数学2 面積・接線 問題 48 解説

方針・初手
- (1)は2つの放物線の方程式を連立して2次方程式を作り、解と係数の関係を適用する。
- (2)は2つの放物線の上下関係を把握し、定積分を立式する。被積分関数が因数分解できることを利用し、いわゆる「$\frac{1}{6}$公式」を用いて計算を簡略化する。
- (3)は面積の式に現れる $a$ の2次関数について、平方完成を行って最小値を求める。底が正のとき、累乗の関数は単調増加であることを利用する。
解法1
(1)
2つの放物線の方程式 $y = x^2 - ax + 1$ と $y = -x^2 + (a+4)x - 3a + 1$ から $y$ を消去して連立する。
$$x^2 - ax + 1 = -x^2 + (a+4)x - 3a + 1$$
整理すると、
$$2x^2 - (2a+4)x + 3a = 0$$
この2次方程式の2つの解が、2つの放物線の交点の $x$ 座標 $\alpha, \beta$ である。解と係数の関係より、
$$\alpha + \beta = \frac{2a+4}{2} = a+2$$
$$\alpha\beta = \frac{3a}{2}$$
(2)
$\alpha < \beta$ としても一般性を失わない。 区間 $\alpha \le x \le \beta$ において、放物線 $y = -x^2 + (a+4)x - 3a + 1$ は上に凸、放物線 $y = x^2 - ax + 1$ は下に凸であるため、上に凸の放物線が上側にある。 したがって、求める面積 $S(a)$ は次のように立式できる。
$$S(a) = \int_{\alpha}^{\beta} \{ (-x^2 + (a+4)x - 3a + 1) - (x^2 - ax + 1) \} dx$$
$$S(a) = \int_{\alpha}^{\beta} \{ -2x^2 + (2a+4)x - 3a \} dx$$
ここで、被積分関数は $-2(x-\alpha)(x-\beta)$ と因数分解できるため、
$$S(a) = \int_{\alpha}^{\beta} -2(x-\alpha)(x-\beta) dx$$
定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を用いると、
$$S(a) = -2 \left\{ -\frac{1}{6} (\beta-\alpha)^3 \right\} = \frac{1}{3} (\beta-\alpha)^3$$
次に、$(\beta-\alpha)^2$ を $\alpha+\beta$ と $\alpha\beta$ で表す。
$$(\beta-\alpha)^2 = (\alpha+\beta)^2 - 4\alpha\beta$$
(1) の結果を代入すると、
$$(\beta-\alpha)^2 = (a+2)^2 - 4 \cdot \frac{3a}{2}$$
$$(\beta-\alpha)^2 = a^2 + 4a + 4 - 6a = a^2 - 2a + 4$$
$\beta > \alpha$ より $\beta - \alpha > 0$ であるから、
$$\beta-\alpha = \sqrt{a^2 - 2a + 4}$$
よって、面積 $S(a)$ は次のように表される。
$$S(a) = \frac{1}{3} (a^2 - 2a + 4)^{\frac{3}{2}}$$
(3)
$S(a)$ の式において、根号の中身を $f(a)$ とおく。
$$f(a) = a^2 - 2a + 4$$
平方完成すると、
$$f(a) = (a-1)^2 + 3$$
問題の条件より $a > 0$ である。この範囲において、$f(a)$ は $a = 1$ のとき最小値 $3$ をとる。
関数 $y = \frac{1}{3} x^{\frac{3}{2}}$ は $x > 0$ の範囲で単調に増加するため、$f(a)$ が最小となるとき $S(a)$ も最小となる。 したがって、$a = 1$ のとき $S(a)$ は最小となり、その最小値は、
$$S(1) = \frac{1}{3} \cdot 3^{\frac{3}{2}} = \frac{1}{3} \cdot 3\sqrt{3} = \sqrt{3}$$
解説
- (1)で2次方程式の解を直接求めようとすると解の公式が必要になり、計算が非常に煩雑になる。交点の $x$ 座標の和や積が問われていること、および(2)で $(\beta-\alpha)^3$ の形が現れることを見越し、解と係数の関係を利用するのが定石である。
- (2)における面積計算では、2つの2次関数で囲まれた図形の面積の公式($\frac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3$)を使いこなすことで、積分計算のミスを劇的に減らすことができる。
- (3)では、$S(a)$ 全体を微分して増減を調べる必要はない。根号の中身の2次関数の最小値を考えれば十分であるという点に気づくとスムーズに解答できる。定義域 $a>0$ の確認も忘れないようにしたい。
答え
(1)
$$\alpha+\beta = a+2, \quad \alpha\beta = \frac{3a}{2}$$
(2)
$$S(a) = \frac{1}{3} (a^2 - 2a + 4)^{\frac{3}{2}}$$
(3)
$$a = 1 \text{ のとき、最小値 } \sqrt{3}$$
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