トップ 基礎問題 数学2 積分法 面積・接線 問題 70

数学2 面積・接線 問題 70 解説

数学2 面積・接線 問題 70 解説

方針・初手

曲線と接線の交点を求めるため、まずは接線の方程式を立てる。接点が与えられているので、微分の基本事項に従って方程式を立式し、曲線の方程式と連立する。接点では重解をもつことを利用すると、因数分解が容易に行える。面積計算においては、被積分関数が $(x-\alpha)^2(x-\beta)$ の形になることを利用し、積分計算を工夫して計算ミスを防ぐことが重要である。

解法1

$f(x) = x^3 - x$ とおく。 $f(x)$ を $x$ について微分すると、

$$f'(x) = 3x^2 - 1$$

となる。

(1) 点 $\text{P}(a, a^3 - a)$ における接線 $\ell$ の方程式は、

$$y - (a^3 - a) = (3a^2 - 1)(x - a)$$

整理して、

$$y = (3a^2 - 1)x - 2a^3$$

となる。 曲線 $C$ と接線 $\ell$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $x^3 - x = (3a^2 - 1)x - 2a^3$ の実数解である。 整理すると、

$$x^3 - 3a^2 x + 2a^3 = 0$$

となる。 点 $\text{P}$ で接することから、この方程式は $x = a$ を重解にもつ。したがって、左辺は $(x - a)^2$ を因数にもつことがわかる。 因数分解すると、

$$(x - a)^2 (x + 2a) = 0$$

となる。 よって、$x = a, -2a$ を得る。 点 $\text{Q}$ は点 $\text{P}$ と異なる交点であるため、$b \neq a$ である。 したがって、$b = -2a$ である。 条件より $a > 0$ であるから、$b = -2a < 0$ となり、条件 $b < 0$ を満たす。

(2) 曲線 $C$ と接線 $\ell$ で囲まれた部分の面積 $S_1$ を求める。 区間 $-2a \leqq x \leqq a$ における曲線 $C$ と接線 $\ell$ の上下関係を調べる。

$$(x^3 - x) - \{ (3a^2 - 1)x - 2a^3 \} = (x - a)^2 (x + 2a)$$

$x \geqq -2a$ のとき $x + 2a \geqq 0$ であり、また常に $(x - a)^2 \geqq 0$ であるから、$(x - a)^2 (x + 2a) \geqq 0$ が成り立つ。 したがって、区間 $-2a \leqq x \leqq a$ において、曲線 $C$ は接線 $\ell$ の上側(または接している)にある。 よって、面積 $S_1$ は次のように計算できる。

$$\begin{aligned} S_1 &= \int_{-2a}^{a} \{ (x^3 - x) - ((3a^2 - 1)x - 2a^3) \} dx \\ &= \int_{-2a}^{a} (x - a)^2 (x + 2a) dx \\ &= \int_{-2a}^{a} (x - a)^2 \{ (x - a) + 3a \} dx \\ &= \int_{-2a}^{a} \{ (x - a)^3 + 3a(x - a)^2 \} dx \\ &= \left[ \frac{1}{4}(x - a)^4 + a(x - a)^3 \right]_{-2a}^{a} \\ &= 0 - \left( \frac{1}{4}(-3a)^4 + a(-3a)^3 \right) \\ &= - \left( \frac{81}{4}a^4 - 27a^4 \right) \\ &= \frac{27}{4}a^4 \end{aligned}$$

(3) 点 $\text{Q}(b, b^3 - b)$ における接線 $m$ と曲線 $C$ で囲まれた部分の面積 $S_2$ を求める。 点 $\text{Q}$ における接線と曲線 $C$ の関係は、(2)の点 $\text{P}$ を点 $\text{Q}$ に置き換えたものと同じ構造をもつ。 すなわち、(1)と(2)の議論において、$a$ を $b$ に置き換えると、交点の $x$ 座標は $-2b$ となる。 $b < 0$ より $-2b > 0$ であるため、区間は $b \leqq x \leqq -2b$ となる。 (2)と同様に計算すると、面積 $S_2$ は、

$$S_2 = \frac{27}{4}b^4$$

と表すことができる。 これに(1)の結果である $b = -2a$ を代入すると、

$$S_2 = \frac{27}{4}(-2a)^4 = \frac{27}{4} \cdot 16a^4 = 108a^4$$

となる。 よって、求める比は、

$$\frac{S_2}{S_1} = \frac{108a^4}{\frac{27}{4}a^4} = 108 \cdot \frac{4}{27} = 16$$

となる。

解説

3次関数とその接線で囲まれた面積を求める典型問題である。 3次関数 $y=f(x)$ のグラフ上の点における接線の方程式を立て、曲線との交点を求める際、接点における $x$ 座標を $\alpha$ とすると、交点を求める方程式は $(x-\alpha)^2$ を因数にもつ。この性質を利用することで、高次方程式を容易に解くことができる。 また、面積計算で現れる定積分 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2 (x-\beta) dx$ は、$(x-\beta) = (x-\alpha) - (\beta-\alpha)$ と変形することで、展開せずに計算を進める工夫が有効である。これを公式として整理した $\frac{1}{12}$ 公式($\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2(\beta-x) dx = \frac{1}{12}(\beta-\alpha)^4$)を用いてもよい。 (3)において、計算の構造が(2)と全く同じであることに気づき、文字の置き換え($a$ を $b$ に置き換える)を利用できれば、計算量を大幅に削減できる。

答え

(1) $b = -2a$

(2) $S_1 = \frac{27}{4}a^4$

(3) $\frac{S_2}{S_1} = 16$

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