数学2 面積・接線 問題 35 解説

方針・初手
(1) は 2 曲線の式を連立して共有点の個数を調べる。$y$ を消去して $x$ の方程式を導き、$t = x^2$ と置いて 3 次方程式に帰着させるのが見通しがよい。 (2) は (1) の結果から $k=2$ としてグラフの上下関係を把握する。$C_1$ 上の点と原点との距離を調べることで、曲線 $C_1$ が第 1 象限において円 $C_2$ の内部に含まれることを示し、囲まれる領域の構造を決定する。
解法1
(1) $C_1 : y = -x^3 + kx$ と $C_2 : x^2 + y^2 = k$ から $y$ を消去する。
$$x^2 + (-x^3 + kx)^2 = k$$
$$x^2 + x^2(x^2 - k)^2 - k = 0$$
$$x^6 - 2kx^4 + (k^2 + 1)x^2 - k = 0$$
ここで $t = x^2 \ (t \geqq 0)$ とおくと、方程式は以下のようになる。
$$t^3 - 2kt^2 + (k^2 + 1)t - k = 0$$
左辺に $t = k$ を代入すると、$k^3 - 2k^3 + k(k^2 + 1) - k = 0$ となり成り立つため、左辺は $t - k$ を因数に持つ。因数分解すると次のようになる。
$$(t - k)(t^2 - kt + 1) = 0$$
したがって、$t = k$ または $t^2 - kt + 1 = 0$ である。 $t = k$ のとき、$k > 0$ より $x = \pm \sqrt{k}$。これらを $C_1$ の式に代入すると、ともに $y = 0$ となる。よって、$(\sqrt{k}, 0), (-\sqrt{k}, 0)$ の 2 個の共有点が常に存在する。
次に、$t^2 - kt + 1 = 0$ の正の実数解について調べる。 $f(t) = t^2 - kt + 1$ とおくと、$f(0) = 1 > 0$ であり、放物線 $y = f(t)$ の軸 $t = \frac{k}{2}$ は正である。したがって、実数解を持てばそれらはすべて正である。また $f(k) = k^2 - k^2 + 1 = 1 \neq 0$ より、$t = k$ が重解になることはない。 $f(t) = 0$ の判別式を $D$ とすると、$D = k^2 - 4$ である。
(i) $D < 0$ すなわち $0 < k < 2$ のとき $f(t) = 0$ は実数解を持たない。よって共有点は 2 個である。
(ii) $D = 0$ すなわち $k = 2$ のとき $f(t) = 0$ は $t = 1$ を重解に持つ。$x^2 = 1$ より $x = \pm 1$。それぞれ $C_1$ の式に代入すると $(1, 1), (-1, -1)$ となり、新たな共有点が 2 個追加される。よって共有点は 4 個である。
(iii) $D > 0$ すなわち $k > 2$ のとき $f(t) = 0$ は異なる 2 つの正の実数解を持つ。それぞれの $t$ に対して $x$ が 2 つずつ定まり、それらに対する $y$ も $C_1$ の式から一意に定まるため、新たな共有点が 4 個追加される。よって共有点は 6 個である。
(2) (1) の結果から、$C_1$ と $C_2$ が 4 つの共有点を持つとき $k = 2$ である。 このとき、$C_1 : y = -x^3 + 2x$、$C_2 : x^2 + y^2 = 2$ である。 $x \geqq 0, y \geqq 0$ の範囲(第 1 象限およびその境界)において考える。 $y = -x^3 + 2x = x(2 - x^2)$ より、$0 \leqq x \leqq \sqrt{2}$ において $y \geqq 0$ である。 $C_1$ 上の点 $(x, y)$ の原点からの距離の 2 乗を考えると、次のようになる。
$$x^2 + y^2 = x^2 + (-x^3 + 2x)^2 = x^6 - 4x^4 + 5x^2$$
これが円 $C_2$ の半径の 2 乗である 2 とどのような大小関係にあるか調べる。
$$(x^6 - 4x^4 + 5x^2) - 2 = (x^2 - 1)^2(x^2 - 2)$$
$0 \leqq x \leqq \sqrt{2}$ の範囲において $x^2 - 2 \leqq 0$ であり、また $(x^2 - 1)^2 \geqq 0$ であるから、常に以下の不等式が成り立つ。
$$(x^2 - 1)^2(x^2 - 2) \leqq 0$$
等号成立は $x = 1, \sqrt{2}$ のときである。したがって、この範囲における $C_1$ は常に $x^2 + y^2 \leqq 2$ を満たし、円 $C_2$ の境界を含む内部に存在する。 よって、$x \geqq 0, y \geqq 0$ の範囲にある四分円の領域は、曲線 $C_1$ によって完全に 2 つの部分に分割される。 1 つは $C_1$ と $x$ 軸で囲まれた部分であり、その面積 $S_1$ は定積分で求められる。
$$\begin{aligned} S_1 &= \int_{0}^{\sqrt{2}} (-x^3 + 2x) dx \\ &= \left[ -\frac{1}{4}x^4 + x^2 \right]_{0}^{\sqrt{2}} \\ &= -\frac{1}{4} \cdot 4 + 2 \\ &= 1 \end{aligned}$$
もう 1 つの部分は、四分円から上記の領域を除いた部分である。四分円の面積 $S$ は半径 $\sqrt{2}$ の円の $\frac{1}{4}$ であるから、次のようになる。
$$S = \frac{1}{4} \cdot \pi (\sqrt{2})^2 = \frac{\pi}{2}$$
したがって、もう 1 つの部分の面積 $S_2$ は以下のようになる。
$$S_2 = S - S_1 = \frac{\pi}{2} - 1$$
解法2
(1) $C_1 : y = -x^3 + kx$ を変形すると $y = x(k - x^2)$ となる。 $C_2 : x^2 + y^2 = k$ より $k - x^2 = y^2$ であるから、これを前の式に代入する。
$$y = x y^2$$
$$y(xy - 1) = 0$$
したがって、$y = 0$ または $xy = 1$ である。
(i) $y = 0$ のとき $C_2$ の式より $x^2 = k$ すなわち $x = \pm \sqrt{k}$ となる。このとき $C_1$ の式も満たすため、$(\sqrt{k}, 0), (-\sqrt{k}, 0)$ は共有点である。($k>0$ よりこれらは異なる 2 点)
(ii) $xy = 1$ のとき $y = \frac{1}{x}$ を $C_2$ の式に代入して整理する。
$$x^2 + \frac{1}{x^2} = k$$
$$x^4 - kx^2 + 1 = 0$$
$X = x^2 \ (X > 0)$ とおくと、$X^2 - kX + 1 = 0$ となる。 この 2 次方程式の実数解の個数を判別式 $D = k^2 - 4$ で分類し、以後は解法 1 と同様の議論で個数を決定できる。
解説
2 曲線の共有点を求める定石の問題であるが、連立方程式の処理の仕方で計算量が大きく変わる。解法 2 のように $x^2 + y^2 = k$ の形をうまく利用して代入すると、$y(xy - 1) = 0$ という非常にシンプルな関係式を導くことができる。 面積を求める (2) では、「囲まれた 2 つの部分」が何を指しているかを正しく解釈する必要がある。交点を求めて単純に積分するだけでなく、原点からの距離の 2 乗を比較することで、曲線が円の内部にすっぽり収まっていること($x=1$ で内接していること)を論理的に示すのが重要である。
答え
(1)
$0 < k < 2$ のとき 2 個
$k = 2$ のとき 4 個
$k > 2$ のとき 6 個
(2)
$1$ と $\frac{\pi}{2} - 1$
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