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数学2 三角関数 問題 77 解説

数学2 三角関数 問題 77 解説

方針・初手

タンジェントの加法定理と2倍角の公式を用いて、与えられた条件(A)を $p, q$ の関係式に翻訳する。得られた関係式を $p$ について解き、自然数という条件から $q$ の候補を絞り込んでいくのが定石である。途中で $\tan 2\beta$ が定義されない場合($q=1$)の吟味を忘れないよう注意する。

解法1

(1)

まず、$q=1$ のときを考える。 $\tan \beta = 1$ より $\beta = \frac{\pi}{4} + n\pi$ ($n$ は整数)である。 このとき $2\beta = \frac{\pi}{2} + 2n\pi$ となるから、条件(A)の左辺は

$$\tan(\alpha + 2\beta) = \tan \left( \alpha + \frac{\pi}{2} + 2n\pi \right) = \tan \left( \alpha + \frac{\pi}{2} \right) = -\frac{1}{\tan \alpha} = -p$$

となる。条件(A)より $-p = 2$ すなわち $p = -2$ となるが、これは $p$ が自然数であることに反する。 よって $q \neq 1$ であり、$q$ は自然数だから $q \geqq 2$ となる。 したがって $\tan 2\beta$ は定義され、2倍角の公式より

$$\tan 2\beta = \frac{2\tan \beta}{1 - \tan^2 \beta} = \frac{\frac{2}{q}}{1 - \frac{1}{q^2}} = \frac{2q}{q^2 - 1}$$

となる。次に、加法定理を用いて $\tan(\alpha + 2\beta)$ を展開すると

$$\tan(\alpha + 2\beta) = \frac{\tan \alpha + \tan 2\beta}{1 - \tan \alpha \tan 2\beta} = \frac{\frac{1}{p} + \frac{2q}{q^2-1}}{1 - \frac{1}{p} \cdot \frac{2q}{q^2-1}} = \frac{q^2 - 1 + 2pq}{p(q^2 - 1) - 2q}$$

となる。条件(A)よりこれが $2$ に等しいから

$$\frac{q^2 - 1 + 2pq}{p(q^2 - 1) - 2q} = 2$$

分母を払って整理する。

$$q^2 - 1 + 2pq = 2p(q^2 - 1) - 4q$$

$$2p(q^2 - q - 1) = q^2 + 4q - 1$$

$q \leqq 3$ のとき、$q \geqq 2$ と合わせて $q=2, 3$ である。

(i) $q=2$ のとき $2p(4 - 2 - 1) = 4 + 8 - 1$ より $2p = 11$ となる。これを満たす自然数 $p$ は存在しない。

(ii) $q=3$ のとき $2p(9 - 3 - 1) = 9 + 12 - 1$ より $10p = 20$ となり、$p = 2$ となる。これは自然数であり適する。

以上より、求める組は $(p, q) = (2, 3)$ である。

(2)

(1) で得られた式を変形すると

$$2p = \frac{q^2 + 4q - 1}{q^2 - q - 1} = \frac{(q^2 - q - 1) + 5q}{q^2 - q - 1} = 1 + \frac{5q}{q^2 - q - 1}$$

となる。$q \geqq 2$ のとき $q^2 - q - 1 = q(q - 1) - 1 > 0$ であるため、この変形は妥当である。 $p$ が自然数であるとき、$2p$ は $2$ 以上の整数となる。 ここで、$q > 3$、すなわち $q \geqq 4$ のときを考える。 $q \geqq 4$ では常に $\frac{5q}{q^2 - q - 1} > 0$ であるから、$2p > 1$ となる。 次に、$\frac{5q}{q^2 - q - 1} < 1$ となる条件を考える。

$$5q < q^2 - q - 1$$

$$q^2 - 6q - 1 > 0$$

$q^2 - 6q - 1 = (q - 3)^2 - 10$ であるから、 $q = 6$ のとき $(6-3)^2 - 10 = -1 < 0$ $q = 7$ のとき $(7-3)^2 - 10 = 6 > 0$ したがって、$q \geqq 7$ のとき $q^2 - 6q - 1 > 0$ が成り立ち、$0 < \frac{5q}{q^2 - q - 1} < 1$ となる。 このとき、

$$1 < 2p = 1 + \frac{5q}{q^2 - q - 1} < 2$$

となり、$2p$ は整数にならないため、条件を満たす自然数 $p$ は存在しない。 残る $q = 4, 5, 6$ の場合を検証する。

(i) $q = 4$ のとき

$$2p = 1 + \frac{20}{16 - 4 - 1} = 1 + \frac{20}{11} = \frac{31}{11}$$

となり不適。

(ii) $q = 5$ のとき

$$2p = 1 + \frac{25}{25 - 5 - 1} = 1 + \frac{25}{19} = \frac{44}{19}$$

となり不適。

(iii) $q = 6$ のとき

$$2p = 1 + \frac{30}{36 - 6 - 1} = 1 + \frac{30}{29} = \frac{59}{29}$$

となり不適。

以上より、$q > 3$ で条件を満たす自然数 $p, q$ の組は存在しない。

解説

タンジェントの加法定理を用いて、角度の条件を自然数 $p, q$ の不定方程式に変換する問題である。 方程式を導出する際、$\tan 2\beta$ や $\tan(\alpha+2\beta)$ が定義されないケース(分母が $0$ になるケース)の確認を怠りやすいので注意が必要である。本問では $q=1$ のときがそれに該当する。 (2)の不定方程式の処理では、分数式 $\frac{\text{分子}}{\text{分母}}$ の次数を下げて「多項式+$\frac{\text{余り}}{\text{分母}}$」の形に分解し、取りうる値の範囲を絞り込む手法が有効である。これは整数問題における典型的なアプローチである。

答え

(1)

$(p, q) = (2, 3)$

(2)

解法1に示した通り、条件を満たす自然数 $p, q$ の組は存在しないことを証明した。

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