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数学2 三角関数 問題 5 解説

数学2 三角関数 問題 5 解説

方針・初手

角度の部分が $4\theta - 60^\circ$ と複雑であるため、これを1つの文字 $x$ とおき、$x$ の変域を求める。 その変域内で方程式 $\sin x = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ を満たす $x$ の個数を数える。 $x$ の値が1つ定まると、それに対応する $\theta$ の値も $0^\circ \leqq \theta \leqq 360^\circ$ の範囲に1つ定まるため、$x$ の個数がそのまま求める $\theta$ の個数 $m$ となる。

解法1

$x = 4\theta - 60^\circ$ とおく。

与えられた $\theta$ の範囲は $0^\circ \leqq \theta \leqq 360^\circ$ である。 辺々を4倍すると、

$$0^\circ \leqq 4\theta \leqq 1440^\circ$$

各辺から $60^\circ$ を引くと、

$$-60^\circ \leqq 4\theta - 60^\circ \leqq 1380^\circ$$

すなわち、$x$ の取り得る値の範囲は

$$-60^\circ \leqq x \leqq 1380^\circ$$

となる。

この範囲内で、方程式 $\sin x = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ を解く。 $\sin x = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ を満たす動径の表す角は、$n$ を整数として以下の2系統で表される。

$$x = -60^\circ + 360^\circ n$$

または

$$x = 240^\circ + 360^\circ n$$

それぞれの系列について、$-60^\circ \leqq x \leqq 1380^\circ$ を満たす $x$ の個数を調べる。

(i) $x = -60^\circ + 360^\circ n$ の場合

$-60^\circ \leqq -60^\circ + 360^\circ n \leqq 1380^\circ$ を解く。 各辺に $60^\circ$ を加えると、

$$0^\circ \leqq 360^\circ n \leqq 1440^\circ$$

辺々を $360^\circ$ で割ると、

$$0 \leqq n \leqq 4$$

$n$ は整数であるから、$n = 0, 1, 2, 3, 4$ の5個存在する。

(ii) $x = 240^\circ + 360^\circ n$ の場合

$-60^\circ \leqq 240^\circ + 360^\circ n \leqq 1380^\circ$ を解く。 各辺から $240^\circ$ を引くと、

$$-300^\circ \leqq 360^\circ n \leqq 1140^\circ$$

辺々を $360^\circ$ で割ると、

$$-\frac{300}{360} \leqq n \leqq \frac{1140}{360}$$

$$-\frac{5}{6} \leqq n \leqq \frac{19}{6} = 3.16\dots$$

$n$ は整数であるから、$n = 0, 1, 2, 3$ の4個存在する。

(i)(ii) から求まる $x$ は互いに異なるため、解の総数は $5 + 4 = 9$ 個となる。

$x = 4\theta - 60^\circ$ は $\theta$ についての1次方程式であり、$x$ が1つ決まれば $\theta$ もただ1つ決まる。 したがって、与えられた等式を満たす $\theta$ は全部で9個ある。

よって、$m = 9$ である。

解法2

周期性とグラフを利用して解の個数を把握する方法である。

$x = 4\theta - 60^\circ$ とおくと、方程式は $\sin x = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ となり、$x$ の定義域は $-60^\circ \leqq x \leqq 1380^\circ$ である。

この区間の幅は $1380^\circ - (-60^\circ) = 1440^\circ = 360^\circ \times 4$ であり、正弦関数の周期 $360^\circ$ のちょうど4周期分にあたる。

1周期の区間を、右側の端点を含まない半開区間として分割して考える。 例えば $[-60^\circ, 300^\circ), [300^\circ, 660^\circ), [660^\circ, 1020^\circ), [1020^\circ, 1380^\circ)$ の4つの区間である。 これら4つの区間の和集合は $[-60^\circ, 1380^\circ)$ となり、本来の定義域の右端 $x=1380^\circ$ が欠けている状態となる。

半開区間の1周期分(たとえば $[-60^\circ, 300^\circ)$)において、$\sin x = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ を満たす解は $x = -60^\circ$ と $x = 240^\circ$ の2個存在する。 したがって、4周期分の半開区間 $[-60^\circ, 1380^\circ)$ には、解が $2 \times 4 = 8$ 個含まれる。

次に、除外していた右端 $x = 1380^\circ$ について調べる。

$$\sin 1380^\circ = \sin(360^\circ \times 4 - 60^\circ) = \sin(-60^\circ) = -\frac{\sqrt{3}}{2}$$

となり、右端の $x = 1380^\circ$ も方程式の解であることがわかる。

よって、元の閉区間 $[-60^\circ, 1380^\circ]$ 全体での解の個数は $8 + 1 = 9$ 個となる。

これらがそれぞれ異なる $\theta$ に対応するため、$m = 9$ である。

解説

三角方程式の解の個数を数える基本問題であるが、定義域の端点の扱いでミスを誘発しやすい構造になっている。 $x = 4\theta - 60^\circ$ と置換した際の定義域の幅が $1440^\circ$ となり、「周期 $360^\circ$ のちょうど4倍だから、1周期あたりの解の数 $2\text{個} \times 4\text{周期} = 8\text{個}$」と安易に答えてしまうと誤りとなる。 元の変数の変域が $0^\circ \leqq \theta \leqq 360^\circ$ と両端を含む閉区間であるため、置換後の変域も $-60^\circ \leqq x \leqq 1380^\circ$ という閉区間となる。このとき、両端の $x=-60^\circ$ と $x=1380^\circ$ の両方において $\sin x = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ が成立してしまうため、片方を重複して数え落とさないように注意が必要である。 解法1のように一般解の形を作って整数 $n$ の個数を数え上げる方法は、こうした直感的な数え落としを防ぐための確実な手段である。

答え

$9$

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