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数学2 三角関数 問題 66 解説

数学2 三角関数 問題 66 解説

方針・初手

三角方程式 $\cos a\theta = \cos b\theta$ を解き、$\theta$ を $a, b$ を用いて表す。$\theta > 0$ における解を小さいものから順に調べ、$0 < \theta \leqq \pi$ の範囲にただ1つの解が存在するための条件を不等式で立式する。

解法1

方程式 $\cos a\theta = \cos b\theta$ は、差の形に変形して

$$\cos a\theta - \cos b\theta = 0$$

和と差の積の公式を用いて

$$-2 \sin \frac{(a+b)\theta}{2} \sin \frac{(a-b)\theta}{2} = 0$$

よって、$\sin \frac{(a+b)\theta}{2} = 0$ または $\sin \frac{(a-b)\theta}{2} = 0$ である。

もし $a=b$ であれば、与式は常に $\cos a\theta = \cos a\theta$ となり、$0 < \theta \leqq \pi$ を満たす $\theta$ は無数に存在するため、条件を満たさない。 したがって $a \neq b$ である。

$m, n$ を整数として、方程式の解は

$$\frac{(a+b)\theta}{2} = m\pi \quad \text{または} \quad \frac{(a-b)\theta}{2} = n\pi$$

$$\theta = \frac{2m\pi}{a+b} \quad \text{または} \quad \theta = \frac{2n\pi}{a-b}$$

と表せる。問題文の条件より $a > 0, b > 0$ かつ $a \neq b$ であるから、$a+b > 0, |a-b| > 0$ である。 $\theta > 0$ となる解は、$m, n$ を正の整数として

$$\theta = \frac{2m\pi}{a+b}, \frac{2n\pi}{|a-b|}$$

となる。

ここで、$a,b > 0$ より $a+b > |a-b| > 0$ であるから、正の解全体の中で最小のものは $m=1$ に対応する $\theta = \frac{2\pi}{a+b}$ である。

条件 (*) 「$0 < \theta \leqq \pi$ となる $\theta$ がちょうど1つある」を満たすためには、最小の解がこの範囲に含まれ、かつそれ以外のすべての解が $\pi$ より大きくなればよい。 それ以外の解として最小となり得る候補は、$m=2$ のときの $\frac{4\pi}{a+b}$ と、$n=1$ のときの $\frac{2\pi}{|a-b|}$ である。 したがって、求める条件は

$$\frac{2\pi}{a+b} \leqq \pi \quad \text{かつ} \quad \frac{4\pi}{a+b} > \pi \quad \text{かつ} \quad \frac{2\pi}{|a-b|} > \pi$$

となる。これを整理すると

$$a+b \geqq 2 \quad \text{かつ} \quad a+b < 4 \quad \text{かつ} \quad |a-b| < 2$$

すなわち、

$$2 \leqq a+b < 4 \quad \text{かつ} \quad -2 < a-b < 2$$

である。

(注) もし $\frac{4\pi}{a+b} = \frac{2\pi}{|a-b|}$ のように複数の式が同じ値の解を与えたとしても、すでにそれより小さな解 $\frac{2\pi}{a+b}$ が存在するため、$0 < \theta \leqq \pi$ の範囲に解が少なくとも2つ(値の種類としても2つ以上)存在することになり、条件を満たさない。したがって、解の大小関係のみに注目する上記の手順で必要十分である。

解法2

$a, b$ について対称であるから、一般性を失わず $a > b > 0$ として考える。($a=b$ は無数に解を持ち不適)

$\theta$ が $0 < \theta \leqq \pi$ の範囲を動くとき、角 $a\theta, b\theta$ はそれぞれ $0 < a\theta \leqq a\pi, 0 < b\theta \leqq b\pi$ の範囲を動く。 $\cos a\theta = \cos b\theta$ となる条件は、一般角を用いて

$$a\theta = 2k\pi \pm b\theta \quad (k \text{ は整数})$$

と表される。 $a > b > 0$ および $\theta > 0$ より、

$$(a-b)\theta = 2k\pi \quad (k = 1, 2, 3, \dots)$$

または

$$(a+b)\theta = 2k\pi \quad (k = 1, 2, 3, \dots)$$

となる。 解の候補は

$$\theta = \frac{2\pi}{a-b}, \frac{4\pi}{a-b}, \dots$$

$$\theta = \frac{2\pi}{a+b}, \frac{4\pi}{a+b}, \dots$$

であり、$a+b > a-b > 0$ であることから、最小の解は $\frac{2\pi}{a+b}$ となる。

これが $0 < \theta \leqq \pi$ の範囲にある唯一の解であるためには、

$$\frac{2\pi}{a+b} \leqq \pi \quad \text{かつ} \quad \frac{4\pi}{a+b} > \pi \quad \text{かつ} \quad \frac{2\pi}{a-b} > \pi$$

が成り立つことが必要十分である。 よって、

$$2 \leqq a+b < 4 \quad \text{かつ} \quad a-b < 2$$

$a < b$ の場合も対称性から $b-a < 2$ となり、まとめると

$$2 \leqq a+b < 4 \quad \text{かつ} \quad |a-b| < 2$$

を得る。

解説

三角方程式の解の個数を問う問題である。和と差の積の公式や一般角の性質を用いて $\theta$ を具体的に書き下し、不等式で評価するのが定石である。 解が「ちょうど1つ」という条件を、「すべての解を小さい順に並べたとき、最小の解が範囲内にあり、2番目に小さい解の候補が範囲外にある」と言い換えることが最大のポイントである。

答え

求める $(a,b)$ の範囲は

$$2 \leqq a+b < 4 \quad \text{かつ} \quad -2 < a-b < 2$$

これを座標平面上に図示すると、4点 $(2,0), (3,1), (1,3), (0,2)$ を頂点とする長方形の内部となる。

ただし、境界線については、線分 $(2,0)-(0,2)$ の部分は含み(両端の点は含まない)、それ以外の境界線および頂点はすべて含まない。

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