数学2 面積・接線 問題 73 解説

方針・初手
(1) 2つの放物線の交点の $x$ 座標は2次方程式の解として得られる。解の公式を用いて直接座標を求めてもよいが、解と係数の関係を利用して交点の $x$ 座標の和と積を文字で表すと計算が見通しやすくなる。2曲線の接線が垂直であることを示すには、それぞれの微分係数の積が $-1$ になることを示せばよい。 (2) 2つの放物線で囲まれた図形の面積であるから、定積分の式を立て、いわゆる「 $\frac{1}{6}$ 公式」を活用して計算を進める。 (3) 問題文の指示通りに $p = \tan\theta$ と置換し、式を三角関数で表す。面積 $S$ を $\theta$ の関数とみなし、微分法を用いて最小値を求める。
解法1
(1)
$C_1: y = px^2$, $C_2: y = -px^2 + 2px + \frac{1}{2p}$ $C_1$ と $C_2$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $px^2 = -px^2 + 2px + \frac{1}{2p}$ の解である。 整理すると、
$$2px^2 - 2px - \frac{1}{2p} = 0$$
$$x^2 - x - \frac{1}{4p^2} = 0$$
この2次方程式の2つの解が $a, b$ ($a < b$) であるから、解と係数の関係より、
$$a+b = 1$$
$$ab = -\frac{1}{4p^2}$$
が成り立つ。 $f(x) = px^2, g(x) = -px^2 + 2px + \frac{1}{2p}$ とおくと、 $f'(x) = 2px, g'(x) = -2px + 2p$ 点 A ($x=a$) における $C_1, C_2$ の接線の傾きの積は、
$$\begin{aligned} f'(a)g'(a) &= 2pa(-2pa + 2p) \\ &= 4p^2 a(1-a) \end{aligned}$$
ここで $a+b=1$ より $1-a=b$ であるから、
$$f'(a)g'(a) = 4p^2 ab = 4p^2 \left( -\frac{1}{4p^2} \right) = -1$$
よって、点 A における $C_1$ の接線と $C_2$ の接線は垂直である。
同様に、点 B ($x=b$) における接線の傾きの積は、
$$\begin{aligned} f'(b)g'(b) &= 2pb(-2pb + 2p) \\ &= 4p^2 b(1-b) \\ &= 4p^2 ba \\ &= -1 \end{aligned}$$
よって、点 B における $C_1$ の接線と $C_2$ の接線も垂直である。
(2)
$a \leqq x \leqq b$ において、$C_1$ と $C_2$ で囲まれた図形の面積 $S$ は、
$$\begin{aligned} S &= \int_a^b \left\{ \left( -px^2 + 2px + \frac{1}{2p} \right) - px^2 \right\} dx \\ &= \int_a^b \left( -2px^2 + 2px + \frac{1}{2p} \right) dx \\ &= -2p \int_a^b \left( x^2 - x - \frac{1}{4p^2} \right) dx \\ &= -2p \int_a^b (x-a)(x-b) dx \\ &= -2p \left\{ -\frac{1}{6}(b-a)^3 \right\} \\ &= \frac{p}{3}(b-a)^3 \end{aligned}$$
ここで、(1) で導いた2次方程式 $x^2 - x - \frac{1}{4p^2} = 0$ を解の公式で解くと、
$$x = \frac{1 \pm \sqrt{1 + \frac{1}{p^2}}}{2} = \frac{p \pm \sqrt{p^2+1}}{2p}$$
$a < b$ および $p > 0$ より、
$$b-a = \frac{p + \sqrt{p^2+1}}{2p} - \frac{p - \sqrt{p^2+1}}{2p} = \frac{2\sqrt{p^2+1}}{2p} = \frac{\sqrt{p^2+1}}{p}$$
これを $S$ の式に代入して、
$$\begin{aligned} S &= \frac{p}{3} \left( \frac{\sqrt{p^2+1}}{p} \right)^3 \\ &= \frac{p(p^2+1)\sqrt{p^2+1}}{3p^3} \\ &= \frac{(p^2+1)\sqrt{p^2+1}}{3p^2} \end{aligned}$$
(3)
$p = \tan\theta \left(0 < \theta < \frac{\pi}{2}\right)$ とおくと、$1+p^2 = 1+\tan^2\theta = \frac{1}{\cos^2\theta}$ である。 $0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ より $\cos\theta > 0$ であるから、$\sqrt{p^2+1} = \frac{1}{\cos\theta}$ となる。 これを (2) で求めた $S$ の式に代入すると、
$$\begin{aligned} S &= \frac{1}{3\tan^2\theta} \cdot \frac{1}{\cos^2\theta} \cdot \frac{1}{\cos\theta} \\ &= \frac{\cos^2\theta}{3\sin^2\theta} \cdot \frac{1}{\cos^3\theta} \\ &= \frac{1}{3\sin^2\theta\cos\theta} \end{aligned}$$
$S$ を最小にするには、分母の関数 $h(\theta) = \sin^2\theta\cos\theta$ を最大にすればよい。
$$h(\theta) = (1-\cos^2\theta)\cos\theta = \cos\theta - \cos^3\theta$$
$t = \cos\theta$ とおくと、$0 < \theta < \frac{\pi}{2}$ より $0 < t < 1$ である。 $g(t) = t - t^3$ とすると、
$$g'(t) = 1 - 3t^2$$
$g'(t) = 0$ となるのは $t^2 = \frac{1}{3}$、すなわち $t = \frac{1}{\sqrt{3}}$ のときである。 $0 < t < \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき $g'(t) > 0$、$\frac{1}{\sqrt{3}} < t < 1$ のとき $g'(t) < 0$ となるため、$g(t)$ は $t = \frac{1}{\sqrt{3}}$ のとき極大かつ最大となる。 このときの $g(t)$ の最大値は、
$$g\left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right) = \frac{1}{\sqrt{3}} - \left(\frac{1}{\sqrt{3}}\right)^3 = \frac{1}{\sqrt{3}} - \frac{1}{3\sqrt{3}} = \frac{2}{3\sqrt{3}}$$
したがって、$S$ の最小値は、
$$S = \frac{1}{3 \cdot \frac{2}{3\sqrt{3}}} = \frac{\sqrt{3}}{2}$$
解説
(1) は、2つの放物線の交点の $x$ 座標を解と係数の関係を用いて扱うことで、式が簡潔になり計算の負担を大きく減らすことができる典型的な手法である。 (2) は、放物線同士で囲まれた面積であるため、「 $\frac{1}{6}$ 公式」を利用して効率よく計算を行う。(1) と同様に交点の差 $b-a$ を最後の代入まで塊として扱うことがポイントである。 (3) は与えられた誘導に従い、面積の式を三角関数の式に書き換える。その後、分母を取り出してさらに $\cos\theta = t$ と置換することで、3次関数の増減を調べる見慣れた問題に帰着させることができる。
答え
(1) 点 A, B における $C_1, C_2$ の接線の傾きの積がそれぞれ $-1$ になることを示し、垂直であることを証明した。
(2) $S = \frac{(p^2+1)\sqrt{p^2+1}}{3p^2}$
(3) $\frac{\sqrt{3}}{2}$
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