数学2 面積・接線 問題 57 解説

方針・初手
共通接線を求めるには、一方の放物線上の点における接線を設定し、それが他方の放物線にも接するという条件(判別式 $D=0$)を用いるのが定石である。面積計算では、放物線と接線の間の面積であるため、被積分関数が $(x-\alpha)^2$ の形になることを利用すると計算が大幅に楽になる。
解法1
(1)
$C_1: y=x^2$ を微分すると $y'=2x$ であるから、$C_1$ 上の点 $(t, t^2)$ における接線の方程式は、
$$y - t^2 = 2t(x - t)$$
すなわち、
$$y = 2tx - t^2 \quad \cdots \cdots \text{①}$$
となる。これが $C_2: y=x^2-4ax+4a$ にも接するとき、次の2次方程式が重解をもつ。
$$x^2 - 4ax + 4a = 2tx - t^2$$
整理すると、
$$x^2 - 2(t + 2a)x + t^2 + 4a = 0 \quad \cdots \cdots \text{②}$$
方程式②の判別式を $D$ とすると、$D=0$ が成り立つので、
$$\frac{D}{4} = (t + 2a)^2 - (t^2 + 4a) = 0$$
$$t^2 + 4at + 4a^2 - t^2 - 4a = 0$$
$$4a(t + a - 1) = 0$$
問題の条件より $a > 0$ であるから、
$$t = 1 - a$$
これを①に代入して、求める直線 $l$ の方程式は、
$$y = 2(1 - a)x - (1 - a)^2$$
(2)
まず、2つの放物線 $C_1, C_2$ の交点の $x$ 座標を求める。
$$x^2 = x^2 - 4ax + 4a$$
$$4ax = 4a$$
$a > 0$ より、
$$x = 1$$
また、直線 $l$ と各放物線の接点の $x$ 座標は以下のようになる。 $C_1$ と $l$ の接点の $x$ 座標は $t$ であるから、$x = 1 - a$ である。 $C_2$ と $l$ の接点の $x$ 座標は、方程式②の重解であるから、
$$x = t + 2a = (1 - a) + 2a = 1 + a$$
$a > 0$ より、接点の $x$ 座標の大小関係は $1 - a < 1 < 1 + a$ となる。 したがって、求める面積 $S$ は、
$$S = \int_{1-a}^1 \{ x^2 - (2tx - t^2) \} dx + \int_1^{1+a} \{ (x^2 - 4ax + 4a) - (2tx - t^2) \} dx$$
放物線と接線の差は、接点の $x$ 座標を重解にもつ2次式になるため、次のように変形できる。
$$S = \int_{1-a}^1 \{ x - (1-a) \}^2 dx + \int_1^{1+a} \{ x - (1+a) \}^2 dx$$
計算すると、
$$S = \left[ \frac{1}{3} \{ x - (1-a) \}^3 \right]_{1-a}^1 + \left[ \frac{1}{3} \{ x - (1+a) \}^3 \right]_1^{1+a}$$
$$S = \frac{1}{3} \{ 1 - (1-a) \}^3 - 0 + 0 - \frac{1}{3} \{ 1 - (1+a) \}^3$$
$$S = \frac{1}{3} a^3 - \frac{1}{3} (-a)^3$$
$$S = \frac{2}{3} a^3$$
解説
(1)の共通接線の導出では、$y=mx+n$ とおいて両方の放物線に対して判別式 $D=0$ を立てる方針でも解けるが、一方の放物線の接線を設定してから他方に接する条件を考える方が、変数の数が少なく計算がスムーズである。
(2)の面積計算では、積分区間が2つに分かれることに注意する。被積分関数を展開して定積分を実行すると計算ミスを誘発しやすいため、「放物線とその接線の差は、接点の $x$ 座標 $\alpha$ を用いて $p(x-\alpha)^2$ と因数分解できる」という性質を利用し、$\int (x-\alpha)^2 dx = \frac{1}{3}(x-\alpha)^3 + C$ の積分公式を用いて効率よく計算することが重要である。
答え
(1) $y = 2(1-a)x - (1-a)^2$
(2) $\frac{2}{3} a^3$
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