数学2 面積・接線 問題 23 解説

方針・初手
まずは放物線と直線の交点の座標を求める。これにより、領域の境界と定積分の区間が確定する。面積の計算には、放物線と直線で囲まれた図形の面積の公式($\frac{1}{6}$ 公式)を活用すると計算ミスを防ぐことができる。三角形の面積は、座標平面上の3点の座標から面積を求める公式(ベクトルの成分を利用したものなど)を用いると見通しがよい。
解法1
(1)
放物線 $y = x^2 - 4x + 5$ と直線 $y = 4x - 2$ の交点の $x$ 座標を求める。
$$x^2 - 4x + 5 = 4x - 2$$
$$x^2 - 8x + 7 = 0$$
$$(x - 1)(x - 7) = 0$$
これより、$x = 1, 7$ である。 対応する $y$ 座標は、それぞれ $y = 2, 26$ となる。 交点の座標は $(1, 2)$ および $(7, 26)$ である。 また、放物線の式を変形すると $y = (x - 2)^2 + 1$ となり、頂点は $(2, 1)$ の下に凸な放物線である。
領域 $D$ は連立不等式 $y \geqq x^2 - 4x + 5$ かつ $y \leqq 4x - 2$ が表す領域であるから、放物線の上側かつ直線の下側の部分となる。境界線上の点を含む。 (グラフの概形は、点 $(1,2)$ と点 $(7,26)$ で交わる下に凸な放物線と直線で囲まれた三日月状の領域となる)
(2)
領域 $D$ の面積を $S$ とする。区間 $1 \leqq x \leqq 7$ において $4x - 2 \geqq x^2 - 4x + 5$ であるから、
$$\begin{aligned} S &= \int_{1}^{7} \{(4x - 2) - (x^2 - 4x + 5)\} dx \\ &= \int_{1}^{7} (-x^2 + 8x - 7) dx \\ &= -\int_{1}^{7} (x - 1)(x - 7) dx \end{aligned}$$
ここで、定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta - \alpha)^3$ を用いると、
$$\begin{aligned} S &= -\left\{ -\frac{1}{6}(7 - 1)^3 \right\} \\ &= \frac{6^3}{6} \\ &= 36 \end{aligned}$$
(3)
交点 $\text{P}, \text{Q}$ の $x$ 座標はそれぞれ $1, 7$ である。 点 $\text{R}$ は放物線上を $\text{P}$ から $\text{Q}$ まで動くので、点 $\text{R}$ の $x$ 座標を $t$ とおくと、$1 < t < 7$ である。 このとき、$\text{R}(t, t^2 - 4t + 5)$ と表せる。 また、$\text{P}(1, 2), \text{Q}(7, 26)$ としても一般性を失わない。
$\triangle\text{PQR}$ の面積を求めるために、ベクトル $\vec{\text{PR}}$ と $\vec{\text{PQ}}$ の成分を計算する。
$$\vec{\text{PR}} = (t - 1, (t^2 - 4t + 5) - 2) = (t - 1, t^2 - 4t + 3)$$
$$\vec{\text{PQ}} = (7 - 1, 26 - 2) = (6, 24)$$
$\triangle\text{PQR}$ の面積を $S'$ とすると、
$$\begin{aligned} S' &= \frac{1}{2} |(t - 1) \cdot 24 - (t^2 - 4t + 3) \cdot 6| \\ &= \frac{1}{2} |24t - 24 - 6t^2 + 24t - 18| \\ &= \frac{1}{2} |-6t^2 + 48t - 42| \\ &= 3 |-t^2 + 8t - 7| \end{aligned}$$
ここで、$1 < t < 7$ において $-t^2 + 8t - 7 = -(t - 1)(t - 7) > 0$ であるから、絶対値記号はそのまま外すことができる。
$$S' = 3(-t^2 + 8t - 7)$$
条件より、$\triangle\text{PQR}$ の面積 $S'$ が $D$ の面積 $S = 36$ の半分となるから、
$$3(-t^2 + 8t - 7) = 18$$
$$-t^2 + 8t - 7 = 6$$
$$t^2 - 8t + 13 = 0$$
これを解の公式で解くと、
$$t = \frac{-(-8) \pm \sqrt{(-8)^2 - 4 \cdot 1 \cdot 13}}{2} = \frac{8 \pm \sqrt{64 - 52}}{2} = \frac{8 \pm \sqrt{12}}{2} = 4 \pm \sqrt{3}$$
$1 < 4 - \sqrt{3} < 7$ かつ $1 < 4 + \sqrt{3} < 7$ であるから、これらはともに $1 < t < 7$ を満たす。
解説
(2)で登場する $\frac{1}{6}$ 公式は、放物線と直線で囲まれた面積を求める際の典型的な手法である。計算量を大幅に減らすことができるため、積分区間が交点の $x$ 座標と一致している場合は積極的に活用するとよい。
(3)の三角形の面積計算では、点と直線の距離の公式を用いて底辺と高さを求める方法もあるが、3点の座標から直接面積を計算する公式(ベクトルの成分を利用する形)を用いる方が計算の見通しが立ちやすい。また、放物線の弦と放物線で囲まれる領域に内接する三角形の最大の面積は、その領域の面積の $\frac{3}{4}$ 倍になることが知られている(アルキメデスの定理)。本問の $\triangle\text{PQR}$ の最大面積は $36 \times \frac{3}{4} = 27$ であり、条件の $18$ はこれより小さいため、条件を満たす点 $\text{R}$ が存在することが背景からもうかがえる。
答え
(1) 放物線 $y = x^2 - 4x + 5$ と直線 $y = 4x - 2$ の交点は $(1, 2), (7, 26)$ である。
領域 $D$ は、これら2つのグラフの交点を結ぶ線分および放物線の弧で囲まれた部分(境界線を含む)である。
(2) $36$
(3) $4 \pm \sqrt{3}$
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