数学2 高次方程式 問題 45 解説

方針・初手
(1) は基本的な3次式の展開公式の確認である。そのまま展開して整理する。 (2) は $\alpha^3$ と $\beta^3$ の和と積が分かるため、解と係数の関係を用いてそれらを解に持つ2次方程式を作成する。 (3) は (1) と (2) の誘導に乗る。与えられた3次方程式を (1) で得られた恒等式の形に見立てることで、因数分解を行う。
解法1
(1)
与式を展開して整理する。
$$\begin{aligned} (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca) &= a(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca) \\ &\quad + b(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca) \\ &\quad + c(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca) \\ &= a^3+ab^2+ac^2-a^2b-abc-ca^2 \\ &\quad + a^2b+b^3+bc^2-ab^2-b^2c-abc \\ &\quad + ca^2+cb^2+c^3-abc-bc^2-c^2a \\ &= a^3+b^3+c^3-3abc \end{aligned}$$
(2)
$\alpha\beta = 12$ の両辺を3乗する。
$$\alpha^3\beta^3 = 12^3 = 1728$$
また、$\alpha^3+\beta^3=91$ である。 したがって、$\alpha^3$ と $\beta^3$ は、$t$ についての2次方程式
$$t^2 - 91t + 1728 = 0$$
の2つの解である。
$1728 = 64 \times 27$ であり、$64+27 = 91$ であるから、この方程式は次のように因数分解できる。
$$(t-64)(t-27) = 0$$
これを解いて、$t = 27, 64$ となる。 すなわち、$\{\alpha^3, \beta^3\} = \{27, 64\}$ である。
$\alpha, \beta$ は実数であるから、それぞれの実数3乗根をとる。 $\alpha^3 = 27$ のとき、$\alpha = 3$ であり、このとき $\beta^3 = 64$ より $\beta = 4$ となる。 $\alpha^3 = 64$ のとき、$\alpha = 4$ であり、このとき $\beta^3 = 27$ より $\beta = 3$ となる。
いずれの場合も $\alpha\beta = 12$ を満たす。 したがって、求める実数の組は以下のようになる。
$$(\alpha, \beta) = (3, 4), (4, 3)$$
(3)
(1) の結果より、以下の恒等式が成り立つ。
$$a^3+b^3+c^3-3abc = (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)$$
この式において、$a=x, b=\alpha, c=\beta$ とおくと、
$$x^3+\alpha^3+\beta^3-3\alpha\beta x = (x+\alpha+\beta)(x^2+\alpha^2+\beta^2-\alpha x-\beta x-\alpha\beta)$$
となる。 (2) より、$\alpha, \beta$ は $\alpha\beta=12, \alpha^3+\beta^3=91$ を満たす実数である。これらを上式の左辺に代入すると、
$$x^3+91-36x = (x+\alpha+\beta)\{x^2 - (\alpha+\beta)x + \alpha^2-\alpha\beta+\beta^2\}$$
となり、左辺は与えられた3次方程式の左辺 $x^3-36x+91$ に一致する。
$(\alpha, \beta) = (3, 4)$ のとき、
$$\alpha+\beta = 7$$
$$\alpha^2-\alpha\beta+\beta^2 = 3^2 - 3 \cdot 4 + 4^2 = 9 - 12 + 16 = 13$$
となる。($(\alpha, \beta) = (4, 3)$ としても $\alpha$ と $\beta$ について対称な式であるため、同じ結果となる。)
これを代入すると、方程式 $x^3-36x+91=0$ は次のように因数分解される。
$$(x+7)(x^2-7x+13) = 0$$
したがって、
$$x+7 = 0 \quad \text{または} \quad x^2-7x+13 = 0$$
これを解いて、
$$x = -7, \frac{7 \pm \sqrt{(-7)^2 - 4 \cdot 1 \cdot 13}}{2} = \frac{7 \pm \sqrt{49 - 52}}{2} = \frac{7 \pm \sqrt{3}i}{2}$$
を得る。
解説
3次方程式の解の公式(カルダノの公式)の導出原理を背景とする問題である。 一般の3次方程式 $x^3+px+q=0$ は、因数分解の公式 $a^3+b^3+c^3-3abc = (a+b+c)(a^2+b^2+c^2-ab-bc-ca)$ を利用して解くことができる。 $a=x, b=u, c=v$ とおいて $x^3-3uvx+u^3+v^3=0$ とし、係数比較から $u, v$ を決定するというのが、本問の (2) と (3) の誘導の意図である。誘導の意図を正確に汲み取り、適切に文字を置き換えることが重要である。
答え
(1)
$$a^3+b^3+c^3-3abc$$
(2)
$$(\alpha, \beta) = (3, 4), (4, 3)$$
(3)
$$x = -7, \frac{7 \pm \sqrt{3}i}{2}$$
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