数学2 高次方程式 問題 62 解説

方針・初手
(1) $f(f(x)) - x$ に $f(x) = ax^2 - b$ をそのまま代入して4次式を展開すると計算が煩雑になる。$f(f(x)) - x = \{f(f(x)) - f(x)\} + \{f(x) - x\}$ のように、あえて $f(x)$ を引いて足す変形を行うことで、差の平方の形を作り出し因数分解に持ち込むとよい。
(2) (1)の因数分解の結果から、$f(f(x)) - x = 0$ は2つの2次方程式に帰着する。それぞれが異なる2つの実数解をもつ条件(判別式)と、それらが共通解をもたない条件を調べる。
解法1
(1)
与えられた関数は $f(x) = ax^2 - b$ である。 式 $f(f(x)) - x$ を次のように変形する。
$$f(f(x)) - x = f(f(x)) - f(x) + f(x) - x$$
ここで、$f(f(x)) - f(x)$ について計算すると、
$$f(f(x)) - f(x) = \{a(f(x))^2 - b\} - (ax^2 - b)$$
$$= a\{(f(x))^2 - x^2\}$$
$$= a(f(x) - x)(f(x) + x)$$
となる。これを元の式に代入すると、
$$f(f(x)) - x = a(f(x) - x)(f(x) + x) + (f(x) - x)$$
$$= (f(x) - x)\{a(f(x) + x) + 1\}$$
となり、$f(f(x)) - x$ は $f(x) - x$ を因数にもつ。 したがって、$f(f(x)) - x$ は $f(x) - x$ で割り切れる。
(2)
(1)の結果より、方程式 $f(f(x)) - x = 0$ は次のように表される。
$$(f(x) - x)\{a(f(x) + x) + 1\} = 0$$
したがって、この方程式の解は以下の2つの方程式の解を合わせたものである。
$$f(x) - x = 0 \quad \cdots \text{①}$$
$$a(f(x) + x) + 1 = 0 \quad \cdots \text{②}$$
$f(x) = ax^2 - b$ を代入して整理する。 ①について、
$$ax^2 - x - b = 0$$
②について、
$$a(ax^2 - b + x) + 1 = 0$$
$$a^2x^2 + ax - ab + 1 = 0$$
方程式 $f(f(x)) - x = 0$ が異なる4つの実数解をもつための条件は、「2次方程式①と②がそれぞれ異なる2つの実数解をもち、かつ①と②が共通解をもたないこと」である。
まず、①の判別式を $D_1$ とすると、
$$D_1 = (-1)^2 - 4 \cdot a \cdot (-b) = 1 + 4ab$$
問題文より $a, b$ は正の定数であるから $1 + 4ab > 0$ となり、$D_1 > 0$ は常に成り立つ。 よって、①は常に異なる2つの実数解をもつ。
次に、②の判別式を $D_2$ とすると、
$$D_2 = a^2 - 4 \cdot a^2 \cdot (-ab + 1) = a^2(4ab - 3)$$
②が異なる2つの実数解をもつ条件は $D_2 > 0$ であり、$a^2 > 0$ であるから、
$$4ab - 3 > 0 \iff ab > \frac{3}{4}$$
さらに、①と②が共通解をもたないことを確認する。 ①と②が共通解 $\alpha$ をもつと仮定する。$\alpha$ は①の解であるから $f(\alpha) = \alpha$ を満たす。 これを②の式に代入すると、
$$a(\alpha + \alpha) + 1 = 0$$
$$2a\alpha + 1 = 0 \iff \alpha = -\frac{1}{2a}$$
これが①の解でもあるため、①に代入して整理する。
$$a\left(-\frac{1}{2a}\right)^2 - \left(-\frac{1}{2a}\right) - b = 0$$
$$\frac{1}{4a} + \frac{1}{2a} - b = 0$$
$$\frac{3}{4a} - b = 0 \iff 4ab = 3 \iff ab = \frac{3}{4}$$
ゆえに、$ab > \frac{3}{4}$ の条件下では共通解をもたないことが示された。
以上より、求める $a, b$ の条件は $ab > \frac{3}{4}$ である。
解説
合成関数 $f(f(x))$ に関する方程式は、そのまま展開すると高次方程式となり処理が困難になることが多い。本問のように $f(f(x)) - f(x)$ の形を作り出して差の平方を利用する変形は、2次関数の合成における非常に有効な定石である。 また、方程式の解の個数を論じる際には、単にそれぞれの判別式を調べるだけでなく、「共通解を持たないか」という点にまで注意を払う必要がある。
答え
(1) 略証(解答参照)
(2) $ab > \frac{3}{4}$
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