数学2 三角関数 問題 48 解説

方針・初手
まずは与えられた条件不等式 $\cos x - \cos 2x \geqq 0$ を解き、$x$ のとりうる値の範囲(実質的な定義域)を絞り込む。そのためには、倍角の公式を用いて三角関数の角を $x$ に、種類を $\cos$ に統一する。 その後、値の範囲を求めたい式 $\sin x + \sqrt{3} \cos x$ に対して三角関数の合成を行い、先ほど求めた $x$ の範囲における最大値と最小値を調べる。
解法1
条件の不等式 $\cos x - \cos 2x \geqq 0$ について考える。 倍角の公式 $\cos 2x = 2\cos^2 x - 1$ より、不等式は次のように変形できる。
$$\cos x - (2\cos^2 x - 1) \geqq 0$$
整理すると以下のようになる。
$$2\cos^2 x - \cos x - 1 \leqq 0$$
左辺を因数分解する。
$$(\cos x - 1)(2\cos x + 1) \leqq 0$$
すべての実数 $x$ において $-1 \leqq \cos x \leqq 1$ であることに注意してこの二次不等式を解くと、以下の範囲を得る。
$$-\frac{1}{2} \leqq \cos x \leqq 1$$
与えられた $x$ の範囲は $-\pi \leqq x < \pi$ であるから、この範囲で $\cos x \geqq -\frac{1}{2}$ を解くと、$x$ のとりうる値の範囲は次のようになる。
$$-\frac{2}{3}\pi \leqq x \leqq \frac{2}{3}\pi$$
次に、目的の式を $y = \sin x + \sqrt{3} \cos x$ とおき、三角関数の合成を行う。
$$y = 2 \left( \sin x \cdot \frac{1}{2} + \cos x \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} \right) = 2\sin\left(x + \frac{\pi}{3}\right)$$
ここで、$x$ の範囲から、合成後の角 $x + \frac{\pi}{3}$ のとりうる範囲を求める。
$$-\frac{2}{3}\pi + \frac{\pi}{3} \leqq x + \frac{\pi}{3} \leqq \frac{2}{3}\pi + \frac{\pi}{3}$$
$$-\frac{\pi}{3} \leqq x + \frac{\pi}{3} \leqq \pi$$
この範囲において、$\sin\left(x + \frac{\pi}{3}\right)$ がとりうる値の範囲を考える。 $x + \frac{\pi}{3} = \frac{\pi}{2}$ のとき最大値 $1$ をとり、$x + \frac{\pi}{3} = -\frac{\pi}{3}$ のとき最小値 $-\frac{\sqrt{3}}{2}$ をとるため、以下の不等式が成り立つ。
$$-\frac{\sqrt{3}}{2} \leqq \sin\left(x + \frac{\pi}{3}\right) \leqq 1$$
各辺を2倍する。
$$-\sqrt{3} \leqq 2\sin\left(x + \frac{\pi}{3}\right) \leqq 2$$
すなわち、求める範囲は以下のようになる。
$$-\sqrt{3} \leqq y \leqq 2$$
解説
三角関数を含む不等式の処理と、三角関数の合成を利用して値域を求める標準的な問題である。 前半の不等式を解く際は、角を $x$ に統一し、さらに三角関数の種類を $\cos$ に統一することが定石となる。途中で現れる $(\cos x - 1)(2\cos x + 1) \leqq 0$ の処理では、常に $\cos x \leqq 1$ であることを踏まえて正しく同値変形できているかが問われる。 後半は三角関数の合成を正しく行い、合成後の角度のとりうる範囲を正確に求めたうえで、単位円などをイメージしながら $\sin$ の最大値と最小値を読み取ることが重要である。端点の値だけでなく、途中で $\frac{\pi}{2}$ を経由するかどうかの確認を忘れないようにしたい。
答え
$-\sqrt{3} \leqq \sin x + \sqrt{3} \cos x \leqq 2$
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