数学2 高次方程式 問題 42 解説

方針・初手
与えられた2次方程式の解と係数の関係を用いて、新しい2つの解の和と積を計算し、条件を満たす2次方程式を決定する。後半の3次方程式については、前半で求めた2次方程式を因数にもつことを利用して係数比較を行うか、3次方程式の解と係数の関係を利用する。
解法1
$2x^2 - 4x + 1 = 0$ の2つの解が $\alpha, \beta$ であるから、解と係数の関係より以下の式が成り立つ。
$$\alpha + \beta = 2$$
$$\alpha\beta = \frac{1}{2}$$
ここで、新しい2次方程式の2つの解を $p = \alpha - \frac{1}{\alpha}, q = \beta - \frac{1}{\beta}$ とおく。これら2つの解の和と積をそれぞれ計算する。
まず、和 $p + q$ を求める。
$$\begin{aligned} p + q &= \left( \alpha - \frac{1}{\alpha} \right) + \left( \beta - \frac{1}{\beta} \right) \\ &= (\alpha + \beta) - \left( \frac{1}{\alpha} + \frac{1}{\beta} \right) \\ &= (\alpha + \beta) - \frac{\alpha + \beta}{\alpha\beta} \\ &= 2 - \frac{2}{\frac{1}{2}} \\ &= 2 - 4 \\ &= -2 \end{aligned}$$
次に、積 $pq$ を求めるために、あらかじめ $\alpha^2 + \beta^2$ を計算しておく。
$$\begin{aligned} \alpha^2 + \beta^2 &= (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha\beta \\ &= 2^2 - 2 \cdot \frac{1}{2} \\ &= 3 \end{aligned}$$
これを用いて積 $pq$ を計算する。
$$\begin{aligned} pq &= \left( \alpha - \frac{1}{\alpha} \right) \left( \beta - \frac{1}{\beta} \right) \\ &= \alpha\beta - \frac{\alpha}{\beta} - \frac{\beta}{\alpha} + \frac{1}{\alpha\beta} \\ &= \alpha\beta - \frac{\alpha^2 + \beta^2}{\alpha\beta} + \frac{1}{\alpha\beta} \\ &= \frac{1}{2} - \frac{3}{\frac{1}{2}} + \frac{1}{\frac{1}{2}} \\ &= \frac{1}{2} - 6 + 2 \\ &= -\frac{7}{2} \end{aligned}$$
したがって、$p, q$ を解にもつ2次方程式の1つは、以下のように表される。
$$x^2 - (p+q)x + pq = 0$$
値を代入すると、以下のようになる。
$$x^2 + 2x - \frac{7}{2} = 0$$
両辺を2倍することで、問題文の形に合わせる。
$$2x^2 + 4x - 7 = 0$$
これより、ア、イの値が求まる。
次に、3次方程式 $2x^3 + ax + b = 0$ が $p, q$ を解にもつことを考える。 これは、多項式 $2x^3 + ax + b$ が $2x^2 + 4x - 7$ で割り切れることを意味する。 商は1次式であり、最高次の項の係数を比較すると商は $x + c$ ($c$ は定数) とおける。したがって、以下の恒等式が成り立つ。
$$2x^3 + ax + b = (2x^2 + 4x - 7)(x + c)$$
右辺を展開して整理する。
$$2x^3 + ax + b = 2x^3 + (2c + 4)x^2 + (4c - 7)x - 7c$$
両辺の係数を比較する。
$x^2$ の係数より:
$$0 = 2c + 4$$
$x$ の係数より:
$$a = 4c - 7$$
定数項より:
$$b = -7c$$
$2c + 4 = 0$ を解いて、$c = -2$ を得る。これを他の式に代入する。
$$a = 4(-2) - 7 = -15$$
$$b = -7(-2) = 14$$
これより、ウ、エの値が求まる。 また、3次方程式の左辺は $(2x^2 + 4x - 7)(x - 2) = 0$ と因数分解されるため、残る1つの実数解は $x - 2 = 0$ より $x = 2$ であることがわかる。これがオの値である。
解法2
前半のア、イの導出までは解法1と同じである。ここでは後半の3次方程式に関する部分を、3次方程式の解と係数の関係を用いて解く。
3次方程式 $2x^3 + 0x^2 + ax + b = 0$ の解は $p, q$ ともう1つの実数解である。この残る1つの実数解を $\gamma$ とおく。 3次方程式の解と係数の関係より、以下の3つの式が成り立つ。
$$p + q + \gamma = 0$$
$$pq + q\gamma + \gamma p = \frac{a}{2}$$
$$pq\gamma = -\frac{b}{2}$$
解法1で求めた通り、$p+q = -2, pq = -\frac{7}{2}$ である。これを1つ目の式に代入する。
$$-2 + \gamma = 0$$
よって、残る1つの解は $\gamma = 2$ である。これがオの値である。
次に、2つ目の式を変形して代入する。
$$\begin{aligned} \frac{a}{2} &= pq + \gamma(p + q) \\ &= -\frac{7}{2} + 2 \cdot (-2) \\ &= -\frac{15}{2} \end{aligned}$$
これより、$a = -15$ を得る。これがウの値である。
最後に、3つ目の式に代入する。
$$\begin{aligned} -\frac{b}{2} &= \left(-\frac{7}{2}\right) \cdot 2 \\ &= -7 \end{aligned}$$
これより、$b = 14$ を得る。これがエの値である。
解説
2次方程式の解と係数の関係を用いて対称式の値を計算する、典型的な問題である。分数を含む対称式の計算では、通分や基本対称式への書き換えを丁寧に行うことが求められる。
後半の3次方程式の条件の処理については、高次方程式の理論を活用する。ある方程式が特定の複数の解をもつとき、それらを解にもつ低次の方程式で割り切れる(因数定理の拡張)という性質に着目して恒等式を作る手法(解法1)と、高次方程式の解と係数の関係を直接適用する手法(解法2)のいずれも重要である。この問題のように $x^2$ の係数が $0$ であることに気づけば、解法2の解と係数の関係を用いるアプローチが計算量も少なく非常にスマートである。
答え
$[ア] \quad 4$
$[イ] \quad -7$
$[ウ] \quad -15$
$[エ] \quad 14$
$[オ] \quad 2$
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