数学2 三角関数 問題 96 解説

方針・初手
角度の条件が与えられており、辺の長さの不等式を示す問題であるため、正弦定理を用いて辺の長さを角の正弦(サイン)で表すことを考える。与えられた角の関係式から一方の角を文字でおき、その取りうる値の範囲に注意しながら、3倍角の公式を用いて式変形を進める。
解法1
$\angle\text{ABC} = \theta$ とおくと、条件より $\angle\text{ACB} = 3\theta$ である。
三角形の内角の和は $\pi$($180^\circ$)であり、それぞれの角の大きさは正であるから、
$$ \theta + 3\theta < \pi $$
が成り立つ。これより、$4\theta < \pi$ すなわち $0 < \theta < \frac{\pi}{4}$ である。
三角形 $\text{ABC}$ において正弦定理を用いると、
$$ \frac{b}{\sin\theta} = \frac{c}{\sin3\theta} $$
が成り立つ。これを $c$ について解くと、
$$ c = \frac{\sin3\theta}{\sin\theta} b $$
となる。ここで、正弦の3倍角の公式 $\sin3\theta = 3\sin\theta - 4\sin^3\theta$ を用いると、
$$ c = \frac{3\sin\theta - 4\sin^3\theta}{\sin\theta} b $$
$$ c = (3 - 4\sin^2\theta) b $$
と変形できる。
$0 < \theta < \frac{\pi}{4}$ より、$0 < \sin\theta < \frac{1}{\sqrt{2}}$ であるから、
$$ 0 < \sin^2\theta < \frac{1}{2} $$
である。したがって、$4\sin^2\theta > 0$ であり、
$$ 3 - 4\sin^2\theta < 3 $$
が成り立つ。辺の長さ $b$ は正($b > 0$)であるから、両辺に $b$ を掛けても不等号の向きは変わらず、
$$ (3 - 4\sin^2\theta) b < 3b $$
となる。ゆえに、
$$ c < 3b $$
が示された。
解説
角度の条件式から正弦定理を用いて辺の条件に変換し、3倍角の公式を利用するという、三角関数の図形への応用の基本が詰まった問題である。 最初のおきかえで $\theta$ の取りうる値の範囲を正しく求めておくことが、不等式を正しく評価するうえで極めて重要となる。$\theta$ の範囲を求め忘れると、最後の上限の評価ができなくなるため注意したい。
答え
$c < 3b$ が成り立つことが示された。
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