数学2 面積・接線 問題 14 解説

方針・初手
接点の $x$ 座標を $t$ とおき、接線の方程式を立てる。その接線が原点を通るという条件から、$t$ の方程式を導く。原点から接線が2本引ける条件と、それらが直交するという条件(傾きの積が $-1$)を用いて $k$ の値を決定する。面積は、放物線と接線の上下関係に注意して定積分を計算する。
解法1
(1)
放物線 $y = x^2 + 2x + k$ を $C$ とし、$f(x) = x^2 + 2x + k$ とおく。
$f'(x) = 2x + 2$ である。
$C$ 上の点 $(t, t^2 + 2t + k)$ における接線の方程式は、
$$y - (t^2 + 2t + k) = (2t + 2)(x - t)$$
すなわち、
$$y = (2t + 2)x - t^2 + k$$
となる。この接線が原点 $(0, 0)$ を通るので、
$$0 = -t^2 + k$$
$$t^2 = k$$
という方程式が得られる。原点から2本の接線が引けるとき、この $t$ についての2次方程式は異なる2つの実数解をもつため、$k > 0$ である。
このときの2つの解を $\alpha, \beta$ とすると、解と係数の関係より、
$$\alpha + \beta = 0$$
$$\alpha \beta = -k$$
が成り立つ。2本の接線の傾きはそれぞれ $2\alpha + 2, 2\beta + 2$ であり、これらが互いに垂直に交わるので、傾きの積は $-1$ である。よって、
$$(2\alpha + 2)(2\beta + 2) = -1$$
展開して整理すると、
$$4\alpha \beta + 4(\alpha + \beta) + 4 = -1$$
これに $\alpha + \beta = 0, \alpha \beta = -k$ を代入すると、
$$-4k + 0 + 4 = -1$$
$$4k = 5$$
$$k = \frac{5}{4}$$
これは $k > 0$ を満たしている。
(2)
(1)より、$k = \frac{5}{4}$ であるから、接点の $x$ 座標を満たす方程式は $t^2 = \frac{5}{4}$ となり、$t = \pm \frac{\sqrt{5}}{2}$ である。
2つの接点の $x$ 座標を $\alpha = -\frac{\sqrt{5}}{2}, \beta = \frac{\sqrt{5}}{2}$ とする。
2本の接線の方程式は $y = (2\alpha + 2)x, y = (2\beta + 2)x$ となる。これらの交点は原点 $(0,0)$ である。
求める面積 $S$ は、区間 $\alpha \leqq x \leqq 0$ において放物線と接線 $y = (2\alpha + 2)x$ の間で囲まれる部分と、区間 $0 \leqq x \leqq \beta$ において放物線と接線 $y = (2\beta + 2)x$ の間で囲まれる部分の和である。
放物線から接線を引いた式は、それぞれ $(x - \alpha)^2$ および $(x - \beta)^2$ となるので、
$$S = \int_{\alpha}^{0} (x - \alpha)^2 dx + \int_{0}^{\beta} (x - \beta)^2 dx$$
$$S = \left[ \frac{(x - \alpha)^3}{3} \right]_{\alpha}^{0} + \left[ \frac{(x - \beta)^3}{3} \right]_{0}^{\beta}$$
$$S = \frac{-\alpha^3}{3} - 0 + 0 - \frac{-\beta^3}{3}$$
$$S = \frac{\beta^3 - \alpha^3}{3}$$
ここで $\alpha = -\frac{\sqrt{5}}{2}, \beta = \frac{\sqrt{5}}{2}$ を代入すると、
$$S = \frac{1}{3} \left\{ \left( \frac{\sqrt{5}}{2} \right)^3 - \left( -\frac{\sqrt{5}}{2} \right)^3 \right\}$$
$$S = \frac{2}{3} \left( \frac{5\sqrt{5}}{8} \right)$$
$$S = \frac{5\sqrt{5}}{12}$$
解説
放物線の外部の点から引いた接線を求める典型問題である。接点の $x$ 座標を文字でおき、接線の方程式を立ててから通る点の座標を代入するという手順が定石である。
(1)では、得られた $t$ の方程式の解が接点の $x$ 座標を表すことを意識し、解と係数の関係を利用すると計算の見通しが良い。また、接線が2本引けるための条件(判別式 $D>0$ に相当する $k>0$)の確認も忘れてはならない。
(2)の面積計算では、接線と放物線の差が $(x - (\text{接点の}x\text{座標}))^2$ の形になる性質を利用すると、定積分の計算が大幅に簡略化できる。いわゆる「$\frac{1}{12}$ 公式」の導出過程と同じ計算手法である。
答え
(1) $k = \frac{5}{4}$
(2) $\frac{5\sqrt{5}}{12}$
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