数学2 面積・接線 問題 90 解説

方針・初手
3次関数と接線で囲まれた図形の面積を求める基本的な問題である。まずは接線の方程式を求め、元の3次関数と連立させて接点以外の交点を求める。面積計算においては、被積分関数が $(x-\alpha)^2(x-\beta)$ の形に因数分解できることを利用し、定積分の公式(いわゆる $\frac{1}{12}$ 公式)を用いて計算を簡略化するのが定石である。
解法1
曲線の方程式を $f(x) = x^2(x-1) = x^3 - x^2$ とおく。
導関数は $f'(x) = 3x^2 - 2x$ となる。
曲線上の点 $(a, a^3 - a^2)$ における接線 $l$ の方程式は、
$$y - (a^3 - a^2) = (3a^2 - 2a)(x - a)$$
$$y = (3a^2 - 2a)x - 2a^3 + a^2$$
曲線 $y = f(x)$ と接線 $l$ の共有点の $x$ 座標は、方程式
$$x^3 - x^2 = (3a^2 - 2a)x - 2a^3 + a^2$$
$$x^3 - x^2 - (3a^2 - 2a)x + 2a^3 - a^2 = 0$$
の実数解である。直線 $l$ は $x = a$ で接することから、この方程式の左辺は $(x-a)^2$ を因数にもつ。因数分解すると、
$$(x-a)^2 \{x - (1-2a)\} = 0$$
となる。したがって、接点以外の交点の $x$ 座標は $x = 1-2a$ である。
曲線と接線で囲まれた図形が存在するためには、交点と接点が異なる必要があるため $1-2a \neq a$、すなわち $a \neq \frac{1}{3}$ である。
ここで、面積 $S$ は積分区間の上下関係にかかわらず、次のように立式できる。
$$\begin{aligned} S &= \left| \int_{1-2a}^{a} \{f(x) - ((3a^2 - 2a)x - 2a^3 + a^2)\} dx \right| \\ &= \left| \int_{1-2a}^{a} (x-a)^2 \{x - (1-2a)\} dx \right| \end{aligned}$$
定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2(\beta-x) dx = \frac{1}{12}(\beta-\alpha)^4$ を用いると、積分区間の大小にかかわらず、面積 $S$ は交点の $x$ 座標の差の4乗を用いて次のように計算できる。
$$S = \frac{1}{12} |a - (1-2a)|^4 = \frac{1}{12} |3a - 1|^4$$
条件より図形の面積が $\frac{1}{12}$ であるから、
$$\frac{1}{12} (3a - 1)^4 = \frac{1}{12}$$
$$(3a - 1)^4 = 1$$
$a$ は実数であるため、$3a - 1 = \pm 1$ となる。
$3a - 1 = 1$ のとき、
$$3a = 2 \iff a = \frac{2}{3}$$
$3a - 1 = -1$ のとき、
$$3a = 0 \iff a = 0$$
これらはともに $a \neq \frac{1}{3}$ を満たす。
解説
3次関数とその接線で囲まれた面積については、面積を求める公式 $\frac{|p|}{12}(\beta-\alpha)^4$ ($p$ は3次の係数)を利用すると計算量が大きく減る。記述式答案においても、$\int (x-\alpha)^2(x-\beta) dx$ の形を明記した上で結果を用いて問題ないことが多い。また、接点以外の交点を求める際に、方程式が $(x-a)^2$ を因数にもつことを利用して解と係数の関係や恒等式の性質から交点を素早く求める手法も、計算ミスを減らすための重要な定石である。
答え
$a = 0, \frac{2}{3}$
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





