数学2 高次方程式 問題 37 解説

方針・初手
(1) 与えられた式に文字定数 $a$ が含まれているため、特定の文字(ここでは $a$)について整理して因数を探すか、因数定理を用いて $x$ に具体的な値を代入して $0$ になるものを探す。
(2) (1)で得られた1次式と2次式の積の形から、3次方程式が重解をもつ条件を考える。「2次式が完全平方式になる場合」と「1次式の解を2次式も解にもつ場合」の2つのケースを漏れなく検討する。
解法1
(1)
$f(x) = ax^3 - (a+2)x^2 - (2a-5)x - 2$ について、$x = 2$ を代入すると、
$$f(2) = a \cdot 2^3 - (a+2) \cdot 2^2 - (2a-5) \cdot 2 - 2$$
$$= 8a - 4a - 8 - 4a + 10 - 2$$
$$= 0$$
よって、因数定理により $f(x)$ は $x - 2$ を因数にもつ。 $f(x)$ を $x - 2$ で割ると、商は $ax^2 + (a-2)x + 1$ となる。 したがって、次のように因数分解できる。
$$f(x) = (x-2)\{ax^2 + (a-2)x + 1\}$$
(2)
$f(x) = 0$ が重解をもつのは、$g(x) = ax^2 + (a-2)x + 1$ とおくとき、$f(x) = (x-2)g(x) = 0$ において以下のいずれかが成り立つ場合である。
(i) $g(x) = 0$ が $x = 2$ を解にもつ場合
$g(2) = 0$ となればよいので、
$$a \cdot 2^2 + (a-2) \cdot 2 + 1 = 0$$
$$4a + 2a - 4 + 1 = 0$$
$$6a - 3 = 0$$
$$a = \frac{1}{2}$$
このとき、$g(x) = \frac{1}{2}x^2 - \frac{3}{2}x + 1 = \frac{1}{2}(x^2 - 3x + 2) = \frac{1}{2}(x-1)(x-2)$ となる。 よって、$f(x) = \frac{1}{2}(x-2)^2(x-1)$ となり、$f(x) = 0$ は $x = 2$ を重解にもつため適する。
(ii) $g(x) = 0$ が $x \neq 2$ の重解をもつ場合
$g(x) = 0$ は2次方程式でなければならないため、$a \neq 0$ である。 ($a=0$ のとき、$g(x) = -2x + 1 = 0$ となり解を1つしかもたないため不適である) $a \neq 0$ のもとで、$g(x) = 0$ の判別式を $D$ とすると、$D = 0$ となればよい。
$$D = (a-2)^2 - 4 \cdot a \cdot 1 = 0$$
$$a^2 - 8a + 4 = 0$$
これを解いて、
$$a = 4 \pm 2\sqrt{3}$$
これは $a \neq 0$ を満たす。 また、(i) より $g(2) = 0$ となるのは $a = \frac{1}{2}$ のときのみであるから、$a = 4 \pm 2\sqrt{3}$ のとき $g(x) = 0$ の重解は $x=2$ にはならない。
以上 (i), (ii) より、求める $a$ の値は $a = \frac{1}{2}, 4 \pm 2\sqrt{3}$ である。
解法2
(1)の別解
$f(x)$ を文字定数 $a$ について整理する。
$$f(x) = ax^3 - ax^2 - 2x^2 - 2ax + 5x - 2$$
$$= a(x^3 - x^2 - 2x) - (2x^2 - 5x + 2)$$
$$= ax(x^2 - x - 2) - (x-2)(2x-1)$$
$$= ax(x-2)(x+1) - (x-2)(2x-1)$$
共通因数 $x-2$ でくくって、
$$f(x) = (x-2)\{ax(x+1) - (2x-1)\}$$
$$= (x-2)\{ax^2 + (a-2)x + 1\}$$
(以降の(2)の解法は解法1と同様)
解説
(1)の因数分解では、「因数定理を用いて $x$ に具体的な値を代入する」方法と「複数の文字を含む式は、最低次数の文字について整理する」方法のどちらでも容易にアプローチできる。解法1と解法2のどちらの発想も自然に引き出せるようにしておきたい。
(2)は3次方程式が重解をもつための条件を問う頻出問題である。因数分解により1次式と2次式の積に帰着できた場合、重解をもつ条件は以下の2パターンに大別される。
- 1次式から得られる解を、2次式も解にもつ(異なる因数間で共通の解をもつ)。
- 2次式がそれ自身で重解をもつ(2次方程式の判別式 $D=0$ となる)。
判別式を利用する際、見落としがちなのが「最高次数の係数が $0$ にならないか」の確認である。本問では $g(x) = ax^2 + (a-2)x + 1$ の $x^2$ の係数 $a$ が $0$ の場合、$g(x)=0$ は1次方程式となり重解をもたないため除外される。
答え
(1) $(x-2)(ax^2 + (a-2)x + 1)$
(2) $a = \frac{1}{2}, 4 \pm 2\sqrt{3}$
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