。
- $0 < a < 1$ の範囲は定義域外であるため、グラフは存在しない。
したがって、求めるグラフは、点 $(0, 0)$ を右端として単調に減少する曲線と、点 $(1, 1)$ を左端として単調に減少する曲線の2つの部分からなる。
解法2
(1)の別解
方程式の3つの解 $\alpha, \beta, \gamma$ について、$\alpha + \gamma = 2\beta$ が成り立つことは、これら3つの解が $\alpha, \beta, \gamma$ の順(または $\gamma, \beta, \alpha$ の順)で等差数列をなすことを意味する。
公差を $d$ とすると、3つの解は $\beta - d, \beta, \beta + d$ と表すことができる。
解と係数の関係より、3つの解の和は $-3a$ であるから以下の等式が成り立つ。
$$(\beta - d) + \beta + (\beta + d) = -3a$$
$$3\beta = -3a$$
$$\beta = -a$$
$x = -a$ が解の1つであるから、代入して $P(-a) = 0$ が成り立つ。
$$(-a)^3 + 3a(-a)^2 + 3a(-a) + b = 0$$
これを整理して、$b = -2a^3 + 3a^2$ を得る。
解説
等差数列をなす3つの解をもつ3次方程式の典型問題である。解と係数の関係、あるいは解を等差数列の形で設定することにより、1つの解が直ちに特定できる点が最大の鍵である。
(2)において、残りの2つの解が実数になる条件を求める際、判別式 $D \ge 0$ と等号を含める必要がある。3つの解のうち2つ、あるいは3つすべてが一致する(重解をもつ)場合でも、「3つの解がすべて実数である」という条件および「$\alpha + \gamma = 2\beta$」の条件を満たし得るためである。
(3)のグラフ描画では、定義域に注意する。増減表全体を描いたうえで、(2)で求めた $a$ の範囲のみを実線として描くのが適切な解答である。
答え
(1) $b = -2a^3 + 3a^2$
(2) $a \le 0, \quad 1 \le a$
(3) $b = -2a^3 + 3a^2$ のグラフのうち、$a \le 0$ の部分(点 $(0, 0)$ を右端とし左上に伸びる単調減少の曲線)および $a \ge 1$ の部分(点 $(1, 1)$ を左端とし右下に伸びる単調減少の曲線)のみを実線で描いたもの。
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