数学2 面積・接線 問題 20 解説

方針・初手
絶対値記号を含む方程式は、絶対値の定義に従って外していくのが定石である。$a>0$ であることに注意して方程式を解き進める。
面積計算では、被積分関数となる $f(x)$ と $g(x)$ のグラフの上下関係を正しく把握する必要がある。式を区間ごとに細かく分けて比較するよりも、$y=a$ という直線を基準にそれぞれの関数の値の範囲を評価すると、見通しが良く計算量も抑えられる。また、$f(x)$ の積分は無理に式を展開して計算するのではなく、グラフを描いて図形的に面積を求めるのが確実である。
解法1
(1)
$f(x) = a$ より、方程式は以下のようになる。
$$\left| |x - 3a| - a \right| = a$$
$a > 0$ であるから、外側の絶対値を外すと以下のようになる。
$$|x - 3a| - a = \pm a$$
これを整理して、以下の2つの式を得る。
$$|x - 3a| = 2a, \quad 0$$
$|x - 3a| = 2a$ のとき、$a > 0$ より $x - 3a = \pm 2a$ であり、$x = 5a, a$ となる。
$|x - 3a| = 0$ のとき、$x = 3a$ となる。
よって、求める解は以下の通りである。
$$x = a, \quad 3a, \quad 5a$$
(2)
関数 $g(x)$ について、以下のように変形できる。
$$g(x) - a = -x^2 + 6ax - 5a^2 = -(x-a)(x-5a)$$
これより、$g(a) = a$、$g(5a) = a$ であり、区間 $a \le x \le 5a$ において $g(x) \ge a$ が成り立つ。
一方、区間 $a \le x \le 5a$ においては、以下が成り立つ。
$$-2a \le x - 3a \le 2a$$
これより $0 \le |x - 3a| \le 2a$ となり、各辺から $a$ を引くと以下の不等式を得る。
$$-a \le |x - 3a| - a \le a$$
したがって、この区間において以下の関係が成り立つ。
$$f(x) = \left| |x - 3a| - a \right| \le a$$
(1) の結果から $f(a) = a, f(5a) = a$ であり、2つのグラフは $x=a$ と $x=5a$ で交わる。
さらに上の考察から、区間 $a \le x \le 5a$ において常に $g(x) \ge a \ge f(x)$ となることがわかる。
ゆえに、求める面積 $S$ は、以下のように表せる。
$$S = \int_a^{5a} \{g(x) - f(x)\} dx = \int_a^{5a} g(x) dx - \int_a^{5a} f(x) dx$$
ここで、第1項の積分は以下の通り計算できる。
$$\begin{aligned} \int_a^{5a} g(x) dx &= \int_a^{5a} \{-(x-a)(x-5a) + a\} dx \\ &= \frac{1}{6}(5a - a)^3 + \int_a^{5a} a dx \\ &= \frac{64}{6}a^3 + a(5a - a) \\ &= \frac{32}{3}a^3 + 4a^2 \end{aligned}$$
また、第2項の定積分 $\int_a^{5a} f(x) dx$ は、関数 $y=f(x)$ のグラフと $x$ 軸、および2直線 $x=a, x=5a$ で囲まれた図形の面積を表す。
$f(x) = 0$ とすると $|x-3a| = a$ より $x = 2a, 4a$ である。これと (1) の結果を合わせると、$y=f(x)$ のグラフは、頂点が $(a, a), (2a, 0), (3a, a), (4a, 0), (5a, a)$ となる折れ線になる。
したがって求める面積は、底辺 $a$、高さ $a$ の直角三角形4つ分に等しい。
$$\int_a^{5a} f(x) dx = 4 \times \left( \frac{1}{2} \cdot a \cdot a \right) = 2a^2$$
以上より、求める面積 $S$ は以下のようになる。
$$\begin{aligned} S &= \left( \frac{32}{3}a^3 + 4a^2 \right) - 2a^2 \\ &= \frac{32}{3}a^3 + 2a^2 \end{aligned}$$
解説
絶対値を含む関数のグラフと放物線で囲まれた面積を求める問題である。絶対値のグラフを区間ごとに場合分けして外す方針でも解けるが、数式が多くなり計算ミスの原因となる。本問では $y=a$ という直線を基準に設けることで、煩雑な大小関係の証明を鮮やかに回避できる。また、折れ線の積分は無理に式を積分するのではなく、図形的な面積として計算するのが確実かつ実践的である。
答え
(1)
$x = a, 3a, 5a$
(2)
$S = \frac{32}{3}a^3 + 2a^2$
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