数学2 面積・接線 問題 58 解説

方針・初手
2曲線の交点の $x$ 座標を求め、区間ごとのグラフの上下関係を把握して定積分により面積を計算する。面積が $a$ の関数として求まった後、微分または相加・相乗平均の関係を利用して最大値を求める。
解法1
(1)
$C_1: y=ax^2$ と $C_2: y=\frac{1}{a}(x-1)^2$ の式から $y$ を消去すると、
$$ax^2 = \frac{1}{a}(x-1)^2$$
$a > 0$ であるから、両辺に $a$ を掛けて整理すると、
$$a^2x^2 = (x-1)^2$$
$$(ax)^2 - (x-1)^2 = 0$$
$$(ax - x + 1)(ax + x - 1) = 0$$
$$\{ (a-1)x + 1 \} \{ (a+1)x - 1 \} = 0$$
$a > 0$ かつ $0 \leqq x \leqq 1$ の範囲で交点をもつため、$(a-1)x + 1 = 0$ を満たす $0 \leqq x \leqq 1$ は存在せず、$(a+1)x - 1 = 0$ となる。 したがって、求める交点の $x$ 座標は、
$$x = \frac{1}{a+1}$$
(2)
(1) で求めた交点の $x$ 座標を $\alpha$ とおく。すなわち、$\alpha = \frac{1}{a+1}$ である。
区間 $0 \leqq x \leqq \alpha$ においては $C_1$ と $x$ 軸で囲まれ、区間 $\alpha \leqq x \leqq 1$ においては $C_2$ と $x$ 軸で囲まれる。 したがって、求める面積 $S(a)$ は、
$$S(a) = \int_{0}^{\alpha} ax^2 dx + \int_{\alpha}^{1} \frac{1}{a}(x-1)^2 dx$$
$$S(a) = \left[ \frac{a}{3}x^3 \right]_{0}^{\alpha} + \left[ \frac{1}{3a}(x-1)^3 \right]_{\alpha}^{1}$$
$$S(a) = \frac{a}{3}\alpha^3 - \frac{1}{3a}(\alpha-1)^3$$
ここで、$\alpha = \frac{1}{a+1}$ より、
$$\alpha - 1 = \frac{1}{a+1} - 1 = \frac{1 - (a+1)}{a+1} = \frac{-a}{a+1} = -a\alpha$$
この関係を用いると、
$$S(a) = \frac{a}{3}\alpha^3 - \frac{1}{3a}(-a\alpha)^3$$
$$S(a) = \frac{a}{3}\alpha^3 + \frac{a^2}{3}\alpha^3$$
$$S(a) = \frac{a(a+1)}{3}\alpha^3$$
これに $\alpha = \frac{1}{a+1}$ を代入して、
$$S(a) = \frac{a(a+1)}{3} \left( \frac{1}{a+1} \right)^3 = \frac{a}{3(a+1)^2}$$
(3)
(2) より、$S(a) = \frac{1}{3} \cdot \frac{a}{(a+1)^2}$ である。
$a > 0$ であるから、分母分子を $a$ で割ると、
$$S(a) = \frac{1}{3} \cdot \frac{1}{a + 2 + \frac{1}{a}}$$
$a > 0$ かつ $\frac{1}{a} > 0$ であるから、相加・相乗平均の関係より、
$$a + \frac{1}{a} \geqq 2\sqrt{a \cdot \frac{1}{a}} = 2$$
等号が成立するのは $a = \frac{1}{a}$ のときであり、$a > 0$ より $a = 1$ である。 したがって、分母にある $a + \frac{1}{a}$ は $a = 1$ のとき最小値 $2$ をとるため、全体として $S(a)$ は最大となる。 よって、$a = 1$ のとき最大値は、
$$S(1) = \frac{1}{3(2+2)} = \frac{1}{12}$$
解法2
(3) の別解として、微分を用いる方法を示す。
(3)
(2) より、$S(a) = \frac{a}{3(a+1)^2}$ である。 $a$ について微分すると、
$$S'(a) = \frac{1}{3} \cdot \frac{1 \cdot (a+1)^2 - a \cdot 2(a+1)}{(a+1)^4}$$
$$S'(a) = \frac{1}{3} \cdot \frac{(a+1) - 2a}{(a+1)^3}$$
$$S'(a) = \frac{1-a}{3(a+1)^3}$$
$S'(a) = 0$ となるのは $a = 1$ のときである。 $a > 0$ における増減を調べると、$0 < a < 1$ において $S'(a) > 0$、$a > 1$ において $S'(a) < 0$ である。 したがって、$S(a)$ は $a = 1$ のとき極大かつ最大となる。 そのときの最大値は、
$$S(1) = \frac{1}{3(1+1)^2} = \frac{1}{12}$$
解説
面積の定積分計算において、交点の座標が複雑な分数式になる場合、一旦文字 $\alpha$ でおいて定積分を計算し、式を整理してから最後に代入すると計算ミスを減らすことができる。本問では $\alpha - 1 = -a\alpha$ という関係式に気づくと、計算量が劇的に少なくなる。 また、最大値を求める問題において、変数が分母と分子に散らばっている分数関数の形を見た場合は、相加・相乗平均の関係を利用する手法が非常に有効である。微分を用いた解法も定石通りであるが、式変形の工夫で簡潔に答えを導けるようにしておきたい。
答え
(1) $x = \frac{1}{a+1}$
(2) $S(a) = \frac{a}{3(a+1)^2}$
(3) $a = 1$ のとき、最大値 $\frac{1}{12}$
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