数学2 解と係数の関係 問題 15 解説

方針・初手
2次方程式の解に関する問題である。 (1) は判別式の符号を調べることで、実数解の個数を判定する。 (2) は「少なくとも1つは負」という結論を示すために、その否定である「ともに $0$ 以上」を仮定して背理法を用いるのが簡明である。解と係数の関係、または2次関数のグラフの配置条件を活用する。 (3) は与えられた条件から実数 $a$ のとりうる値の範囲(定義域)を特定したうえで、対称式を $a$ の2次関数として表し、その最大・最小を考える。
解法1
(1)
与えられた2次方程式 $x^2 + 2ax + (a-1) = 0$ の判別式を $D$ とする。
$$\frac{D}{4} = a^2 - 1 \cdot (a-1) = a^2 - a + 1$$
この式を平方完成すると、
$$\frac{D}{4} = \left( a - \frac{1}{2} \right)^2 + \frac{3}{4}$$
$a$ は実数であるから $\left( a - \frac{1}{2} \right)^2 \geqq 0$ であり、したがって常に $\frac{D}{4} > 0$ である。 判別式が正であるため、この2次方程式は異なる2つの実数解をもつ。よって、$\alpha$ と $\beta$ は異なる実数であることが示された。
(2)
解と係数の関係より、以下の等式が成り立つ。
$$\begin{aligned} \alpha + \beta &= -2a \\ \alpha \beta &= a - 1 \end{aligned}$$
ここで、$\alpha$ と $\beta$ がともに $0$ 以上であると仮定する。すなわち、$\alpha \geqq 0$ かつ $\beta \geqq 0$ と仮定する。 このとき、$\alpha + \beta \geqq 0$ かつ $\alpha \beta \geqq 0$ が成り立つので、上の関係式から以下の不等式を得る。
$$-2a \geqq 0 \quad \text{かつ} \quad a - 1 \geqq 0$$
これらを解くと、
$$a \leqq 0 \quad \text{かつ} \quad a \geqq 1$$
これを同時に満たす実数 $a$ は存在しないため、矛盾が生じる。 したがって仮定は誤りであり、$\alpha$ と $\beta$ のうち少なくとも1つは負であることが示された。
(3)
$\alpha \leqq 0$ かつ $\beta \leqq 0$ となるための $a$ の条件を求める。 これらが成り立つとき、$\alpha + \beta \leqq 0$ かつ $\alpha \beta \geqq 0$ であるから、
$$-2a \leqq 0 \quad \text{かつ} \quad a - 1 \geqq 0$$
これを解いて、
$$a \geqq 0 \quad \text{かつ} \quad a \geqq 1$$
よって、$a$ の満たすべき変域は $a \geqq 1$ である。 次に、求める式 $\alpha^2 + \beta^2$ を $a$ を用いて表す。
$$\begin{aligned} \alpha^2 + \beta^2 &= (\alpha + \beta)^2 - 2\alpha \beta \\ &= (-2a)^2 - 2(a - 1) \\ &= 4a^2 - 2a + 2 \end{aligned}$$
この式を $a$ について平方完成すると、
$$\alpha^2 + \beta^2 = 4 \left( a - \frac{1}{4} \right)^2 + \frac{7}{4}$$
これは $a = \frac{1}{4}$ を軸とする下に凸の2次関数である。 定義域 $a \geqq 1$ において、軸はこの範囲の左側にあるため、この関数は単調に増加する。 したがって、$a = 1$ のとき最小値をとる。
最小値は、
$$4 \cdot 1^2 - 2 \cdot 1 + 2 = 4$$
ゆえに、求める最小値は $4$ である。
解法2
(2) についての別解
$f(x) = x^2 + 2ax + a - 1$ とおく。 (1)より、関数 $y = f(x)$ のグラフは $x$ 軸と異なる2点で交わる。この2点の $x$ 座標が解 $\alpha, \beta$ である。 $\alpha$ と $\beta$ がともに $0$ 以上であると仮定する。 このとき、グラフは $x \geqq 0$ の範囲で $x$ 軸と交わる(または接する)ことになるため、グラフの軸の位置と $y$ 軸との交点について以下の条件をすべて満たす必要がある。
- 軸の位置:$-a > 0$
- $y$ 軸との交点:$f(0) \geqq 0$
(異なる2つの実数解をもつことは(1)で確認済みであり、一方が $0$ の場合も考慮して軸は正、端点は $0$ 以上とする)
これらを解くと、
$$a < 0 \quad \text{かつ} \quad a - 1 \geqq 0$$
すなわち、
$$a < 0 \quad \text{かつ} \quad a \geqq 1$$
これを同時に満たす実数 $a$ は存在しないため、矛盾が生じる。 したがって、$\alpha$ と $\beta$ がともに $0$ 以上となることはなく、少なくとも1つは負であることが示された。
解説
(1) は判別式を計算し、平方完成によって式が常に正の値をとることを示す定石通りの問題である。 (2) のように「少なくとも1つ」という条件の証明では、背理法を用いて否定を仮定すると考えやすくなる。「ともに $0$ 以上」と仮定して矛盾を導く方針が最も簡潔である。解法1のように解と係数の関係を用いても、解法2のように2次関数のグラフ(解の配置)として視覚的に捉えてもよい。 (3) は対称式の計算自体は平易であるが、条件 $\alpha \leqq 0, \beta \leqq 0$ から実数 $a$ の変域を正しく絞り込めるかがポイントとなる。変域を求めずに単なる2次関数の最小値と考えて頂点の値を答えてしまうミスが起きやすいため、定義域の確認を怠らないことが重要である。
答え
(1) 判別式が常に正となることから、異なる実数であることを示した。
(2) 背理法により、ともに $0$ 以上と仮定すると矛盾が生じることから示した。
(3) 最小値 $4$
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