トップ 基礎問題 数学2 積分法 面積・接線 問題 60

数学2 面積・接線 問題 60 解説

数学2 面積・接線 問題 60 解説

方針・初手

問題の指示に従い、順を追って計算していく。 (1) は2つの放物線の方程式を連立し、交点の座標を求める。 (2) は放物線 $C_2$ の式を微分して、点における接線の方程式を導出する。 (3) は2つの面積 $S_1$ と $S_2$ を定積分により計算する。積分区間は共に $1 \le x \le a$ である。面積を求める際は、被積分関数となる上下のグラフの大小関係を確認することが重要である。 (4) は、(3)で求めた $S_1, S_2$ を等式に代入し、$a$ についての3次方程式が $a>2$ の範囲で異なる2つの実数解を持つことを示す。関数を設定し、微分の増減表を利用してグラフの概形から解の個数を判定する。

解法1

(1) $C_1: y=x^2-2x$ と $C_2: y=-x^2+2ax-2a$ の共有点の $x$ 座標は、これらを連立させた方程式の解である。

$$x^2-2x = -x^2+2ax-2a$$

整理すると、

$$2x^2 - 2(a+1)x + 2a = 0$$

$$x^2 - (a+1)x + a = 0$$

左辺を因数分解して、

$$(x-1)(x-a) = 0$$

よって、$x = 1, a$ を得る。 $x=1$ のとき、$C_1$ の式より $y = 1^2 - 2 \cdot 1 = -1$。 $x=a$ のとき、$C_1$ の式より $y = a^2 - 2a$。 したがって、共有点の座標は以下の通りである。

$$(1, -1), \quad (a, a^2-2a)$$

(2) $C_2: y=-x^2+2ax-2a$ を $x$ について微分すると、以下のようになる。

$$y' = -2x+2a$$

$x=2$ における接線の傾きは、

$$-2 \cdot 2 + 2a = 2a-4$$

点 $(2, 2a-4)$ を通る接線 $l$ の方程式は、

$$y - (2a-4) = (2a-4)(x-2)$$

展開して整理すると、

$$y = (2a-4)x - 2(2a-4) + 2a - 4$$

$$y = (2a-4)x - 2a + 4$$

(3) まず、$1 \le x \le a$ における $l$ と $C_1$ の上下関係を調べる。

$$f(x) = \{ (2a-4)x - 2a + 4 \} - (x^2-2x)$$

とおくと、

$$f(x) = -x^2 + 2(a-1)x - 2a + 4$$

これを平方完成する。

$$\begin{aligned} f(x) &= -(x^2 - 2(a-1)x) - 2a + 4 \\ &= -\{ x - (a-1) \}^2 + (a-1)^2 - 2a + 4 \\ &= -\{ x - (a-1) \}^2 + a^2 - 4a + 5 \\ &= -\{ x - (a-1) \}^2 + (a-2)^2 + 1 \end{aligned}$$

放物線 $y=f(x)$ は上に凸であり、軸は $x=a-1$ である。 区間 $1 \le x \le a$ の両端における値を確認する。 $x=1$ のとき、$f(1) = -1 + 2(a-1) - 2a + 4 = 1 > 0$ $x=a$ のとき、$f(a) = -a^2 + 2(a-1)a - 2a + 4 = a^2 - 4a + 4 = (a-2)^2 > 0$ ($a>2$ より) 区間の端点で正であり、上に凸な放物線であるため、$1 \le x \le a$ の範囲において常に $f(x) > 0$ である。 すなわち、接線 $l$ は放物線 $C_1$ の上方にある。

したがって、面積 $S_1$ は次のように計算できる。

$$\begin{aligned} S_1 &= \int_{1}^{a} \{ -x^2 + 2(a-1)x - 2a + 4 \} dx \\ &= \left[ -\frac{1}{3}x^3 + (a-1)x^2 - 2(a-2)x \right]_{1}^{a} \\ &= \left( -\frac{1}{3}a^3 + (a-1)a^2 - 2(a-2)a \right) - \left( -\frac{1}{3} + a - 1 - 2a + 4 \right) \\ &= \left( \frac{2}{3}a^3 - 3a^2 + 4a \right) - \left( -a + \frac{8}{3} \right) \\ &= \frac{2}{3}a^3 - 3a^2 + 5a - \frac{8}{3} \end{aligned}$$

次に、$S_2$ を求める。$a>2$ より $1 < a$ であり、区間 $1 \le x \le a$ においては $C_2$ が $C_1$ の上方にあるため、

$$\begin{aligned} S_2 &= \int_{1}^{a} \{ (-x^2+2ax-2a) - (x^2-2x) \} dx \\ &= \int_{1}^{a} \{ -2x^2 + 2(a+1)x - 2a \} dx \\ &= -2 \int_{1}^{a} (x-1)(x-a) dx \\ &= -2 \left( -\frac{1}{6} (a-1)^3 \right) \\ &= \frac{1}{3}(a-1)^3 \end{aligned}$$

(4) (3)の結果を用いて、与えられた方程式 $2S_1-3S_2+2=0$ の左辺を計算する。

$$2S_1 = \frac{4}{3}a^3 - 6a^2 + 10a - \frac{16}{3}$$

$$3S_2 = (a-1)^3 = a^3 - 3a^2 + 3a - 1$$

これらを代入すると、

$$\begin{aligned} 2S_1 - 3S_2 + 2 &= \left( \frac{4}{3}a^3 - 6a^2 + 10a - \frac{16}{3} \right) - (a^3 - 3a^2 + 3a - 1) + 2 \\ &= \frac{1}{3}a^3 - 3a^2 + 7a - \frac{7}{3} \end{aligned}$$

方程式 $\frac{1}{3}a^3 - 3a^2 + 7a - \frac{7}{3} = 0$ が、$a>2$ の範囲に2つの実数解を持つことを示せばよい。 ここで、関数 $g(a)$ を以下のように定める。

$$g(a) = \frac{1}{3}a^3 - 3a^2 + 7a - \frac{7}{3}$$

$g(a)$ を微分すると、

$$g'(a) = a^2 - 6a + 7$$

$g'(a) = 0$ とすると、解の公式より $a = 3 \pm \sqrt{2}$ となる。 $3-\sqrt{2} \approx 3-1.414 = 1.586 < 2$ であるため、$a>2$ の範囲に含まれる極値をとる $a$ の値は $a = 3+\sqrt{2}$ のみである。 $a \ge 2$ における $g(a)$ の増減表は以下のようになる。

$a$ $2$ $\cdots$ $3+\sqrt{2}$ $\cdots$
$g'(a)$ $-$ $-$ $0$ $+$
$g(a)$ $\frac{7}{3}$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

ここで、各点の値を確認する。 $a=2$ のとき、

$$g(2) = \frac{8}{3} - 12 + 14 - \frac{7}{3} = \frac{1}{3} + 2 = \frac{7}{3} > 0$$

$a=3+\sqrt{2}$ における極小値を求めるため、$g(a)$ を $g'(a)$ で割ると、商が $\frac{1}{3}a-1$、余りが $-\frac{4}{3}a+\frac{14}{3}$ となる。すなわち、

$$g(a) = \left( \frac{1}{3}a - 1 \right)(a^2 - 6a + 7) - \frac{4}{3}a + \frac{14}{3}$$

と表せるので、

$$\begin{aligned} g(3+\sqrt{2}) &= -\frac{4}{3}(3+\sqrt{2}) + \frac{14}{3} \\ &= -4 - \frac{4\sqrt{2}}{3} + \frac{14}{3} \\ &= \frac{2 - 4\sqrt{2}}{3} \end{aligned}$$

$\sqrt{32} > \sqrt{4} = 2$ より $4\sqrt{2} > 2$ であるため、$g(3+\sqrt{2}) < 0$ である。 さらに、$\lim_{a \to \infty} g(a) = \infty$ である。

$g(2) > 0$ かつ極小値が負であり、$a \to \infty$ で正の無限大に発散することから、関数 $y=g(a)$ のグラフは $a>2$ の範囲において $x$ 軸と2回交わる。 したがって、$2S_1-3S_2+2=0$ を満たす $a$ の値は2つ存在することが示された。

解説

2つの放物線と接線に関する標準的な微積分と方程式の解の個数の問題である。 (3) では積分計算の正確さが求められる。放物線同士で囲まれた面積 $S_2$ の計算には、公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を用いると計算量が大幅に軽減される。$S_1$ の計算においては、被積分関数の上下関係を調べる工程を省略しないことが論理的な答案作成において重要である。 (4) は、自ら関数を定義し、微分を用いてグラフの概形を把握して実数解の個数を視覚的に示す典型的な手法を用いる。極値の計算では、関数を導関数で割った余りを利用して次数を下げる工夫をすると、計算ミスを防ぎやすくなる。

答え

(1) $(1, -1), \ (a, a^2-2a)$

(2) $y = (2a-4)x - 2a + 4$

(3) $S_1 = \frac{2}{3}a^3 - 3a^2 + 5a - \frac{8}{3}, \ S_2 = \frac{1}{3}(a-1)^3$

(4) 解説の通り。

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