トップ 基礎問題 数学2 複素数と方程式 高次方程式 問題 53

数学2 高次方程式 問題 53 解説

数学2 高次方程式 問題 53 解説

方針・初手

本問は、すべて共通の3次多項式 $P(x)$ を用いた方程式に帰着するよう設計された誘導問題である。(1)で因数分解を行い $P(x) = 0$ の解と $P(x)$ の符号変化を調べる。(2)では指数関数、(3)では三角関数の置換によって、それぞれの式の中から $P(x) = 0$ の形を見出すことが鍵となる。

解法1

(1)

$P(x) = x^3 + x^2 - 8x - 12$ とする。 $P(-2) = -8 + 4 + 16 - 12 = 0$ より、因数定理から $P(x)$ は $x+2$ を因数にもつ。 因数分解すると、

$$P(x) = (x+2)(x^2 - x - 6) = (x+2)^2(x-3)$$

となる。 よって、$P(x) = 0$ の解は $x = -2, 3$ である。 $x = -2$ は2重解であるから、①は $-2$、②は $3$ である。

次に、方程式 $P(x) + |P(x)| = 0$ は、

$$|P(x)| = -P(x)$$

と変形できる。絶対値の性質より、これは $P(x) \le 0$ と同値である。 すなわち、

$$(x+2)^2(x-3) \le 0$$

実数の2乗は常に非負なので $(x+2)^2 \ge 0$ であることから、 $x = -2$ または $x-3 \le 0$ すなわち、$x \le 3$ である。 よって、③は $x \le 3$ である。

(2)

方程式 $2^{9t} + 2^{6t} - 2^{3t+3} - 12 = 0$ は、指数法則を用いて次のように書き換えられる。

$$(2^{3t})^3 + (2^{3t})^2 - 8 \cdot 2^{3t} - 12 = 0$$

$X = 2^{3t}$ とおくと、方程式は

$$X^3 + X^2 - 8X - 12 = 0$$

すなわち $P(X) = 0$ となる。 (1)の結果より $X = -2, 3$ であるが、$X > 0$ より $X = 3$ である。 したがって、

$$2^{3t} = 3$$

両辺の底が $2$ の対数をとると、

$$3t = \log_2 3$$

$$t = \frac{1}{3} \log_2 3$$

よって、④は $\frac{1}{3} \log_2 3$ である。

(3)

方程式 $3 \tan^3 \theta + \sqrt{3} \tan^2 \theta - 8 \tan \theta - 4\sqrt{3} = 0$ の両辺に $\sqrt{3}$ を掛けると、

$$3\sqrt{3} \tan^3 \theta + 3 \tan^2 \theta - 8\sqrt{3} \tan \theta - 12 = 0$$

となる。これは、

$$(\sqrt{3} \tan \theta)^3 + (\sqrt{3} \tan \theta)^2 - 8(\sqrt{3} \tan \theta) - 12 = 0$$

と変形できる。 $Y = \sqrt{3} \tan \theta$ とおくと、方程式は

$$Y^3 + Y^2 - 8Y - 12 = 0$$

すなわち $P(Y) = 0$ となる。 (1)の結果より $Y = -2, 3$ である。 すなわち、$\sqrt{3} \tan \theta = -2, 3$ より、

$$\tan \theta = -\frac{2}{\sqrt{3}}, \sqrt{3}$$

$0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ のとき $\tan \theta > 0$ であるから、$\tan \theta = \sqrt{3}$ のみが適する。 よって、この範囲の $\theta$ を求めると、

$$\theta = \frac{\pi}{3}$$

したがって、⑤は $\frac{\pi}{3}$ である。

解説

与えられた多項式 $P(x)$ に帰着させる典型的な誘導問題である。(2)と(3)では、どのような置換を行えば $P(x) = 0$ の形になるかを係数を見比べて見抜く必要がある。(3)において、定数項が $-4\sqrt{3}$ であることと $P(x)$ の定数項が $-12$ であることから、両辺に $\sqrt{3}$ を掛けるという発想に至れば、$Y = \sqrt{3}\tan\theta$ という置換に気付くことができる。

また、(1)の不等式処理で $P(x) \le 0$ を解く際、$(x+2)^2 \ge 0$ を常に満たすからといって両辺を安易に $(x+2)^2$ で割ってしまうと、孤立解である $x = -2$ を見落とす原因となる。本問では $x \le 3$ という範囲に $x = -2$ が包含されるため結果的に実害は出ないが、論理の欠陥につながるため正しく処理することが求められる。

答え

① $-2$

② $3$

③ $x \le 3$

④ $\frac{1}{3} \log_2 3$ ($\log_8 3$ なども可)

⑤ $\frac{\pi}{3}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。