数学2 三角関数 問題 101 解説

方針・初手
(1) は、与えられた $\alpha = \frac{2\pi}{7}$ という条件から $7\alpha = 2\pi$ を導き、これを $4\alpha$ と $3\alpha$ に分けることで角の変換を行う。 (2) は、(1) で得られた等式を $\cos\alpha$ についての多項式で表す。倍角の公式および三倍角の公式を用いて整理し、因数分解を行う。 (3) は、背理法を用いて証明する。$\cos\alpha$ が有理数であると仮定し、(2) の方程式から矛盾を導く(いわゆる有理根定理の考え方を用いる)。
解法1
(1)
$\alpha = \frac{2\pi}{7}$ より、$7\alpha = 2\pi$ である。
これを変形すると、$4\alpha = 2\pi - 3\alpha$ となる。
両辺の余弦をとると、
$$\cos 4\alpha = \cos(2\pi - 3\alpha)$$
となる。ここで、$\cos(2\pi - \theta) = \cos\theta$ であるから、
$$\cos 4\alpha = \cos 3\alpha$$
が成り立つ。(証明終)
(2)
$x = \cos\alpha$ とおく。倍角の公式および三倍角の公式より、
$$\cos 2\alpha = 2x^2 - 1$$
$$\cos 3\alpha = 4x^3 - 3x$$
となる。さらに $\cos 4\alpha$ は、倍角の公式を用いて次のように表せる。
$$\begin{aligned} \cos 4\alpha &= 2\cos^2 2\alpha - 1 \\ &= 2(2x^2 - 1)^2 - 1 \\ &= 2(4x^4 - 4x^2 + 1) - 1 \\ &= 8x^4 - 8x^2 + 1 \end{aligned}$$
(1) の結果 $\cos 4\alpha = \cos 3\alpha$ より、
$$8x^4 - 8x^2 + 1 = 4x^3 - 3x$$
これを整理して、
$$8x^4 - 4x^3 - 8x^2 + 3x + 1 = 0$$
となる。左辺は $x = 1$ を代入すると $8 - 4 - 8 + 3 + 1 = 0$ となるため、因数定理により $x - 1$ を因数にもつ。組み立て除法などを用いて因数分解すると、
$$(x - 1)(8x^3 + 4x^2 - 4x - 1) = 0$$
を得る。ここで、$\alpha = \frac{2\pi}{7}$ は $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$ を満たすため、$0 < \cos\alpha < 1$ であり、$x \neq 1$ である。
したがって、$x - 1 \neq 0$ であり、両辺を $x - 1$ で割ることで、
$$8x^3 + 4x^2 - 4x - 1 = 0$$
を得る。これは $f(x) = 8x^3 + 4x^2 - 4x - 1$ としたとき、$f(\cos\alpha) = 0$ が成り立つことを示している。(証明終)
(3)
$\cos\alpha$ が有理数であると仮定し、背理法で証明する。
$\cos\alpha$ は正の有理数であるから、互いに素な自然数 $p, q$ を用いて $\cos\alpha = \frac{q}{p}$ と表せる。
(2) より $f\left(\frac{q}{p}\right) = 0$ が成り立つので、
$$8\left(\frac{q}{p}\right)^3 + 4\left(\frac{q}{p}\right)^2 - 4\left(\frac{q}{p}\right) - 1 = 0$$
となる。両辺に $p^3$ を掛けて整理すると、
$$8q^3 + 4pq^2 - 4p^2q - p^3 = 0$$
となる。これを次のように変形する。
$$p^3 = 4q(2q^2 + pq - p^2)$$
右辺は $q$ の倍数であるから、左辺の $p^3$ も $q$ の倍数である。しかし、$p$ と $q$ は互いに素であるから、$p^3$ と $q$ も互いに素である。これが成り立つためには、$q = 1$ でなければならない。($p, q$ は自然数)
$q = 1$ を代入してさらに整理すると、
$$8 + 4p - 4p^2 - p^3 = 0$$
これを変形して、
$$8 = p(p^2 + 4p - 4)$$
を得る。右辺は $p$ の倍数であるから、左辺の $8$ も $p$ の倍数である。よって、$p$ は $8$ の正の約数、すなわち $p = 1, 2, 4, 8$ のいずれかである。
$q = 1$ であるから、$\cos\alpha = \frac{1}{p}$ の候補は $1, \frac{1}{2}, \frac{1}{4}, \frac{1}{8}$ となる。
それぞれが $f(x) = 0$ を満たすか確認する。
- $x = 1$ のとき、$f(1) = 8 + 4 - 4 - 1 = 7 \neq 0$
- $x = \frac{1}{2}$ のとき、$f\left(\frac{1}{2}\right) = 1 + 1 - 2 - 1 = -1 \neq 0$
- $x = \frac{1}{4}$ のとき、$f\left(\frac{1}{4}\right) = \frac{1}{8} + \frac{1}{4} - 1 - 1 = -\frac{13}{8} \neq 0$
- $x = \frac{1}{8}$ のとき、$f\left(\frac{1}{8}\right) = \frac{1}{64} + \frac{1}{16} - \frac{1}{2} - 1 = -\frac{91}{64} \neq 0$
いずれの場合も $f(x) = 0$ を満たさないため、矛盾が生じる。
したがって、仮定は誤りであり、$\cos\alpha$ は無理数である。(証明終)
解説
正七角形に関する角度 $\alpha = \frac{2\pi}{7}$ についての典型的な問題である。 (1), (2) は $n\alpha = 2\pi$ を利用して $\cos\alpha$ を解にもつ多項式(チェビシェフ多項式に関連する)を導出する定石である。 (3) は整数係数多項式の有理数解に関する「有理根定理」の証明の枠組みを、具体的な係数に対して実行する問題となっている。有理数解が存在するとすれば、$x = \frac{(\text{定数項の約数})}{(\text{最高次係数の約数})}$ の形に限られるという事実を知っていると、背理法の見通しが立てやすい。
答え
(1) 題意の通り証明された。
(2) 題意の通り証明された。
(3) 題意の通り証明された。
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