数学2 面積・接線 問題 50 解説

方針・初手
曲線の方程式に含まれる絶対値記号をはずし、$x \geqq 0$ と $x < 0$ の区間に分けて曲線の形状を把握する。 直線 $y = mx + 4$ と曲線の共有点を調べると、定数 $m$ の値によらず点 $(0, 4)$ で交わることがわかる。 定数 $m$ の値によって共有点の個数や位置関係が変わるため、場合分けをして「囲まれる部分」の面積 $S$ を $m$ の式で表し、その最小値を求める。
解法1
曲線 $C: y = x^2 + x + 4 - |3x|$ と直線 $l: y = mx + 4$ とする。 絶対値をはずして $C$ の方程式を整理すると、以下のようになる。
$x \geqq 0$ のとき
$$y = x^2 + x + 4 - 3x = x^2 - 2x + 4$$
$x < 0$ のとき
$$y = x^2 + x + 4 - (-3x) = x^2 + 4x + 4$$
曲線 $C$ と直線 $l$ の共有点の $x$ 座標は、方程式 $x^2 + x + 4 - |3x| = mx + 4$ すなわち $x^2 + (1-m)x - |3x| = 0$ の解である。
$x \geqq 0$ の範囲における共有点の $x$ 座標は、$x^2 - (m+2)x = 0$ より、
$$x(x - (m+2)) = 0$$
よって、$x = 0, m+2$ となる。 これが $x > 0$ の範囲に交点をもつ条件は $m+2 > 0$、すなわち $m > -2$ である。
$x < 0$ の範囲における共有点の $x$ 座標は、$x^2 - (m-4)x = 0$ より、
$$x(x - (m-4)) = 0$$
よって、$x = 0, m-4$ となる。 これが $x < 0$ の範囲に交点をもつ条件は $m-4 < 0$、すなわち $m < 4$ である。
以上の交点の条件から、定数 $m$ の値により次のように場合分けを行う。
(i) $-2 < m < 4$ のとき
直線 $l$ は曲線 $C$ と $x < 0$ の範囲において $x = m-4$ で交わり、$x > 0$ の範囲において $x = m+2$ で交わる。 したがって、曲線 $C$ と直線 $l$ で囲まれる部分は $x \leqq 0$ と $x \geqq 0$ の両方にまたがって存在する。 この面積を $S(m)$ とすると、次のように計算できる。
$$\begin{aligned} S(m) &= \int_{m-4}^{0} \{ (mx+4) - (x^2+4x+4) \} dx + \int_{0}^{m+2} \{ (mx+4) - (x^2-2x+4) \} dx \\ &= \int_{m-4}^{0} (-x^2 + (m-4)x) dx + \int_{0}^{m+2} (-x^2 + (m+2)x) dx \\ &= \int_{m-4}^{0} -x(x - (m-4)) dx + \int_{0}^{m+2} -x(x - (m+2)) dx \\ &= \frac{1}{6} (0 - (m-4))^3 + \frac{1}{6} ((m+2) - 0)^3 \\ &= \frac{1}{6} (4-m)^3 + \frac{1}{6} (m+2)^3 \\ &= \frac{1}{6} \{ (64 - 48m + 12m^2 - m^3) + (m^3 + 6m^2 + 12m + 8) \} \\ &= \frac{1}{6} (18m^2 - 36m + 72) \\ &= 3m^2 - 6m + 12 \\ &= 3(m-1)^2 + 9 \end{aligned}$$
この区間において、$S(m)$ は $m=1$ のとき最小値 $9$ をとる。
(ii) $m \geqq 4$ のとき
$x < 0$ における交点は存在せず、直線 $l$ と曲線 $C$ で囲まれる部分は $0 \leqq x \leqq m+2$ の範囲のみとなる。 この面積は $S(m) = \frac{1}{6}(m+2)^3$ であり、区間 $m \geqq 4$ において単調に増加する。 最小値は $m=4$ のとき $S(4) = \frac{1}{6} \cdot 6^3 = 36$ である。
(iii) $m \leqq -2$ のとき
$x > 0$ における交点は存在せず、直線 $l$ と曲線 $C$ で囲まれる部分は $m-4 \leqq x \leqq 0$ の範囲のみとなる。 この面積は $S(m) = \frac{1}{6}(4-m)^3$ であり、区間 $m \leqq -2$ において $m$ が小さくなるほど値は増加する。 最小値は $m=-2$ のとき $S(-2) = \frac{1}{6} \cdot 6^3 = 36$ である。
(i), (ii), (iii) より、すべての実数 $m$ において面積 $S(m)$ は $m=1$ のとき最小値をとる。
解説
放物線と直線で囲まれた面積を求める際の典型的な問題です。 絶対値を含む関数はグラフが折れ曲がるため、積分区間を $0$ を境に分割して計算する必要があります。 この際、交点の $x$ 座標を上端・下端とする定積分が現れるため、いわゆる $\frac{1}{6}$ 公式($\int_{\alpha}^{\beta} -(x-\alpha)(x-\beta)dx = \frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$)を用いると計算量を劇的に減らすことができます。
また、交点の位置が $m$ の値によって変わるため、厳密には場合分けが必要です。ただし、図形的なイメージが描けていれば、面積が最小になるのは直線が谷間に「はまり込む」ように両側の放物線と交わる $-2 < m < 4$ のケースであろうとアタリをつけることができ、検算や時間配分の助けになります。
答え
$m = 1$
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