数学2 面積・接線 問題 6 解説

方針・初手
3次関数と原点を通る直線の共有点が2個になる条件を求める。共有点が2個になるのは、直線が3次曲線に接し、かつ接点以外の共有点を1つ持つときである。直線を接線として捉えて接点から求める方法(解法1)と、3次方程式が重解を持つ条件として処理する方法(解法2)がある。
解法1
(1)
曲線の方程式を $f(x) = x^3 - 5x + 2$ とおく。
導関数は $f'(x) = 3x^2 - 5$ である。
曲線上の点 $(t, t^3 - 5t + 2)$ における接線の方程式は、
$$y - (t^3 - 5t + 2) = (3t^2 - 5)(x - t)$$
$$y = (3t^2 - 5)x - 2t^3 + 2$$
この接線が原点を通るとき、直線 $y = ax$ に一致し得る。原点を通る条件は $y$ 切片が $0$ になることであるから、
$$- 2t^3 + 2 = 0$$
$t$ は実数であるから $t = 1$ である。
このとき接線の傾きは $3 \cdot 1^2 - 5 = -2$ となり、接線の方程式は $y = -2x$ となる。
この直線が元の曲線と接点以外に共有点を持つか確認する。$x^3 - 5x + 2 = -2x$ を解くと、
$$x^3 - 3x + 2 = 0$$
$$(x - 1)^2 (x + 2) = 0$$
これより $x = 1, -2$ となる。異なる2つの実数解を持つため、共有点は $x=1$(接点)と $x=-2$ の2個となり条件を満たす。したがって、
$$a = -2$$
(2)
(1)より、直線の方程式は $y = -2x$ であり、曲線との共有点の $x$ 座標は $x = -2, 1$ である。
区間 $-2 \le x \le 1$ における曲線と直線の上下関係を調べる。たとえば $x = 0$ を代入すると、曲線の $y$ 座標は $2$、直線の $y$ 座標は $0$ となるため、曲線 $y = x^3 - 5x + 2$ が直線 $y = -2x$ の上側にあることがわかる。
求める面積を $S$ とすると、
$$S = \int_{-2}^{1} \{ (x^3 - 5x + 2) - (-2x) \} dx$$
$$S = \int_{-2}^{1} (x^3 - 3x + 2) dx$$
$$S = \left[ \frac{1}{4} x^4 - \frac{3}{2} x^2 + 2x \right]_{-2}^{1}$$
$$S = \left( \frac{1}{4} - \frac{3}{2} + 2 \right) - \left( \frac{16}{4} - \frac{3 \cdot 4}{2} - 4 \right)$$
$$S = \frac{3}{4} - (4 - 6 - 4)$$
$$S = \frac{3}{4} + 6 = \frac{27}{4}$$
解法2
(1)
曲線 $y = x^3 - 5x + 2$ と直線 $y = ax$ の共有点の $x$ 座標は、方程式 $x^3 - 5x + 2 = ax$ すなわち、
$$x^3 - (a + 5)x + 2 = 0$$
の実数解である。共有点が2個であるための条件は、この3次方程式が異なる2つの実数解を持つこと、つまり重解とそれとは異なるもう1つの実数解を持つことである。
$g(x) = x^3 - (a + 5)x + 2$ とおくと、
$$g'(x) = 3x^2 - (a + 5)$$
$g(x) = 0$ が異なる2つの実数解を持つためには、$g(x)$ が極値を持ち、極大値と極小値のいずれかが $0$ になる必要がある。
極値を持つ条件は $g'(x) = 0$ が異なる2つの実数解を持つことであるから、$a + 5 > 0$ より $a > -5$ である。このとき $g'(x) = 0$ の解は、
$$x = \pm \sqrt{\frac{a + 5}{3}}$$
極値が $0$ になるための条件を考える。$x$ が上記の解のとき $3x^2 - (a + 5) = 0$ であることを利用して $g(x)$ を次数下げすると、
$$g(x) = x(x^2 - (a + 5)) + 2 = x\left(x^2 - 3x^2\right) + 2 = -2x^3 + 2$$
極値が $0$ になるとき $-2x^3 + 2 = 0$ であるから、$x^3 = 1$ より実数解は $x = 1$ である。
これを $3x^2 - (a + 5) = 0$ に代入すると、
$$3 \cdot 1^2 - (a + 5) = 0$$
$$a + 5 = 3$$
$$a = -2$$
これは $a > -5$ を満たす。
以下、(2)の解答は解法1と同様である。
解説
3次関数と直線の共有点に関する標準的な問題である。共有点が2個になる状況は、「直線が3次曲線に接する」という幾何学的な意味を持つ。このことから解法1のように接線からアプローチする方法と、解法2のように連立した3次方程式の解の個数に帰着させる代数的なアプローチがある。
解法1の方が直感的に捉えやすく、計算量も少ないことが多い。解法2の方針を取る場合は、$g(x)$ に $g'(x) = 0$ の解を直接代入すると計算が煩雑になるため、$g'(x) = 0$ すなわち $a+5 = 3x^2$ を用いた次数下げの工夫が重要となる。
答え
(1) $a = -2$
(2) $\frac{27}{4}$
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