トップ 基礎問題 数学2 積分法 面積・接線 問題 18

数学2 面積・接線 問題 18 解説

数学2 面積・接線 問題 18 解説

方針・初手

直線 $l$ が $x$軸、$y$軸の正の部分と交わるという条件から、直線の方程式を設定する。直線の式の設定方法として、$x$軸、$y$軸の切片を変数としておく「切片形」を利用する方法と、直線の「傾き」を変数とする方法が考えられる。どちらの場合も、三角形の面積の式を立てた後、相加平均と相乗平均の大小関係を用いて最小値を求めるのが定石である。

解法1

定点 $\text{P}(a, b)$ は第1象限にあるため、$a > 0, b > 0$ である。 直線 $l$ は $x$軸、$y$軸の正の部分と交わるので、その交点をそれぞれ $\text{A}(p, 0)$, $\text{B}(0, q)$ とおくと、$p > 0, q > 0$ である。 このとき、直線 $l$ の方程式は次のように表される。

$$\frac{x}{p} + \frac{y}{q} = 1$$

この直線が点 $\text{P}(a, b)$ を通るので、次の関係式が成り立つ。

$$\frac{a}{p} + \frac{b}{q} = 1$$

ここで、$a, b, p, q$ はいずれも正の実数であるから、$\frac{a}{p} > 0, \frac{b}{q} > 0$ である。 したがって、相加平均と相乗平均の大小関係より、次の不等式が成り立つ。

$$\frac{a}{p} + \frac{b}{q} \geqq 2\sqrt{\frac{a}{p} \cdot \frac{b}{q}}$$

左辺は $1$ であるから、これを代入して整理する。

$$1 \geqq 2\sqrt{\frac{ab}{pq}}$$

両辺は正であるから、2乗しても大小関係は変わらない。

$$1 \geqq \frac{4ab}{pq}$$

$$pq \geqq 4ab$$

直線 $l$ と $x$軸、$y$軸で囲まれた三角形の面積を $S$ とすると、$S = \frac{1}{2}pq$ であるから、上の不等式の両辺に $\frac{1}{2}$ を掛ける。

$$\frac{1}{2}pq \geqq 2ab$$

$$S \geqq 2ab$$

等号が成立するのは、相加平均と相乗平均の大小関係を用いた箇所で $\frac{a}{p} = \frac{b}{q}$ となるときである。 これと $\frac{a}{p} + \frac{b}{q} = 1$ を連立すると、

$$\frac{a}{p} = \frac{1}{2}, \quad \frac{b}{q} = \frac{1}{2}$$

すなわち、$p = 2a, q = 2b$ のときであり、これは $p > 0, q > 0$ を満たす。 このとき、直線 $l$ の方程式は以下のようになる。

$$\frac{x}{2a} + \frac{y}{2b} = 1$$

分母を払って整理すると、$bx + ay = 2ab$ となる。

解法2

定点 $\text{P}(a, b)$ は第1象限にあるため、$a > 0, b > 0$ である。 直線 $l$ は $x$軸、$y$軸の正の部分と交わるので、その傾きを $m$ とおくと $m < 0$ である。 点 $\text{P}(a, b)$ を通る直線 $l$ の方程式は、次のように表される。

$$y - b = m(x - a)$$

$$y = m(x - a) + b$$

この直線と $x$軸、$y$軸の交点を求める。 $y = 0$ とすると $x = a - \frac{b}{m}$ となり、$m < 0, a > 0, b > 0$ より $a - \frac{b}{m} > 0$ である。 $x = 0$ とすると $y = -ma + b$ となり、$m < 0, a > 0, b > 0$ より $-ma + b > 0$ である。 したがって、直線 $l$ と $x$軸、$y$軸で囲まれた三角形の面積 $S$ は、以下のように計算できる。

$$\begin{aligned} S &= \frac{1}{2} \left( a - \frac{b}{m} \right) (-ma + b) \\ &= \frac{1}{2} \left( -ma^2 + ab + ab - \frac{b^2}{m} \right) \\ &= \frac{1}{2} \left( -ma^2 - \frac{b^2}{m} + 2ab \right) \end{aligned}$$

ここで $m < 0$ より、$-ma^2 > 0$ かつ $-\frac{b^2}{m} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、次の不等式が成り立つ。

$$-ma^2 - \frac{b^2}{m} \geqq 2\sqrt{(-ma^2)\left(-\frac{b^2}{m}\right)}$$

$$-ma^2 - \frac{b^2}{m} \geqq 2\sqrt{a^2b^2}$$

$a > 0, b > 0$ より $\sqrt{a^2b^2} = ab$ であるから、

$$-ma^2 - \frac{b^2}{m} \geqq 2ab$$

これを面積 $S$ の式に適用すると、

$$S \geqq \frac{1}{2} (2ab + 2ab) = 2ab$$

等号が成立するのは、$-ma^2 = -\frac{b^2}{m}$ のときである。 これを変形すると $m^2 = \frac{b^2}{a^2}$ となり、$m < 0$ であるから $m = -\frac{b}{a}$ のとき等号が成立する。 このとき、直線 $l$ の方程式は、

$$y - b = -\frac{b}{a}(x - a)$$

両辺に $a$ を掛けて整理する。

$$a(y - b) = -b(x - a)$$

$$ay - ab = -bx + ab$$

$$bx + ay = 2ab$$

解説

面積の最小値を求める典型的な問題である。解答のように、直線の切片、あるいは傾きを変数として面積の式を立てるのが基本方針となる。 いずれの解法においても、展開した式に互いに逆数となるような関係を持つ項が現れるため、「相加平均と相乗平均の大小関係」を用いることで鮮やかに最小値を求めることができる。 この定理を用いる際は、「各項が正であることの明記」および「等号成立条件の確認」が必須であるため、記述漏れがないように注意したい。

答え

面積 $S$ の最小値: $2ab$

そのときの $l$ の方程式: $bx + ay = 2ab$

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