トップ 基礎問題 数学2 三角関数 三角関数 問題 80

数学2 三角関数 問題 80 解説

数学2 三角関数 問題 80 解説

方針・初手

与えられた方程式 $\cos x + \cos 2x + \cos 3x = 0$ は、角度が $x, 2x, 3x$ と異なっている。これらを処理して因数分解に持ち込むのが基本方針である。

主に2つのアプローチが考えられる。 1つ目は、和を積に直す公式を用いて共通因数を作り出す方法である。$\cos x$ と $\cos 3x$ の和に着目すると、角度の平均が $2x$ となり、$\cos 2x$ という共通因数が現れる。 2つ目は、倍角の公式と3倍角の公式を用いて、すべて $\cos x$ の式に統一する方法である。$\cos x$ についての3次方程式に帰着されるため、因数定理などで解くことができる。

解法1

和を積に直す公式を利用する。

与えられた方程式の $\cos x$ と $\cos 3x$ の和について、公式 $\cos A + \cos B = 2\cos\frac{A+B}{2}\cos\frac{A-B}{2}$ を適用すると、

$$\cos 3x + \cos x = 2\cos\left(\frac{3x+x}{2}\right)\cos\left(\frac{3x-x}{2}\right) = 2\cos 2x \cos x$$

となる。これを与えられた方程式に代入すると、

$$2\cos 2x \cos x + \cos 2x = 0$$

共通因数 $\cos 2x$ でくくると、

$$\cos 2x (2\cos x + 1) = 0$$

したがって、方程式は次の2つの条件に分けられる。

$$\cos 2x = 0 \quad \cdots \text{①}$$

$$\cos x = -\frac{1}{2} \quad \cdots \text{②}$$

$0 \leqq x < 2\pi$ であるから、①について、角 $2x$ の取り得る範囲は $0 \leqq 2x < 4\pi$ となる。この範囲で $\cos 2x = 0$ を解くと、

$$2x = \frac{\pi}{2}, \frac{3}{2}\pi, \frac{5}{2}\pi, \frac{7}{2}\pi$$

ゆえに、

$$x = \frac{\pi}{4}, \frac{3}{4}\pi, \frac{5}{4}\pi, \frac{7}{4}\pi$$

次に、②について、$0 \leqq x < 2\pi$ の範囲で $\cos x = -\frac{1}{2}$ を解くと、

$$x = \frac{2}{3}\pi, \frac{4}{3}\pi$$

以上より、求める $x$ の値はこれらをすべて合わせたものとなる。

解法2

倍角・3倍角の公式を利用する。

$\cos 2x$ と $\cos 3x$ を $\cos x$ で表すと、以下のようになる。

$$\cos 2x = 2\cos^2 x - 1$$

$$\cos 3x = 4\cos^3 x - 3\cos x$$

これを与えられた方程式に代入して整理する。

$$\cos x + (2\cos^2 x - 1) + (4\cos^3 x - 3\cos x) = 0$$

$$4\cos^3 x + 2\cos^2 x - 2\cos x - 1 = 0$$

$\cos x = t$ とおくと、$0 \leqq x < 2\pi$ より $-1 \leqq t \leqq 1$ である。方程式は $t$ の3次方程式となる。

$$4t^3 + 2t^2 - 2t - 1 = 0$$

左辺を因数分解する。前2項と後ろ2項でそれぞれくくると、

$$2t^2(2t + 1) - (2t + 1) = 0$$

$$(2t^2 - 1)(2t + 1) = 0$$

したがって、

$$t = \pm\frac{1}{\sqrt{2}}, -\frac{1}{2}$$

これらはすべて $-1 \leqq t \leqq 1$ を満たす。$t = \cos x$ に戻して各場合について解く。$0 \leqq x < 2\pi$ であることに注意する。

($\text{i}$) $\cos x = \pm\frac{1}{\sqrt{2}}$ のとき

$$x = \frac{\pi}{4}, \frac{3}{4}\pi, \frac{5}{4}\pi, \frac{7}{4}\pi$$

($\text{ii}$) $\cos x = -\frac{1}{2}$ のとき

$$x = \frac{2}{3}\pi, \frac{4}{3}\pi$$

以上より、求める $x$ の値はこれらをすべて合わせたものとなる。

解説

三角方程式を解く上で基本となる、角度を揃えるか、あるいは積の形(因数分解)に持ち込むかという2つの定石を確認できる良問である。

解法1の和積の公式を用いる方法は、計算量が少なく見通しが良いため、実戦ではこちらを優先して選択したい。「項数が3つで角度が等差数列をなしている」場合は、両端の項(今回であれば $\cos x$ と $\cos 3x$)に和積の公式を用いることで、真ん中の項と同じ角度の共通因数が現れるというテクニックは非常によく用いられる。

解法2は公式の暗記に頼る部分が大きく、高次方程式の因数分解の手間もかかるが、確実に解に辿り着ける汎用性の高い方法である。どちらの解法でも、$\cos 2x = 0$ などの三角方程式を解く際に、角度の変域を正確に把握して解の漏れがないように注意する必要がある。

答え

$x = \frac{\pi}{4}, \frac{2}{3}\pi, \frac{3}{4}\pi, \frac{5}{4}\pi, \frac{4}{3}\pi, \frac{7}{4}\pi$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。