数学2 三角関数 問題 108 解説

方針・初手
与えられた数列の一般項 $a_n = \cos(2^{n-1}\theta)$ を用いて、隣接2項間の関係式(漸化式)を導くことが初手である。これはコサインの倍角の公式を用いることで容易に導出できる。(1)と(2)は導かれた漸化式を中心として数列の値を考え、(3)と(4)は数列の一般項を直接用いて三角方程式を立てて解の個数を数え上げる方針をとる。
解法1
(1) 与えられた定義より $a_1 = \cos\theta$、$a_2 = \cos(2\theta)$ である。 倍角の公式 $\cos(2\theta) = 2\cos^2\theta - 1$ を用いると、
$$a_2 = 2a_1^2 - 1$$
となる。 同様に、任意の1以上の整数 $n$ について、$a_n = \cos(2^{n-1}\theta)$ であり、 $a_{n+1} = \cos(2^n\theta) = \cos(2 \cdot 2^{n-1}\theta)$ である。 倍角の公式を用いることで、
$$a_{n+1} = 2\cos^2(2^{n-1}\theta) - 1 = 2a_n^2 - 1$$
を得る。
(2) 1以上のすべての整数 $n$ について $a_n$ が同じ値をとるとき、$a_1 = a_2$ である。 (1)の結果を用いると、
$$a_1 = 2a_1^2 - 1$$
$$2a_1^2 - a_1 - 1 = 0$$
$$(2a_1 + 1)(a_1 - 1) = 0$$
これを解いて、$a_1 = 1, -\frac{1}{2}$ となる。 逆にこれらの値をとるとき、漸化式 $a_{n+1} = 2a_n^2 - 1$ から帰納的にすべての $n$ に対して $a_n = a_1$ となるため条件を満たす。
次に、$a_1 \neq a_2$ かつ、2以上のすべての整数 $n$ に対して $a_n$ が同じ値をとる場合を考える。 このとき $a_2 = a_3$ となるため、先ほどと同様にして $a_2 = 1$ または $a_2 = -\frac{1}{2}$ を得る。
(i) $a_2 = 1$ のとき $a_2 = 2a_1^2 - 1 = 1$ より、$a_1^2 = 1$、すなわち $a_1 = \pm 1$ となる。 条件 $a_1 \neq a_2$ を満たすのは $a_1 = -1$ である。 このとき、値の組は $(a_1, a_2) = (-1, 1)$ となる。
(ii) $a_2 = -\frac{1}{2}$ のとき $a_2 = 2a_1^2 - 1 = -\frac{1}{2}$ より、$2a_1^2 = \frac{1}{2}$ から $a_1^2 = \frac{1}{4}$ となり、$a_1 = \pm \frac{1}{2}$ となる。 条件 $a_1 \neq a_2$ を満たすのは $a_1 = \frac{1}{2}$ である。 このとき、値の組は $(a_1, a_2) = \left(\frac{1}{2}, -\frac{1}{2}\right)$ となる。
以上より、求める値の組は $(-1, 1), \left(\frac{1}{2}, -\frac{1}{2}\right)$ である。
(3) 数列の定義より、$a_4 = \cos(2^3\theta) = \cos(8\theta)$ である。 $a_4 = 1$ となるとき、$\cos(8\theta) = 1$ が成り立つ。 これを満たす $8\theta$ は整数 $m$ を用いて $8\theta = 2m\pi$ と表せるため、
$$\theta = \frac{m}{4}\pi$$
となる。 $\theta$ は $0 \leqq \theta \leqq \pi$ を満たすので、
$$0 \leqq \frac{m}{4}\pi \leqq \pi$$
$$0 \leqq m \leqq 4$$
$m$ は整数であるから、$m = 0, 1, 2, 3, 4$ の 5 個の値をとりうる。 したがって、$a_4 = 1$ となる $\theta$ の値の個数は 5 である。
(4) (3)と同様にして、$a_k = 1$ となるのは $\cos(2^{k-1}\theta) = 1$ のときである。 整数 $m$ を用いて $2^{k-1}\theta = 2m\pi$ と表せるので、
$$\theta = \frac{2m}{2^{k-1}}\pi = \frac{m}{2^{k-2}}\pi$$
となる。$0 \leqq \theta \leqq \pi$ の条件より、
$$0 \leqq \frac{m}{2^{k-2}}\pi \leqq \pi$$
$$0 \leqq m \leqq 2^{k-2}$$
これを満たす整数 $m$ の個数は、$2^{k-2} - 0 + 1 = 2^{k-2} + 1$ 個である。
次に、$a_k = 0$ となるのは $\cos(2^{k-1}\theta) = 0$ のときである。 これを満たす角は、整数 $m$ を用いて $2^{k-1}\theta = \frac{\pi}{2} + m\pi = \frac{2m+1}{2}\pi$ と表せる。よって、
$$\theta = \frac{2m+1}{2^k}\pi$$
となる。$0 \leqq \theta \leqq \pi$ の条件より、
$$0 \leqq \frac{2m+1}{2^k}\pi \leqq \pi$$
$$0 \leqq 2m+1 \leqq 2^k$$
$$-\frac{1}{2} \leqq m \leqq 2^{k-1} - \frac{1}{2}$$
これを満たす整数 $m$ の値は $m = 0, 1, 2, \dots, 2^{k-1} - 1$ である。 したがって、その個数は $(2^{k-1} - 1) - 0 + 1 = 2^{k-1}$ 個である。
解説
倍角公式を利用して数列の漸化式を構成する、チェビシェフの多項式に関連する典型的な問題である。 (1)と(2)では漸化式に基づいて前項の値を逆算し、(3)と(4)では一般項から直接三角方程式を解いて個数を数え上げている。 (4)において解の個数を求める際は、立式した不等式に対して整数 $m$ がどの範囲を動くのかを正確に把握することが重要である。特に両端の等号の有無に注意し、数え落としや過剰なカウントをしないように慎重に処理したい。
答え
ア:$2a_1^2 - 1$
イ:$2a_n^2 - 1$
ウ:$1, -\frac{1}{2}$
エ:$(-1, 1), \left(\frac{1}{2}, -\frac{1}{2}\right)$
オ:$5$
カ:$2^{k-2} + 1$
キ:$2^{k-1}$
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