トップ 基礎問題 数学2 積分法 面積・接線 問題 17

数学2 面積・接線 問題 17 解説

数学2 面積・接線 問題 17 解説

方針・初手

(1) 放物線上の点における接線の傾きを微分により求め、正接の加法定理を用いて回転後の直線 $l$ の傾きを計算する。 (2) 線分と放物線で囲まれた面積 $T(a)$ を求める際は、交点の $x$ 座標を直接求めるのではなく、解と係数の関係と定積分の $\frac{1}{6}$ 公式を利用して計算量を減らす。その後、最高次の項に着目して極限を求める。

解法1

(1)

$y = x^2$ について、$y' = 2x$ である。 点 $\text{A}(a, a^2)$ における接線の傾きは $2a$ である。 この接線が $x$ 軸の正の向きとなす角を $\theta \ \left(0 < \theta < \frac{\pi}{2}\right)$ とすると、$\tan\theta = 2a$ が成り立つ。 直線 $l$ は、この接線をAを中心に $-30^\circ$ 回転させたものであるから、その傾き $m$ は

$$m = \tan(\theta - 30^\circ) = \frac{\tan\theta - \tan 30^\circ}{1 + \tan\theta \tan 30^\circ}$$

となる。$\tan 30^\circ = \frac{1}{\sqrt{3}}$ と $\tan\theta = 2a$ を代入して

$$m = \frac{2a - \frac{1}{\sqrt{3}}}{1 + 2a \cdot \frac{1}{\sqrt{3}}} = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}$$

を得る。 よって、直線 $l$ は点 $(a, a^2)$ を通り、傾き $m$ の直線であるから、その方程式は

$$y - a^2 = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}(x - a)$$

すなわち

$$y = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}x + \frac{a(2a^2 - \sqrt{3}a + 1)}{2a + \sqrt{3}}$$

である。

(2)

点 $\text{C}(a, 0)$ と原点 $\text{O}(0,0)$、および点 $\text{A}(a, a^2)$ について考える。 線分OC($x$軸上の $0 \leqq x \leqq a$ の部分)、線分CA(直線 $x=a$ 上の $0 \leqq y \leqq a^2$ の部分)と放物線 $y=x^2$ で囲まれる部分の面積 $S(a)$ は、

$$S(a) = \int_0^a x^2 \, dx = \left[ \frac{1}{3}x^3 \right]_0^a = \frac{1}{3}a^3$$

である。

次に、直線 $l$ と放物線 $y=x^2$ の交点A、Bの $x$ 座標をそれぞれ $a$、$b$ とする。 これらは $x$ についての2次方程式 $x^2 - mx - \frac{a(2a^2 - \sqrt{3}a + 1)}{2a + \sqrt{3}} = 0$ の解である。 解と係数の関係より $a + b = m$ であるから、$b = m - a$ となる。 ここで $a - b$ を計算すると

$$a - b = a - (m - a) = 2a - m = 2a - \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}} = \frac{2a(2a + \sqrt{3}) - (2\sqrt{3}a - 1)}{2a + \sqrt{3}} = \frac{4a^2 + 1}{2a + \sqrt{3}}$$

となる。$a > 0$ であるから、$2a + \sqrt{3} > 0$ かつ $4a^2 + 1 > 0$ より $a - b > 0$ 、すなわち $b < a$ である。 したがって、線分ABと $y=x^2$ で囲まれる部分の面積 $T(a)$ は定積分の公式により

$$T(a) = \int_b^a \left( m(x - a) + a^2 - x^2 \right) \, dx = \frac{1}{6}(a - b)^3 = \frac{1}{6} \left( \frac{4a^2 + 1}{2a + \sqrt{3}} \right)^3$$

と表される。 これより、求める極限は

$$\lim_{a \to \infty} \frac{T(a)}{S(a)} = \lim_{a \to \infty} \frac{\frac{1}{6} \left( \frac{4a^2 + 1}{2a + \sqrt{3}} \right)^3}{\frac{1}{3}a^3} = \lim_{a \to \infty} \frac{1}{2a^3} \left( \frac{4a^2 + 1}{2a + \sqrt{3}} \right)^3$$

$$= \lim_{a \to \infty} \frac{1}{2} \left( \frac{4a^2 + 1}{2a^2 + \sqrt{3}a} \right)^3 = \lim_{a \to \infty} \frac{1}{2} \left( \frac{4 + \frac{1}{a^2}}{2 + \frac{\sqrt{3}}{a}} \right)^3$$

$$= \frac{1}{2} \left( \frac{4 + 0}{2 + 0} \right)^3 = \frac{1}{2} \cdot 2^3 = 4$$

である。

解説

図形の回転と面積の極限を求める標準的な問題である。 (1)では、直線を回転させたときの傾きを、正接の加法定理を用いて処理することが重要である。 (2)では、放物線と直線で囲まれた面積を求める際に定積分の $\frac{1}{6}$ 公式を用いると計算が大幅に短縮される。また、交点の $x$ 座標を解の公式で直接求めるのではなく、解と係数の関係を利用して交点の $x$ 座標の差 $a-b$ を表すのが定石である。極限の計算では、分母分子の最高次の項でくくり出す基本操作を行う。

答え

(1) $y = \frac{2\sqrt{3}a - 1}{2a + \sqrt{3}}x + \frac{a(2a^2 - \sqrt{3}a + 1)}{2a + \sqrt{3}}$

(2) $4$

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