数学2 面積・接線 問題 91 解説

方針・初手
(1) 接点の座標を文字でおき、接線の方程式を作る。それが点 $\text{A}$ を通ることから関係式(極線の方程式)を導き、円の方程式と連立して接点の座標を求める。
(2) 求める2次関数を $y = ax^2 + bx + c$ とおき、3点 $\text{A}, \text{S}, \text{T}$ の座標を代入して未定係数を決定する。
(3) 求める領域は、直線 $\text{ST}$ と放物線 $C$ で囲まれた領域から、直線 $\text{ST}$ と円で囲まれた領域(上側)を除いた部分である。放物線と直線で囲まれた面積は $\frac{1}{6}$ 公式を活用し、円と直線で囲まれた面積は扇形と三角形の面積の差から図形的に求める。
解法1
(1)
点 $\text{S}, \text{T}$ は円 $x^2 + y^2 = 10$ 上の点であり、これらの点における接線の方程式は、接点の座標を $(x_0, y_0)$ とすると、
$$x_0 x + y_0 y = 10$$
と表される。この接線が点 $\text{A}(2, 4)$ を通るから、
$$2x_0 + 4y_0 = 10 \iff x_0 + 2y_0 = 5$$
したがって、接点 $\text{S}, \text{T}$ の座標 $(x, y)$ は、直線 $x + 2y = 5$ と円 $x^2 + y^2 = 10$ の交点として求められる。 $x = 5 - 2y$ を円の方程式に代入すると、
$$(5 - 2y)^2 + y^2 = 10$$
$$25 - 20y + 4y^2 + y^2 = 10$$
$$5y^2 - 20y + 15 = 0$$
$$y^2 - 4y + 3 = 0$$
$$(y - 1)(y - 3) = 0$$
よって、$y = 1, 3$ を得る。 $y = 1$ のとき $x = 5 - 2 \cdot 1 = 3$ $y = 3$ のとき $x = 5 - 2 \cdot 3 = -1$ 条件より $x_1 < x_2$ であるから、$x_1 = -1, x_2 = 3$ となる。 したがって、2点の座標は
$$\text{S}(-1, 3), \quad \text{T}(3, 1)$$
(2)
求める2次関数を $y = ax^2 + bx + c$ ($a \neq 0$) とおく。 このグラフ $C$ が3点 $\text{A}(2, 4)$, $\text{S}(-1, 3)$, $\text{T}(3, 1)$ を通るので、
$$\begin{cases} 4 = 4a + 2b + c & \cdots \text{①} \\ 3 = a - b + c & \cdots \text{②} \\ 1 = 9a + 3b + c & \cdots \text{③} \end{cases}$$
① $-$ ② より、
$$1 = 3a + 3b \iff a + b = \frac{1}{3} \cdots \text{④}$$
② $-$ ③ より、
$$2 = -8a - 4b \iff 2a + b = -\frac{1}{2} \cdots \text{⑤}$$
⑤ $-$ ④ より、
$$a = -\frac{1}{2} - \frac{1}{3} = -\frac{5}{6}$$
④に代入して、
$$b = \frac{1}{3} - \left(-\frac{5}{6}\right) = \frac{7}{6}$$
②に代入して、
$$c = 3 - a + b = 3 - \left(-\frac{5}{6}\right) + \frac{7}{6} = 3 + 2 = 5$$
以上より、求める2次関数は
$$f(x) = -\frac{5}{6}x^2 + \frac{7}{6}x + 5$$
(3)
直線 $\text{ST}$ の方程式は、(1)の過程より $x + 2y = 5$ すなわち $y = -\frac{1}{2}x + \frac{5}{2}$ である。 放物線 $C$ と直線 $\text{ST}$ で囲まれる図形の面積を $S_2$ とすると、交点の $x$ 座標は $x = -1, 3$ であるから、
$$S_2 = \int_{-1}^{3} \left\{ \left( -\frac{5}{6}x^2 + \frac{7}{6}x + 5 \right) - \left( -\frac{1}{2}x + \frac{5}{2} \right) \right\} dx$$
$$S_2 = \int_{-1}^{3} \left( -\frac{5}{6}x^2 + \frac{5}{3}x + \frac{5}{2} \right) dx = -\frac{5}{6} \int_{-1}^{3} (x^2 - 2x - 3) dx$$
$$S_2 = -\frac{5}{6} \int_{-1}^{3} (x + 1)(x - 3) dx$$
$$S_2 = -\frac{5}{6} \cdot \left( -\frac{1}{6} \right) (3 - (-1))^3 = \frac{5}{36} \cdot 64 = \frac{80}{9}$$
次に、円と直線 $\text{ST}$ で囲まれる部分のうち、直線より上側にある部分の面積を $S_1$ とする。 円の中心を $\text{O}(0, 0)$ とすると、$\text{S}(-1, 3)$, $\text{T}(3, 1)$ であるから、内積をとると
$$\vec{\text{OS}} \cdot \vec{\text{OT}} = (-1) \cdot 3 + 3 \cdot 1 = 0$$
よって $\angle\text{SOT} = 90^\circ$ であり、扇形 $\text{O-ST}$ の中心角は $90^\circ$ である。 したがって、$S_1$ は半径 $\sqrt{10}$、中心角 $90^\circ$ の扇形の面積から、直角二等辺三角形 $\text{SOT}$ の面積を引いたものに等しい。
$$S_1 = \pi (\sqrt{10})^2 \cdot \frac{90}{360} - \frac{1}{2} \cdot \sqrt{10} \cdot \sqrt{10} = \frac{5}{2}\pi - 5$$
求める面積 $S$ は、放物線と直線で囲まれた面積 $S_2$ から、円と直線で囲まれた面積 $S_1$ を除いたものであるから、
$$S = S_2 - S_1 = \frac{80}{9} - \left( \frac{5}{2}\pi - 5 \right) = \frac{125}{9} - \frac{5}{2}\pi$$
解説
(1)は「接点の座標をおいて接線の方程式を作る」という円の接線の基本手法である。この接点を通る直線 $x + 2y = 5$ は「極線」と呼ばれ、これを利用して素早く立式できる。 (2)は3点の座標が与えられたときの2次関数の決定であり、連立方程式を解く基本的な問題である。 (3)は面積の計算であるが、複雑な定積分を避けるための工夫が求められる。放物線と直線の間の面積にはいわゆる「 $\frac{1}{6}$ 公式」が利用できる。また、円と直線の間の面積は定積分で計算すると煩雑になるため、図形的に「扇形の面積から三角形の面積を引く」という解法を選択するのが定石である。今回はベクトルの内積を用いて $\angle\text{SOT} = 90^\circ$ となることに気づけると計算がスムーズに進む。
答え
(1) $\text{S}(-1, 3), \quad \text{T}(3, 1)$
(2) $f(x) = -\frac{5}{6}x^2 + \frac{7}{6}x + 5$
(3) $\frac{125}{9} - \frac{5}{2}\pi$
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